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ダンスは学生スポーツになるのか? ③ダンスのスポーツ競技化への課題 /NEW WAVE ~学生スポーツへの可能性~(1)

明大スポーツ新聞 2022.10.14

 ダンスは果たして学生スポーツになる可能性があるのか?今回は『世界中すべての人に、ダンスがある人生をもたらす』をミッションに掲げ、10月2日より第3シーズンが開幕したD.LEAGUE(以下、Dリーグ)を開催する株式会社Dリーグ・代表取締役COOの神田勘太朗氏(法卒)に取材を行った。

 第3弾はダンスが学生スポーツとして普及するにあたっての課題を突き詰め、そして今後可能性はあるのかなどの展望も同時に伝えていく。

※写真はすべて株式会社Dリーグ提供。なお、この取材は9月13日に行われたものです。

 

 で紹介したようにスポーツ性が高いダンスジャンルであるブレイキン。しかし、五輪競技化したことでダンスはスポーツ競技との違いにぶつかる。それは、男子と女子という性別によりカテゴリーが分けられる点だ。ダンスにはそもそも男女の垣根などない。そのため「完全なるスポーツ競技に定められた場合こうなるんだな」と、これまでのダンスカルチャーとスポーツカルチャーとの違いを感じているという。ダンスをスポーツとして捉えた場合どのように理解するべきかはまだ定められていないが、そこをDリーグではエンターテインメントとスポーツの掛け合わせというように捉えている。「これからの20年後30年後にはこの考え方が当たり前に浸透しているようなスポーツ競技になってくる」。

 

 他には、審査基準の点でも課題がある。かっこいいやかわいいなど、個人の心の感性による部分をどこまでルールや審査基準として言語化できるか。そして、きちんと選手や観客にその判定に納得感を持ってもらえるか。「みんなで作り上げているので、聞く人がいない」。スポーツ競技化して間もなく、見本にできる先行スポーツもない。そのため、ゼロからルールも審査基準も作り上げている途中なのだ。「新しい時代を切り拓いているスポーツ」。それゆえに、ぶつかる課題だ。

 

 さて、ここまでダンスやDリーグの魅力、ダンスのスポーツ競技化への課題を紹介してきたが、ダンスは果たして大学スポーツとして発展していくのだろうか。「高校のダンス大会で推薦を取ったダンサーが明大のダンス部に所属をして、プロリーグなどにいくということになる時代は自然と起きてくるかもしれない」。今はサークル単位で、ある程度趣味の延長上である大学でのダンス活動。大学スポーツとして発展していくには、体育会の部活としての発展も大事になってくる。そのためには「六大学野球大会のような大会を作っていく必要があるのかもしれない」。他の大学のダンスサークルには、数百人規模の所もあり、ストリートダンスに限って言えば大学生に限らず全体で推定約600万人いると言われている。もし六大学野球大会のような大学ダンス大会ができれば、大学スポーツ自体がもっと盛り上がる契機になるかもしれない。

 

[堀之内萌乃]


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