福岡に再度敗れ、悔しい3位/グランドスラム東京
講道館杯で負ったケガを抱えながら出場した今大会。だが海老沼は序盤、そのケガなど感じさせない戦いぶりを見せた。初戦の崔輝良(香港)戦では相手をわずか10秒で畳に沈める。一本の瞬間には観客も思わず声を上げ、最高の滑り出しとなった。
2回戦の相手は2カ月前の世界選手権で、得意技の肩車を決められたクーニャ(ブラジル)。篠原男子代表監督がコーチに付き、薗田助監督が見守る中、試合が始まる。前回は一瞬のスキを突かれたので一瞬も気が抜けない。試合が動くのは残り時間が約1分になった時だ。海老沼の腰車がさく裂し技ありが決まる。このまま試合終了に持ち込みたいが、相手も簡単に譲らない。残り20秒の浮技で技あり。勝負はゴールデンスコアに持ち込まれる。延長になっても動揺することなく勝負を進め、残り1分40秒に海老沼は横四方に持ち込む。押さえ込みの最中に会場は歓声が響き、会場全体が海老沼を応援した。海老沼は相手の抵抗に耐え抜き一本。さらに駒を進めた。
今回は世界選手権王者の森下(筑波大)も敗退し、福岡の存在が顕在化した形だ。篠原男子代表監督の「福岡、森下、海老沼を中心に強化していく」という発言からも読み取れる。園田助監督は「まだ甘い。簡単に技を受けてしまう。海老沼の行動も福岡に読まれている。がむしゃらな高校生の柔道」と課題を挙げ、「また鍛え直さなくてはいかん」と続けた。
海老沼は1年を振り返り、「今年は勝ち続けることができなかった」と不安定さを課題に挙げる。ここに来て、森下以外のライバル出現、やはり柔道の本家・日本の層は厚い。
己への課題と、ライバルの出現、海老沼に立ちはだかる壁は高く、険しい――。
~園田助監督のコメント~
「まだ甘さが目立つ。簡単に技を受けている。福岡に2度負けたということは相手の実力が上だということ。単調な攻撃しかしないから、相手に読まれて返されている。声を出して指摘すれば、攻撃のパターンを変えるなど工夫するが、まだできていない。テクを持っているのに生かす術を持っていない。これは若い選手によくあること。攻め続けるのも華があるが、時には引くことも覚えないと。これではがむしゃらなだけの高校生の柔道だ。
海老沼は今、色んな経験をして成長しなくてはならない。私も女子代表の監督をしているので分かるが、不安定な選手は起用できない。ましてやメダルが期待され、多大なプレッシャーが掛かる五輪ならなおさらだ。海老沼を鍛え直さないといけない」。
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