(16)箱根直前特集④ 加藤大誠インタビュー

競走
2020.12.24

 72年ぶりの王座奪還へ。今年度、災禍に苦しみながらも前を向き続けた選手たち。全日本大学駅伝(以下、全日本)では3位に食い込み、箱根駅伝(以下、箱根)を前に4強の一角として優勝候補に躍り出た。〝箱根なし〟を経験した当時の1年生は最終学年。上昇止まらぬ紫紺の襷が、まだ見ぬ頂へ走り出した。

 今特集では、箱根に向けた選手らの声をたっぷりお届けします!

 

 第4回は加藤大誠(営2=鹿児島実)のインタビューです。(この取材は12月5日に電話で行われたものです)

 

――現在の調子はいかがですか。

 「11月の1万メートルではそんなに調子は良くなかったんですが、今はどんどん調子が上がってきていて、練習もうまく積めているので、良い状況ではあるのかなと思います」

 

――箱根まで1カ月を切りましたが、心境はいかがですか。

 「今年度はインフルエンザもかかってないので、いい感覚はあります。気持ちを高めてモチベーションを上げていって、言われた区間をきちんと走っていこうと思います」

 

――1年を振り返って。

 「大会もなく、目標を考えていくのが難しい状況ではありました。前半シーズンは我慢の時期ではあったんですけど、後半シーズンは出雲駅伝の代替大会などいろんな記録会に出させていただいて、その中でレース感というものをつかんできました」

 

――山本佑樹駅伝監督からエースになることへの期待を感じますか。

 「佑樹さんから言われることのレベルがどんどんアップしてきていて。練習もちょっと早めにいこうとかラストあげていこうだとか、そういうこと言われると意識を変えないといけないなと思う部分もあります。ジョグとかでもいい感じに走れているので、どんどん上のレベルで戦っていかないといけないなというのを感じています」

 

――今年度も2区を走りたいですか。

 「そうですね。昨年度に2区で追い越された2人(相澤晃(旭化成)・伊藤達彦(Honda))が1万メートルで日本記録を更新したこともかなり刺激を受けています。その2人が後ろから追い掛けてくるという経験をしているのは僕だけだと思うので。2区を走って、もっとあのレベルに追い付きたいなという思いがあります。もし2区じゃなくても、どんな区間でも走る覚悟はできているので、最高のパフォーマンスをしていきたいです」

 

――勝つ走りをするのが目標ですか。

 「昨年度はつなぎの2区みたいな感じで、華の2区として使い切れてなかったので、今年度は2区で勝負するならそういう意味を変えた走りをしていきたいかなと思います」

 

――勝負にいくという気持ちが高まってきましたか。

 「ありますね。前半シーズンを走れていないので、後半で結果を出そうと思っていて。1万メートルでは全然結果が出なかったんですけど、全日本ではちゃんとついていけたり、5000メートルでも手嶋杏丞さん(情コミ3・宮崎日大)に勝てたというのもあるので、勝負強さというのは少しずつ付いてきたかなと思ってはいます」

 

――箱根への意気込みをお願いします。

 「すごくいいチームになっているので、注目をいい意味で期待を裏切るというか、みんなが思っているよりも良い結果を出すというか。1カ月を切っていますが、もっと最高のパフォーマンスができるところまで調子を上げて戦うという気持ちを持って全力で挑みたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[金内英大]

 

第97回箱根駅伝まで、あと9日

 

【加藤選手を知るならこの記事!】 

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