上西3点先制打! 法大を下し完全Vへ王手/東京六大学秋季リーグ戦

2015.10.24
 完全優勝へ王手をかけた。初回、2死満塁の好機で5番上西達也外野手(営4=明大中野八王子)が走者一掃の適時二塁打を放ち先制に成功。先発の柳裕也投手(政経3=横浜)は9回途中まで6安打1失点と、法大打線を封じ込む投球を見せた。最後は柳から2投手の継投リレーが抑え、4-1で法大に先勝を決めた。38度目のリーグ制覇へ、5季ぶりの完全優勝は目の前だ。

 「ここで打つしかない」(上西)。初回、2死満塁の好機で打席には6番上西。4球目の142km直球を「低めのストレートを狙っていた」(上西)と大きく振り抜いた。打球は左翼線を破る走者一掃の適時二塁打に。二塁へ到達すると、左拳を突き上げた。「先制したいというのがチームとしての課題でもあった」(上西)。チーム全体が求めていた先制点。リーグ戦初対戦となった相手先発・菅野(法大)の出鼻をくじき、見事に「3」の数字を初回のスコアに刻んでみせた。「初回から攻めよう」とベンチから聞こえていた選手たちの声。チーム全体で徹底してやってきたその姿勢が、しっかりと形になって現れた瞬間だった。
 チームは髙山俊外野手(文4=日大三)がケガで欠場。その中で上西が初回に殊勲打を放てば、この日2番に座った小倉貴大外野手(文4=関西)は猛打賞の活躍を見せた。さらに追加点が欲しい場面で、7回に貴重なダメ押しの犠飛を放ったのは菅野剛士外野手(法4=東海大相模)。外野の3選手が好機をつくり、試合を決める一打も放った。「髙山ができないぶんも外野みんなで頑張っていこう」。その強い思いはしっかりと打球に伝わった。

 有言実行の5勝目だ。先発マウンドに上がった柳は、9回途中まで6安打1失点の粘投を披露した。これで今季全チームから白星を挙げ、自身が目標としていた「5勝」の数字に到達。ここまで合計で50回60奪三振と、3年間でキャリアハイとなる活躍ぶりを見せている。最終カードの初戦、好調を維持している法大打線の前に凡打の山を築かせた。女房役の坂本誠志郎主将(文4=履正社)が構えたミットに低めの真っすぐが決まれば、スライダーのキレも増す。そして、この日冴えたのは「落差があって良かった」(柳)というカーブの制球力。相手打者に的を絞らせることなく、確実にカウントを奪った。引き出しの多さを見せ、投手としての柔軟性を遺憾なくマウンドで発揮。10月22日のドラフト会議で上原健太投手(商4=広陵)が北海道日本ハムファイターズへ念願のプロ入り。「自分も先輩方のようなところを目指すという気持ちがある」(柳)。北の大地での活躍が期待される上原に続こうと、まさに「柳に雪折れなし」の投球を見せた。プロの舞台を夢見ながら、頼もしい右腕が描く投手像。それは「明治」のエースへと確実に近づいている。

 待ちに待った瞬間まであと1勝だ。2回戦で勝利すると、38度目のリーグ優勝、そして史上初の秋3連覇が決まる。「最上級生がきちんと成長した姿を見せる。その締めくくりを明日したい」(善波監督)。完全優勝を決める最終戦で、今季の集大成を見せにいく。

★好救援見せた! 星が今季初の150km★
 9回途中から登板した3番手・星知弥投手(政経3=宇都宮工)が今季最速となる150kmを計測した。9回1死一、二塁の場面で登板し、最後の打者となった蔵桝(法大)に投じた7球目だった。「今日だけでなく明日のゲームの流れも左右するマウンド、気持ちを入れた結果が150kmにつながった」(星)。最後は変化球でバットに空を切らせ試合終了。最終回に訪れたピンチを切り抜けると、グラブを叩き大きくガッツポーズをした。

