慶大から4季ぶり勝ち点奪取 リーグ制覇へ大きな1勝/東京六大学秋季リーグ戦

2015.10.19
 慶大との首位争いを制し、優勝へ大きく前進した。打線は初回、4番の菅野剛士外野手(法4=東海大相模)の六大学歴代最多タイとなる通算27本目の二塁打で2点を先制。8回には2死満塁から吉田大成内野手(国際3=佼成学園)の中前適時打で2点を追加した。先発の柳裕也投手(政経3=横浜)は9回こそ連打を許し降板するも、8回までを散発2安打無失点。最終回に慶大の追撃を許したが最後は上原健太投手(商4=広陵)が締め、4―3で勝利。慶大から4季ぶりに勝ち点を奪取した。

 大一番の窮地をエースが切り抜けた。9回、ここまで好投を続けてきた先発の柳が慶大打線に捉えられ降板。代わりにマウンドに上がった齊藤大将投手(政経2=桐蔭学園)も1死一、三塁から代打沓掛(慶大)に3点本塁打を浴びた。4点あったリードも一気に1点差にされ、球場の雰囲気も慶大の追い上げムードに。9回1死、勝利へ1点も与えられない状況で上原が登板した。「もしかしたらという感じはあったので準備はできていた」(上原)。小笠原(慶大)を1球で力のない中飛に打ち取ると、続く代打山本瑛(慶大)を「三振を取るつもりで向かっていった」と132㎞のスプリットで空振り三振。勢いに乗った慶大打線を完璧な投球で抑え込んだ。「最後に気持ちの強さを見せてくれた」と善波監督。重要な一戦、終盤の重い雰囲気をものともせず、チームに勝利をもたらした。
 強力慶大打線を封じ込んだ。先発の柳は最終回に降板するも、8回のうち6回を三者凡退でまとめる好内容。調子の良かったカットボールと「速さも質も良かった」という直球とをうまく織り交ぜ、打線を翻弄(ほんろう)した。4回には満塁のピンチを背負うも直球勝負で無失点で切り抜けた。慶大1回戦では3回3失点と試合をつくれず。しかしその試合後、善波監督に指摘された体が反り返っているという点を修正し、この試合は全力で腕を振り切った。「どこで投げてもチームが勝てるようにやるだけ」。勝利のためにフル回転を誓う。

 「俺が決めてやると試合前からずっと思っていた」(吉田大)。2点リードの8回、加藤拓(慶大)から2死満塁のチャンスをつくると、打席には吉田大。「4年生と長くやりたいという気持ちだけで打った」と内角低めの149㎞に反応すると、力強い打球は中前へ。2人が生還し、初回以来の得点となる2点適時打となった。髙山俊外野手(文4=日大三)が欠場したこの試合。「自分がやるんだ」と臨むと、初回には先制得点、8回には2点適時打と難敵撃破への大きな原動力となった。粘り強く力強い打撃と、堅守でチームを支えてきた吉田大。最終局面を前に頼もしい3年生が調子を上げてきた。

 3季にわたって受け続けた屈辱を晴らした。勝った方が優勝に大きく前進するという今季最大のヤマ場。1回戦は慶大の強力打線に力負け。初戦を落としたが、その後「ベンチの奴らでどんどん盛り上げていこう」(青野悟内野手・商4=広島国泰寺)とチーム全員で雰囲気をつくり出すと、2回戦以降は投打に盛り返し連勝。慶大から4季ぶりの勝ち点を奪った。今週末に控える法大戦は自力優勝、そして勝ち点5の完全優勝が懸かる。現在4位の法大だが、明大は春に連敗を喫しており油断はできない。「チームとして優勝に向けて引き締めていきたい」(坂本誠志郎主将・文4=履正社)。悲願へ向けた最終カード。チーム一丸となって賜杯を取りにいく。

★菅野歴代最多タイ27本目の二塁打放つ★
 偉大な記録に並んだ。初回1死二、三塁の好機に打席に立った菅野。4球目の138㎞直球を振り抜くと、左翼線への二塁打に。先制の適時二塁打となった。これにより高木大成氏(慶大卒・元西武)のリーグ通算27本の二塁打記録に肩を並べた。昨季は6本の二塁打を放ちながらも今季はこれが初の二塁打。「気分が晴れてよかった」と喜びに浸った。

