(2)作新学院高OB対談 添田真海✕入江大生【後編】

2018.08.05

  夏の甲子園100回記念特別企画。第1弾は、添田真海内野手(法3=作新学院)と入江大生投手(政経2=作新学院)の〝作新対談〟をお送りします。見事、8年連続の甲子園出場を決めた母校への思いと、当時の思い出を語っていただきました(この取材は7月29日に行ったものです)。


前編はこちら


――野球以外でのお二人の思い出は。

:冬は練習が終わるとすぐに寮に帰って、シャワーを浴びた後に一緒にベッドに潜って「どこまで進んだ?」とか言いながら2人で『ポケモン』をやったり(笑)。でも自分はすぐに寝てしまって、その間に添田さんはバッチを3個くらいゲットしていました(笑)。あとは、添田さんは目覚ましのアラーム音に曲を設定していて、当時はすごく耳に残っていましたね。

:こいつはアラームをかけないんです。

:添田さんのアラームで起きていました(笑)。それで起きなくても、起こしてくれましたね(笑)。起きないといけないのが嫌で、目覚ましの曲は知らないやつでも覚えてしまいました。


――添田選手は、入江選手との印象的な思い出はありますか。                

:特にないかな。何かある?

:自分が高校に入寮した時、添田さんが寮を案内してくれたんですよ。その時の背中が広いなと。偉大な先輩だなと(笑)。

:ははは(笑)。僕からは何もないです。入江はいて当たり前なので。


――お二人が見るお互いの性格は。

:添田さんは一見クールですけど、心を許した人には結構おしゃべりです(笑)。

:人前では「添田さん」とか言いますけど、裏では違いますよ(笑)。全部が適当です。だって、自分が朝起こすんですよ。

:寝坊したら五厘なんですけど、添田さんがいなくなってからずっと五厘でした(笑)。

:小針監督のところに戻してやらないと駄目ですね(笑)。


――〝作新ならでは〟の練習の思い出を教えてください。

:練習している途中で監督が来るんですけど、雨の中で練習していても監督が入ると雨がやみましたね。それを『(小針監督とバリアをかけて)コバリア』と呼んでいました(笑)。

:本当に監督がドアを開けると雨がやむんですよね。多分普通の高校だと雨が降ると「中だから楽だ!」って喜ぶと思うんですけど、作新の場合は雨の日の方が厳しくて。体育館の4階は3階が見える造りで、周りに走るスペースがあるんですけど、そこでタイムトライアルが始まって。それを『走4(そうよん)』と呼んでいました。

:自分は1回もやったことがないですね。でも、雨が降って「走4やるらしいよ」という話が出るとおびえていました。

:昔はやっていました。自分はちょうど梅雨の時期の6月生まれなんですけど、誕生日は2年連続で『走4』をしていて。思い出したくないです(笑)。


――高校時代には戻りたいですか。

:2兆円もらえるなら(笑)。学校生活は楽しかったですけどね。

:自分も戻りたいとは思わないです(笑)。でも、甲子園に出るのが当たり前という感じで見られている分、ものすごく頑張っていたなと思います。周りからのプレッシャーもありましたけど、良いプレッシャーでしたね。


――改めて高校3年間はどのような日々でしたか。

:とにかく濃かったです。練習や学校生活、いろいろな意味で凝縮されて濃密でした。人生の最高期が固まった3年間だったなと思います。

:自分も入江も高校生という時期に小針監督に出会えて、そのおかげで一番成長できたと思います。


――お二人にとっての甲子園とは。

:応援されているということが一番実感できる場所ですね。一挙手一投足に歓声が上がるので、フワフワしました。

:甲子園に出場するまでにやってきたことが、全て出る場所です。入江たちの学年が優勝できたのも、一番練習をやってきたのが作新だったからだと思います。


――最後に甲子園での戦いを控える後輩の方々へエールをお願いします。

:後輩たちには後悔なく楽しんでもらいたいです。

:甲子園で一球投げる、一打席立つということは、すごく大切なことだと思います。せっかく甲子園に出られるので、その実感をかみし「めてやってほしいです。


――お二人とも、ありがとうございました。


[浜崎結衣]


前編はこちら

 ◆添田 真海(そえだ・まなみ)〈写真左〉法3、作新学院、170センチ・72キロ、右投左打、内野手

 高校1年次からレギュラー。春夏通算3度甲子園に出場し、最高成績は高校1年次夏、高校3年次夏の3回戦進出。色紙に書かれた〝女神〟は「よく甲子園には魔物がいると言われるが、女神しかいなかった」ため、添田にとって甲子園は女神のような存在だそうだ。好きな食べ物は焼き肉だが、ホルモンは苦手。

 ◆入江 大生(いりえ・たいせい)〈写真右〉 政経2、作新学院、187センチ・78キロ 右投右打 投手
 高校時代は春夏通算3度甲子園に出場し、高校3年
次には甲子園優勝。また同年は打者に転向し、史上7人目となる3試合連続本塁打を放った。同期は今井達也選手(埼玉西武ライオンズ)。取材当日は寿司を食べる予定があり、知り合いの方にもらった〝NO SUSHI NO LIFE〟のTシャツを着て、夕飯を心待ちにしていた。

 お二人の母校・作新学院高は8月6日(月)に大阪桐蔭高との初戦を迎えます。熱戦にご注目ください。


 次回の夏の甲子園100回記念特別企画は、1大会最多盗塁の個人記録を持つ丸山和郁投手(商1=前橋育英)です。お楽しみに。