[土屋あいり]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 吉田大(佼成学園) 4 0 0 .216 遊ゴ 中飛       二ゴ    二ゴ      
2 (中) 小倉(関西) 3 3 3 .360 中安 左安       左安    四球      
3 (二) 竹村(浦和学院) 3 1 0 .290 一邪飛 一ゴ       中安    四球      
4 (右) 菅野(東海大相模) 3 1 1 .257 左安    二ゴ    右犠飛    投ゴ      
5 (一) 佐野恵(広陵) 3 1 0 .282 四球    二ゴ       右安    二ゴ
6 (左) 上西(明大中野八王子) 2 1 3 .200 左二    三振       投ギ         
左 加勢(札幌一) 1 0 0 .000                      投ゴ   
7 (三) 青野(広島国泰寺) 3 0 0 .231 遊ゴ       二ゴ    三振         
打 山下(佼成学園) 0 0 0 —                      四球   
三 渡辺(横浜) 0 0 0 .136                           
8 (捕) 坂本(履正社) 3 0 0 .219    三ゴ    三ゴ    投ゴ    四球   
9 (投) 柳(横浜) 4 1 0 .278    中安    三ゴ       右邪飛 三振   
投 齊藤(桐蔭学園) 0 0 0 —                           
  投 星(宇都宮工) 0 0 0 .000                           
    計 29 8 4 .256                        
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
○柳(横浜) 7 5 1 80/3 129 6 6 2 1 2.16
齊藤(桐蔭学園) 6 1 0 01/3 4 0 0 0 0 4.05
星(宇都宮工) 6 0 1 02/3 9 0 1 0 0 3.38
◆ベンチ入りメンバー◆
10 坂本(文4=履正社) 1 髙山(文4=日大三) 20 西村(農4=智辯学園)
11 上原(商4=広陵) 2 髙橋亮(政経4=前橋育英) 26 吉田有(商1=履正社)
17 柳(政経3=横浜) 3 山下(政経4=佼成学園) 27 佐野恵(商3=広陵)
18 星(政経3=宇都宮工) 5 青野(商4=広島国泰寺) 28 佐藤(文3=白樺学園)
19 齊藤(政経2=桐蔭学園) 12 牛島(営3=門司学園) 34 宮崎(文2=履正社)
29 水野(農2=静岡) 14 吉田大(国際3=佼成学園) 35 石井(営4=履正社)
31 金子(商1=春日部共栄) 15 渡辺(政経1=横浜) 38 加勢(理工3=札幌一)
7 菅野(法4=東海大相模) 16 竹村(政経2=浦和学院)
8 小倉(文4=関西) 9 上西(営4=明大中野八王子)

明 早 慶 立 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週 10/24現在
明大 — ○○ ●○○ ●○○ ○ ○○ 11 9 2 0 4 .818
早大 ●● —    ○○ ○○ ○○ 8 6 2 0 3 .750
慶大 ○●●    — ○●○ ○●○ ○○ 11 7 4 0 3 .636
立大 ○●● ●● ●○● — ●○○ ○ 12 5 7 0 1 .417
法大 ● ●● ●○● ○●● — ●○○ 12 4 8 0 1 .333
東大 ●● ●● ●● ● ○●● — 10 1 9 0 0 .100

試合後のコメント
善波監督

「上西は高山の代役として同じくらいの活躍をしてくれました。小倉もそうですね。選手の中に高山にのっかんないようにという気持ちがあったんじゃないですか。柳は後半打たれたけど、彼らしいピッチングをしてくれました。あと1勝なので、明日は上原にしっかり試合をつくってもらいたいです。2人(上原、柳)ともバタバタせずに投げられるけど、柳の方が球数に耐えられるんじゃないかということで、1試合目にしている。(坂本も指名のあとで落ち着いてプレーしましたが)最後もきつい場面になったけど、バッターを見て冷静に対処してくれた。安定したゲームになっているのは、誠志郎の力が大きいです。(4年生が成長して活躍している)それが学生野球の良さだと思います。最上級生がきちんと成長した姿を見せる。そういうふうになってきてくれたかなという感じはあります。その締めくくりを明日したいです」

次戦へと気を引き締めた坂本
「序盤勝負の試合だと言われていたので、そこでいい形で点を取れて良かったです。スコアにならないミスだったり、中盤にちょっと中だるみのようになってしまったので、明日は9回全部強い気持ちを持って攻めていけたらいいと思います。(あと1勝で優勝ですが)いつも通りですが、明日も強い気持ちを持って、どんどん先に攻めていければいいと思います」

