(16)公立進学校出身者対談 高瀬雄大×村上貴哉【後編】

2018.08.12

 

夏の甲子園100回記念特別企画。最後は公立進学校から甲子園を目指した高瀬雄大内野手(営4=長崎西)と村上貴哉外野手(法4=松山東)の対談をお送りします。高瀬選手は高校3年次夏に長崎県大会でベスト8、村上選手は高校3年次夏に愛媛県大会で準優勝と、いずれも学業と両立しながら強豪私学にも劣らず素晴らしい成績を残されました。そして現在も一軍で活躍する2人に、文武両道を志した当時の生活や両立の秘訣(ひけつ)などを語っていただきました。

 

 

 

前編はこちら

 

 

 

――時間がない中でやっていた効率の良い勉強法、練習法を教えてください。

 

村:勉強は分からないところは、周りはみんな頭がいいので教えてもらっていました。野球に関しては場所も時間も限られているので、打撃とかは他の部活がいない方に向けて打ったり、鳥かごのようなスペースでやっていました。考えられた練習方法を代々受け継いでいました。

 

高:勉強は電車の中や10分休みなど、ちょっとした時間にしていました。まとまった時間は取れなかったので。野球の方も一緒で時間が取れないので「今日は守備の日」とか「今日は打撃の日」とか、一つのことに集中していました。また、勉強のせいで野球に支障が出ないようにと考えていました。課題の提出が遅れると練習に参加させてもらえなかったので、それだけはないようにと思っていました。

 

 

 

――公立、あるいは進学校としてメリットは感じましたか。

 

村:練習時間が短いからこそ、だらだらせずに自分からやる練習が多く、サボってやろうという考えはなかったです。あとは、野球だけやってる学校にどうやったら勝てるかいつも考えていました。周りから見たら時間がないし環境が悪い分損をしているかと思われるかもしれないですけど、その分意識の部分でプラスに考えていました。損をしている分どこかで取り返そうという意識でやっていたと思いました。

 

高:全く一緒ですね(笑)。練習時間は短かったですけど、それがハンデだとは考えなかったです。

 

 

 

――高校生活でのベストゲームや印象に残る強豪との対戦は。

 

高:3年生の時の県大会で佐世保実業にコールドで勝てました。打撃に力を入れていたので、打撃で圧倒して勝てたあの試合がベストゲームだと思います。また、2年夏に九州国際大付や九州学院と、負けはしましたけど競った試合ができたので印象に残っています。

 

村:3年の夏の3回戦の、第1シードの今治西との試合に10で勝ったんですけど、自分が1番でセンター前ヒットで出塁して、2番が送って、3番がフォアボールで4番がライト前で自分がホームインしてその1点を守り切った試合です。第一シードを倒して目標だったベスト8に行けたのが大きかったです。

 

 

 

――高瀬さんは指定校推薦、村上さんはスポーツ推薦で明大入学を決めました。

 

高:高校に入った頃には指定校を意識していました。一般受験では行けないだろうと思ったので。元々自分の高校が指定校の枠を多く持っているのを知っていたので、入学当時から狙っていました。(引退後は)高校の野球部の練習に参加したりして体を動かしていました。

 

村:3年になった頃に指定校で行くならもっとちゃんとやらないとという話になって、夏終わったあとに六大学で野球やりたいということを言うと、明治のセレクションを受けないかと言われて受けたら通ったという感じです。

 

 

 

――高瀬さんは、高校時代の実績では他と比べて劣る中、1軍のレギュラー争いに絡んでいます。

 

高:夜練習とかは周りよりやろうと決めているので、持ち味のバッティングでアピールしていこうと意識しています。

 

 

 

――最後に、文武両道を志す全国の球児たちにメッセージをお願いします。

 

高:勉強も間違いなく野球につながると思うので、どちらも手を抜かず、頑張ってください。

 

村:甲子園だけが全てではないし、高校時代にやっていることが人生の財産になると思うので、頑張ってください。

 

 

 

――お忙しい中、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

[曽布川昌也]

 

 

 

前編はこちら

 

 

 

高瀬 雄大(たかせ・ゆうだい)〈写真左〉 営4、長崎西、180センチ・75キロ、右投左打、内野手

 

 長崎西高は進学校にして甲子園出場の実績を持つ文武両道の名門。自身は高3次夏に3回戦で強豪・波佐見高と善戦するも敗北。

 

 

 

村上 貴哉(むらかみ・たかや)〈写真右〉 法4、松山東、173センチ・78キロ、右投右打、外野手

 

 母校・松山東高が卒業後のセンバツに出場。21世紀枠での出場ながら勝利を挙げた。野球に関する名句も多く残した正岡子規が高校の先輩に当たる。

 

 

 

夏の甲子園100回特別企画はこれにて終了となります。12名の選手の皆さま、快く取材に応じていただきありがとうございました。選手の皆さま、及び皆さまの母校のますますの活躍にご注目ください!