(4)1大会最多8盗塁 丸山和郁インタビュー【後編】

2018.08.06

 夏の甲子園100回記念特別企画。第2弾は、丸山和郁外野手(商1=前橋育英)のインタビューをお送りします。丸山選手は昨年度、3試合で8個の盗塁を決め、1大会最多盗塁のタイ記録を達成されました。後編では、母校の思い出や後輩への思いについて語っていただきました。(この取材は7月29日に行ったものです)。

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――丸山選手にとっての甲子園はどのような場所でしたか。

 「3回行けたので、特別な場所という感じはないです。初めて行った時はここか、と思ったんですけど2回目からはみんなと一緒に『ただいま』とか言ってたので(笑)。むしろ甲子園が懸かってる県予選戦う方が特別でした。県内で勝ち上がってうれしい、という感じでした」

――甲子園を楽しむことはできましたか。

 「楽しめました。大観衆の『わーっ』ていう声も聞けて、熱盛も貰えたので。ベンチとかで打ったら明日1面だ、みたいな話はしてました」

――前橋育英高独自の風習、練習などはありましたか。

 「特色なのかは分からないですけど、毎日練習の締めで6秒スイングというのをやっていて。6秒に1回、10回ずつピッチャーはシャドーピッチングをやって、タイミングに合わせて自分がボールの軌道と球種をイメージして9分割に加えて自分の好きなコースを振るというものです。それは全部自分のイメージでやるので、バッティングが良くなった時はそのスイングをしっかりするように意識してました」

――荒井監督は厳しかったですか。

 「私生活とか誰もができることをちゃんとやらなかったりすると怒りますけど、それ以外は結果を残せないから怒ることはなくて、結果を残すために何もやらないから怒る、そんな感じでした。(監督さんの指示)監督さんはあまりサインを出さなくて盗塁とかは自分で考えながらやってたので、圧力がかからないから伸び伸びやれていました」

――今年も前橋育英高は甲子園出場を決めましたが、後輩に向けてエールは送られましたか。

 「甲子園が決まった時にキャッチャーの小池(悠平)に『お前らが一番輝けよ』というのは伝えました。1個下は谷間の世代とOBとかからも言われてて。自分たちがいて、2個下も選手集まったと言われてて押しつぶされてる感じで、苦しかったらしくて。プレッシャーもあって、その中であの強力な健大高崎高打線を抑えて勝ったので本当に尊敬します。一番いい成績残してほしいし、楽しんでほしいし輝いてほしいと思います」


――大学ではケガで出遅れてしまいましたが、後輩の活躍や高校時代の思い出が活力になるのではないでしょうか。

 「本当にそうです。後輩の試合の次の日とかは自分も頑張らないといけないでしょ、と言い聞かせたりとか。昨日もそういう気持ちになりたかったので、去年の夏の初戦見たりして思い出に浸りながら頑張ろうと思ってました。もしかしたら大学4年間のカギになるのは高校時代の映像かもしれないです」


――ありがとうございました。


[三ツ橋和希]


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 ◆丸山 和郁(まるやま・かずや) 商1、前橋育英、172センチ・72キロ 、左投左打、外野手

 春夏通算3度甲子園に出場し、最高成績は高校3年次夏の3回戦進出。色紙を書く際は「前橋育英」という字に手こずり、何度も練習してから本番に移った。〝凡事徹底〟は荒井監督の座右の銘。


 丸山選手の母校・前橋育英高は8月7日(火)に近大付高との初戦を迎えます。熱戦にご注目ください。

 次回の夏の甲子園100回記念特別企画は、離島の高校ながら21世紀枠でセンバツ出場を果たした前山優樹投手(商3=大島)です。お楽しみに。