猛打賞の活躍を見せた小倉
「塁に誰かいたらつないで、いなかったら自分が出てやろうという感じで打席に立っていました。(1打席目は)色々な球を見れて追い込まれてから変化球に対応できたことが良かったです。3安打はたまたまいいところに飛んだだけです。明日は3本とは言わないですけど、とりあえず1本打てるように頑張りたいです。(久しぶりに固め打ちの要因)最後なので楽しんでいこうということだけ意識してやりました。監督にももっとどっしり行けと言われたので自分なりに楽しんでやろうと思いました。(チームが勝てているのは)髙山がケガしたことによって一人一人がよりいっそう責任感を持ってやらないといけないという気持ちにはなっていると思います。自分も髙山のぶんも頑張らないといけないなと思っています。(投手、守備が抑えられているが)一人一人が絶対優勝してやるとチームのことを思って一つの目標に向かってやれていると思うのでそういったことがうまくいっているのではないかなと思います。チーム一丸となって何とか秋3連覇できるように、明日で決めたいと思います」

先制となる走者一掃の適時二塁打を放った上西
「(今カードまでチームで徹底してきたこと)練習で監督が初回からいこうと言っていて、先制したいというのがチームとしての課題でもありました。それだけみんなで同じ方向を向いてやってきました。(先制打)佐野がフォアボールで何とかつないでくれたので、監督にも使っていただいたので、ここで打つしかないという初球から強い気持ちでいきました。甘い球は来ないと思っていたので、際どい球でも球種を絞っていこうというのはありました。打ったのはアウトコースの低めのストレートです。低めのストレートを狙っていて、ちょうどその球がきたので思いきって振りました。打った瞬間ファールかなという際どいところだったんですけど、何とか抜けてもらってよかったです。(髙山が欠場)髙山ができないぶんも外野みんなで頑張っていこうということは心がけてやっています。(自身)調子はいつも通りなんですけど、積極的にいこうというのは日頃から心がけてやっているので、もう1回同じようなことがあっても、しっかり振っていこうと思います。(連勝できる要因)一人一人が自分の役割を果たしていると思うので、つながりで勝ちに同じ方向に向いているのがいい結果につながっているなと思います。(明日)初回からしっかり先制、中押し、ダメ押しというのをやってきているので、明日も頑張りたいです」

7回にダメ押しの左犠飛を放った菅野
「4番の仕事は今日みたいに犠牲フライでダメ押しだったりつないだりやることあるので、今日は4番の仕事として合格点までいったかなと思います。二塁打記録タイにしたのはクリアしたので、明日一試合しかないので出なかったらもう仕方ないですね。ドラフトは悔しさは非常に大きいんですけど、まだ試合は終わってないので、ここで崩れるわけにはいかないので、優勝することだけ考えてやりたいです。勝って反省が生きたのは全部の試合じゃないですかね。勝ってるので」

今季初の150kmを計測した星
「1点もやらないつもりでマウンドに上がりました。結果的に抑えられたので良かったと思います。今日だけでなく明日のゲームの流れも左右するマウンドだったので気持ちを入れた結果が150につながったと思います。でもその点はあまり気にせず、残りの試合も勝つことだけを考えて投げようと思います。リーグ戦が始まったときより今はいい状態です。この感じでまた投げれるようにしたいです。最後に打ち取った球はツーシームです。投手が抑えて野手が仕事をするという基本がしっかりできていることが、今のチームの強さにつながっていると思います。投手陣全体も安定して結果を出し続けているので、明日もまた抑えられるようにしたいです。明日勝って監督、コーチ、キャプテンを胴上げします」

9回途中まで6安打1失点の投球を見せた柳
「9回はこの前ああいう形で替わったので相当意識して入ったんですけど、後輩に打たれちゃって、その後も粘ろうと思ったんですけど、四球という形でマウンドを降りちゃったので、それは悔しいなと思います。(カーブが多かったが)カーブも慶應戦ぐらいからスピードを出すようにして、抜くカーブというよりもスピンをかけるカーブに変えてきてるので、それがはまってくれてるかなと思います。どうしても緩いカーブを投げると腕も緩むので、今のカーブだとそこまで腕も緩まずに目線も変えられるので、そこがいいかなと思います。投げ分けもできますけど、最近はスピンの方を投げてます。1回上に上がって落ちるカーブが理想なので、今日は落差もあったので良かったと思います。緩い球というよりはそっちの方がはまってきています。(参考にした投手はいるか)いえ、カーブが自分の持ち味だと思ってるので。(柳カーブみたいなものか)オリジナルです(笑)。明日も今日もそうだったんですけど簡単には勝たせてもらえないので明日も一つ一つやっていければいいなと思います。(ドラフトを見て)自分もああいう先輩方のようなところを目指すという気持ちはあるので、1年間しっかり頑張っていきたいと思います。(東大戦以外1戦目を任されたが)上原さんがプロに入ったからとかは感じたことはないので、自分の任された試合をしっかり投げるということを意識しています」