[原大輔]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 吉田大(佼成学園) 3 1 2 .242 四球 四球    三邪飛    三振    中安   
2 (左) 東原(天理) 3 0 0 .250 投失 遊ゴ    右飛               
  打 宮崎(履正社) 1 0 0 000                   中飛      
  左 加勢(札幌一) 0 0 0 000                      投ギ   
3 (二) 竹村(浦和学院) 3 1 0 .286 投ギ    遊飛    二ゴ    右安 四球   
4 (右) 菅野(東海大相模) 5 2 2 .250 左二    中安    三振    左飛 三振   
5 (一) 佐野恵(広陵) 4 0 0 .278 左飛    二ゴ    振逃三振    三振   
6 (三) 青野(広島国泰寺) 3 2 0 .300 中安    右安    二ゴ       四球   
7 (捕) 坂本(履正社) 2 1 0 .241    左安 遊ゴ       四球    投ギ   
8 (投) 柳(横浜) 4 3 0 .286    三ゴ    左安    左安    中安   
投 齊藤(桐蔭学園) 0 0 0 —                           
投 上原(広陵) 0 0 0 .100                           
9 (中) 小倉(関西) 1 0 0 .273    投ギ    三ゴ    三振    四球   
    計 29 10 4 .254                        
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
○柳(横浜) 6 4 1 80/3 122 4 9 2 2 2.36
齊藤(桐蔭学園) 5 1 0 01/3 8 1 0 0 1 4.26
上原(広陵) 6 2 0 02/3 5 0 1 0 0 1.42

◆ベンチ入りメンバー◆
10 坂本(文4=履正社) 1 髙山(文4=日大三) 20 西村(農4=智辯学園)
11 上原(商4=広陵) 2 高橋亮(政経4=前橋育英) 15 渡辺(政経1=横浜)
17 柳(政経3=横浜) 3 山下(政経4=佼成学園) 16 竹村(政経2=浦和学院)
18 星(政経3=宇都宮工) 5 青野(商4=広島国泰寺) 26 吉田有(商1=履正社)
19 齊藤(政経2=桐蔭学園) 12 牛島(営3=門司学園) 28 佐藤(文3=白樺学園)
23 髙橋裕(総合1=向上) 14 吉田大(国際3=佼成学園) 37 東原(商2=天理)
29 水野(農2=静岡) 27 佐野恵(商3=広陵) 38 加勢(理工3=札幌一)
7 菅野(法4=東海大相模) 35 石井(営4=履正社)
8 小倉(文4=関西) 34 宮崎(文2=履正社)

明 早 慶 法 立 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第6週 10/19現在
明大 — ○○ ●○○    ●○○ ○○ 10 8 2 0 4 .800
早大 ●● —    ○○ ○○ ○○ 8 6 2 0 3 .750
慶大 ○●●    — ○●○ ○●○ ○○ 11 7 4 0 3 .636
法大    ●● ●○● — ○●● ●○○ 11 4 7 0 1 .364
立大 ○●● ●● ●○● ●○○ —    11 4 7 0 1 .364
東大 ●● ●● ●● ○●●    — 9 1 8 0 0 .111

試合後のコメント
善波監督

「上原は最後気持ちの強さを見せてくれました。法政戦が次にあるのでさっと切り替えて、明日は全体練習は休みになりますが、頭の中では気持ちを切らさずにやってほしいです」

好調のチームをまとめる坂本
「勝ててほっとしてます。自分があたふたしてしまって、それがチームに伝わってしまったので申し訳ないです。(柳について)カットボールが良かったですし、バッターが合っていなかったです。後半の球が危ない球になっていたので、9回は打たれてしまいました。ストレートは速さもありましたが、質も良かったです。(サインを出した後のジェスチャー)柳の悪い癖があるので、気づいて合図してあげればすぐ直せるので出していました。(攻撃について)相手のミスや四球から点を取るというやり方をしていくことは大事ですし、相手も嫌だと思うので、そういうところをちゃんとできたので良かったです。(昨日の反省をどう今日に生かしたか)相手のミスにつけこむことをチームとしてやっていこうと言っていて、あとは左投手の打ち方、右の速い投手の打ち方を確認したりしました。左投手は遅いボールにいかにつられないか、ゾーンを上げてセンター中心に打つということです。(秋に強い要因)4年生が最後頑張る姿を感じますし、それに応えてくれる下級生の力も感じているので、やりやすい雰囲気でやらせてもらえていると感じます。勝ち点4を取って何かなるわけでもないので、もう一回しっかりして、チームとして優勝に向けて引き締めていきたいです」

