7年ぶり4強逃すも、来季へ光/全日本学生選手権
今試合で勝利を挙げたのは神田(理工3)・岡部・平松(法2)・大石(文1)の4人。試合後、一ノ宮監督は「この4人のうち誰かが負けてしまうようなことあれば明大の勝利は難しくなる」と話した。5人制の団体戦とは違い、府立は7人で競技が行われる。5人制であれば柱となる4人のうち誰か1人敗れたとしても残る3人が勝てば勝利が確定するが7人制の場合1人落とせば、4人以外の誰かが勝つ、もしくは引き分けて代表戦に持ち込む必要がある。“4人のうち誰かが負けてしまうと――”この言葉の重みはこのあとすぐに実感することになる。
迎えた4回戦。相手は6月の全日本学生選抜選手権で2回戦敗退(同大会で本学は3位)の立命大。先峰の富安(政経4)が初戦を落とすと、続く次峰・平松も拳にキレがなく得意とする組みでも相手を崩しきれない。もたつく平松のスキをつき相手が1本決めるとそのまま1本を守り切られ敗退。病欠による練習不足がここで出たか“負けられない”4本柱の1本を失い明大サイドには暗雲がたち込める。その後大石が順当に相手を下し、中堅・久保島(情コミ2)でアクシデントが起こった。試合開始間もなく、相手と組み合い倒れ込んだ久保島。その際、腕を捻挫し棄権を余儀なくされる。「危険を回避できなかったのも自分の実力。悔しいし申し訳ない」(久保島)。今季に入り2段に昇格、「急成長を遂げている」(加茂主将)選手なだけに本学にとっては痛い誤算となった。3-1と後がなくなった本学はその後岡部、神田が立て続けに勝ち星を奪い、試合は大将戦にもつれ込むも大将・肥下が最後は力尽き敗退。天を仰ぐ肥下と「まったくもって予想外」(立命大・井上監督)の金星に沸き立つ相手サイド。対照的な両者の姿が目に残る。「昨年(準優勝)以上」(加茂主将)を目標に掲げ挑んだ府立だったが高校球児ならぬ、明大拳士たちの長い1年は早くも4回戦で幕が下りることとなった。
一つに最終戦岡部が見せた勝利に対する執念を挙げる。今大会こそ全勝で大会を終えた岡部だが直近の大会では決勝、相手に追い込まれた場面で登場し、逆転負け。決負点を自らがつけてしまったという苦い思い出がある。今大会立命大戦も同じく追い込まれた状況で出番は回ってきた。相手に先に1本とられ後がなくなる岡部。しかし、そこから怒涛の反撃を見せ2本取り返し逆転勝利。今季優勝がない明大に対して事あるごとに「勝ちに対する執念が足りない」と言い続けてきた彼だが、その姿にこの言葉の真髄を見た。ここで勝ちに貪欲な姿勢を見せることができた彼だ、来季も“負けられない4本柱”の一人に似合う活躍が十分に期待できる。
来季への光明として、もう一つに新主将・神田のエースとしての自覚を挙げたい。先季までは尾川前主将(平21政経卒・現帝拳ジム)、後山(平21営卒)ら実力のある先輩に“ついていく”というイメージの強かった彼。しかし、今季に入ってからは「自分が引っ張っていくつもりで練習している」と除々にエースの自覚が芽生えてくる様が垣間見られた。今大会でもそんな様子が伺い知れるこんなエピソードがある。
最終戦、岡部の後に登場した神田。岡部よろしく負ければそこで明大の敗退は決まる厳しい状況だ。そんな折彼は脇から激を飛ばす後輩に向け“まかせとけ”といわんばかりのグーサイン。そこにはこの1年でいよいよ頼れるエースとしての風格と実力を身に付けた新主将・神田の姿があった。「“強豪明治”の伝統を築き上げてきた先輩方に申し訳ない」。と語ると同時に「復活の希望を後輩に託したい」と加茂主将。心配いらない。主将としての覚悟とエースとしての自覚が芽生えた神田新主将が今度は後輩を引っ張っていく立場で来季の拳法部をけん引していく。
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