加藤大誠 ”今”からが本当のスタート
この男はラストで観客を魅了する。6月に行われた全日本大学駅伝予選会。巧妙なペース配分とラストスパートでの疾風迅雷のごときダッシュで目覚ましい成績を収めた加藤大誠(営1=鹿児島実)。「駅伝は今の人生の全て」。明大競走部に新たな希望の光を灯す。
御膳上等な活躍
華々しい初陣を飾った。明治に入学して初の大舞台となった全日本大学駅伝予選会。「一秒でも前に出ればチームのためになると思い走った」。大学で培ってきた安定力と果敢なラストスパートによって組2位でゴール。「レベルの高いところで走れるのはうれしい」。明大は伊勢路への切符を予選2位で獲得。チームへ大きな貢献を見せた。続く7月の明法戦男子5000メートルでは、昨年から活躍を見せている2年のエース鈴木聖人(政経2=水城)とのトップ争いを繰り広げた。惜しくも1着の座を奪われたが、「もっと練習をこなして先輩方と戦えるようになりたい」と前だけを見据え「聖人さんは憧れの存在。1年の時の聖人さんを超えていきたい」虎視眈々とリベンジの機会を狙う。
飛躍への長き道
才能の開花には時間を要した。中3から陸上を始め強豪・鹿児島実業高に進学。主将を務めたものの、その成績は現在とは打って変わるものだった。最後の県高校駅伝では左足に痛みを抱えて走り、2位と大きく差をつけて区間賞を獲得。しかしチームは惜しくも都大路へ行くことは叶わなかった。この敗北によって「自分の中で変化が起きた」。後悔を残したレースが加藤を目覚めさせる。ポイント練習などをゆとりを持ってこなせるようになり「色々取り入れ、練習で余裕が出てきた」。中学から続けてきた努力が卒業間近で芽吹いた。その後、都道府県対抗駅伝では全国屈指の強者を相手に区間7位で襷を託すことに成功。大きな挫折を経て頭角を現し始めた。
”今„はスタートラインに過ぎない。夢は「オリンピックに出て自分の名を世界にとどろかせたい」。その目は真剣そのもの。「明治は肌に合っている。陸上をやってきた中で今が一番成長できている」。自他共に認めるエースを目指して。この4年間で夢に向かって走り続けるための”駆„け橋を作ってみせる。
[金内英大]
◆加藤 大誠(かとう・たいせい)営1、鹿児島実業高、166センチ・54キロ。趣味はサイクリングやゲーム。根っからのTWICE好き。
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