2安打に堅守も光った青野
「すごく大事な試合に自分を使っていただいてうれしかったというのもありますし、緊張もしました。(初戦を落とした後の雰囲気づくりは)慶應はけっこういけいけで盛り上がっているというのもあったんで、こっちも一回負けてしゅんとならずに、ベンチの奴らでどんどん盛り上げていこうという話をみんなにして、それでみんなも雰囲気をつくってくれたのでいい感じで戦えたと思います。チームはすごくいい雰囲気でした。(打撃は)リーグ戦始まったときからだんだん良くなってきているので、これからも頑張ります。(守備は)全てのバッターに対して自分のところにボールが来ると思って守っていたので、準備ができていました。大きい声を出すと緊張がほぐれるタイプなので、とにかく声を出しています。投手に対しては、ボールが続いたら『楽に打たせていっていいよ』と声をかけました。(慶大に4季ぶりの勝ち星)今年でそのジンクスをうち破ったので、慶應への苦手意識はなくなっていくんじゃないかなと思います。法政戦も粘り強く戦って、絶対勝ちます」

緊迫した場面を締めた上原
「最後は三振を取るつもりで向かって行きました。スプリットです。狙い通りの球でした。もしかしたらという感じはあったので準備もできていました。(1敗目からの4季ぶりの勝ち点)やはり慶大は強かったんですけど、(チームとして)自分たちの野球をやろうと。勝ちにつながげることができて良かったです。(ドラフト)自分がアピールできる分は、できたと思います。あとはどう評価してもらうかというだけです。楽しみに待っていたいという気持ちです。自分らしさが出すことができたので、十分かなと。(優勝がかかってくるが)この慶大戦で自分たちの野球ができれば勝てるということがわかったので、このまま向かっていきたいです」

通算27二塁打の偉業を達成した菅野
「点を取ることだけ考えていました。その結果がレフト線への二塁打になって素直にうれしいです。記録はシーズン始まる前に気づいていて、気にしないようにはしていたけれど何か気になっていました。気分が晴れて良かったです。二塁打は狙って打てるものではないです。ヒットを打つことだけ考えていました。3年生の頃外角を攻められて苦労することがありましたが、相手の配球が変わったりする中でその日その日に監督がアドバイスしてくれたことが生きました。逆方向に強い打球を打つことはその頃から思いました。左手でしっかり押し込むことが大事です。高山が出られない中で勝てたのは大きいです。チームを引っ張ってきた存在ですし、あいつが抜けて勝てなかったと言われたくなかったので。高山からは頼むぞと言われました。(ドラフトについて)自分の持ち味である二塁打が最後に出たので、あとは緊張して待つだけです。(次週について)慶應が一つの山でしたが越えられました。法政には春に2タテをくらっているので、絶対勝ちたいです」

試合をつくった柳
「(9回途中降板)完封したかったですけど、チームが勝てたので良かったかなと思います。今日は初回から一球一球全力で腕を振るって決めてたんで、それがいい結果になったと思います。(1戦目の後)善波監督から体が反り返ってると言われたのでそこを修正しました。変化球も腕を振って投げられました。今日は腕を振ったのが良かったかなと思います。(髙山が欠場)髙山さんが出られないということだったので、髙山さんがいないときでも勝てるってことをチームで見せようというのもありましたし、髙山さんが戻ってくるまでに優勝だったり、神宮大会に行けるよう、今日は勝とうと。チーム全員の思いで勝てたので良かったです。(法大戦に向けて)一つ一つ、一球一球目の前のことをやっていければいいなと思います。どこで投げてもチームが勝てるようにやるだけなのでしっかり調整して、いい準備をしていきたいです。(4回満塁のピンチ)ここは絶対出さない、気持ちを強く持とうという意識でいきました。(最後上原とハイタッチ)自分が9回代わってしまって、投手陣をバタバタさせてしまったのですが、しっかり抑えてくれたので嬉しかったです。(3安打は)たまたまです。監督やコーチの方々がバッティングとかも指導してくださるので、そういうのが結果につながったかなと思います。バッティングの方でも貢献できたので良かったです。(4勝目も)まずはチームが勝てるピッチングをできるように、頑張っていきたいです」

この日1番に入り2点適時打を放った吉田大
「髙山さんが出れなかったので、その代わりじゃないですけど、自分がやるんだという気持ちでした。自分にこの試合かかってるなという気持ちで臨みました。(初回に四球で出塁)初回の1打席目に1番気合い入れていったので、ああやって出られてよかったです。本当に4年生と1試合でも多くやりたいという気持ちだったので、みんなで取った1点だったのでよかったです。(8回には適時打を放ったが)加藤選手とは相性がいいというか、タイミングがすごいとりやすかったのでいいイメージを持っていて、あとは本当に4年生と長くやりたいという気持ちだけで打ちました。(満塁のプレッシャーはあったか)俺が決めてやると試合前からずっと思っていたので、特に気にしなかったです。打った球は内の低めで、ボールかもしれないです。勝ちにつながるヒットが打てて本当によかったです。まだ優勝してないですけど、4年生と神宮大会に出て日本一になるのが目標なので、それに近づけたかなと思います。もう日本一しかないので、とにかくそのスタートラインに立てるようにしたいです」