(26)箱根直前特集⑫ 樋口大介インタビュー
72年ぶりの王座奪還へ。今年度、災禍に苦しみながらも前を向き続けた選手たち。全日本大学駅伝(以下、全日本)では3位に食い込み、箱根駅伝(以下、箱根)を前に4強の一角として優勝候補に躍り出た。〝箱根なし〟を経験した当時の1年生は最終学年。上昇止まらぬ紫紺の襷が、まだ見ぬ頂へ走り出した。
今特集では、箱根に向けた選手らの声をたっぷりお届けします!
第12回は樋口大介(法4=伊賀白鳳)のインタビューです。(この取材は12月5日に電話で行われたものです)
――4年生として最後の1年でした。
「うまく自分の体と向き合いながら競技を続けることができていて、練習を1年通じて積めているというのはすごく成長できたところかなと思っています」
――レースがない間、どのように気持ちをつくっていましたか。
「箱根が開催される望みがあるということが自分の中ですごく大きくて。モチベーションを保てていたのは箱根の開催に希望があったからだと思います」
――自粛期間の取材では上半身の強化を挙げていましたが、手応えはありますか。
「今年度は特に上半身の柔軟性に注力していて、これまで動かし方が悪くて故障をしているんじゃないかと治療院の先生からも言われて。毎日ストレッチをしたり、上半身の可動域を広げることはしていました。上半身と下半身の連動性が高まったなという実感があります」
――秋以降のレースを振り返っていかがですか。
「5回(レースに)出て、全部自己記録を更新することができたので、すごく充実した年にはなっています」
――現在調子が良い選手は。
「本当にみんな調子が良くて、特に櫛田佳希(政経2=学校法人石川)とかはノリに乗っているなと思います。あとは大保海士(法4=東海大福岡)もすごくきているなと思います」
――代として気持ちも走力も上がってきている感覚はありますか。
「そうですね。今本当に4年生みんな調子が良くて、練習も引っ張れているので、いい雰囲気で練習できていると思います」
――全日本の大保選手の走りは刺激になりましたか。
「大保は同じ法学部で一緒に過ごすことも多かった存在なので、全日本ですごくいい走りをしたことは正直悔しかった部分もあります。でも、箱根では今度は自分がいい走りをしてチームに貢献するという思いになれたので、ライバルとしていい刺激がもらえたなと思います」
――箱根に向けて、4年生で話すことは多いですか。
「そうですね。ミーティングでは、当落線上の選手はすごく気合が入っているんですけど中間層や今故障している選手のモチベーションをいかに高く保つか、などという話し合いをよく行っています」
――同期はどんな存在ですか。
「仲間でありライバル、なので絶対に負けたくないなという気持ちを持ちつつ日頃練習ができているのは、高め合ってこれた要因だと思います」
――期待を寄せる後輩は誰ですか。
「児玉真輝(文1=鎌倉学園)です。普段の練習を見ていても、競技に向き合う姿勢というか、一番最後まで練習に残っていることも多く見ます。努力家であり、ルーキーとしても注目されてプレッシャーも大きいとは思うんですけど、とても期待しています」
――走りたい区間はどこですか。
「ずっと5区を走りたいと思っていて憧れでもあるので、5区を走りたいです」
――上りが得意な要因はどんなものがありますか。
「上りは気持ちの部分が大きいと思います。前を追う姿勢であったり絶対抜かれないぞという気持ちは自分の中で強くあるので、メンタル面が上りに生かされているのかなと思います」
――チームの箱根の目標は。
「チーム目標は5位以内と決めていたんですけど、全日本で良い成績が残せて、あわよくばもっと上を狙おうというのが正直なところです」
――4強と言われることにプレッシャーはありますか。
「特にプレッシャーはなくて、注目されることはありがたいことですごくうれしいです」
――箱根への意気込みをお願いします。
「中学生からの夢の舞台でもあるので、最後の年絶対にチャンスを逃さず走って、これまで応援してくれた家族や小中高の恩師に恩返しができるような、いい走りがしたいなと思います」
――ありがとうございます。
[仁科せい]
第97回箱根駅伝まであと4日。
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