
(29)箱根直前特集⑮ 小袖英人インタビュー
72年ぶりの王座奪還へ。今年度、災禍に苦しみながらも前を向き続けた選手たち。全日本大学駅伝(以下、全日本)では3位に食い込み、箱根駅伝(以下、箱根)を前に4強の一角として優勝候補に躍り出た。〝箱根なし〟を経験した当時の1年生は最終学年。上昇止まらぬ紫紺の襷が、まだ見ぬ頂へ走り出した。
今特集では、箱根に向けた選手らの声をたっぷりお届けします!
第15回は小袖英人(政経4=八戸学院光星)のインタビューです。(この取材は12月5日に電話で行われたものです)
――今現在のコンディションはいかがですか。
「順調に練習もこなせていてコンディション的には良い感じです」
――1年を振り返っていかがですか。
「秋シーズン以降記録会などが増えてきて、トラックでは自分が思っていた結果を出せませんでした。その中で全日本では最低限の仕事ができたというのは箱根に向けて自信になりました。そこをプラスに捉えてあとは箱根に向けてイメージをつくっていきたいなと思います」
――今年度はなかなか前半戦試合ができませんでしたが、その時はいかがでしたか。
「前半シーズン試合がなくてモチベーションを保つのが難しかったんですけど、箱根が開催されることを信じて夏合宿以降はしっかり取り組むことができました。その結果として5000メートル、1万メートルの自己ベスト更新につながったと思うので、自粛期間は無駄にならなかったなと思います」
――自粛期間はどのような練習をしていましたか。
「1日に1回ぐらいしか走る練習はしてなかったんですけど、その他の部分で体幹の強化であったり、補強トレーニングとか普段あまりやらないことを取り組みました」
――大会がなくなったことでモチベーショの維持はどうでしたか。
「何のために走っているだろうという、ポジティブな考えがありませんでした。なかなかやる気が出ずになんとなく過ごしていたと思います」
――その中でどのタイミングでスイッチが入りましたか。
「スイッチが入ったのは、夏合宿入る前ぐらいに結構ポイント練習で外していて、そこで監督の方から『お前がしっかりしないと駄目だ』というふうに言われました。そこでスイッチが入ったのと、夏合宿で実業団に参加したことによってもっと上を見てやろうという気持ちになりました。その二つがターニングポイントと言うか、自分のやる気を上げてくれたかなと思っています」
――今年度は4年生のけがが例年に比べると減ったと思いますが、何か4年生で話し合ったことなどはありますか。
「毎月1回学年のミーティングあるんですけど、そこで毎年4年生がけがで走れていない人が多いから、今年はやっぱり今までと違う学年を目指そうという話にはなっていました」
――同級生の活躍はうれしいですか。
「はい、やっぱりうれしいですし刺激を受ける部分があるので最後、残り1カ月ですし、4年生が何人出られか分からないですけど、出たら最終確認してチームを引っ張っていきたいと思います」
――ご自身がエースという思いはありますか。
「あんまりないと言うか、やっぱり今まで、明大の先輩のエースを見るとまだ結果を全然出してないと思います。最後の箱根で結果を出して、少しでもそういう偉大な先輩に近づければいいなと思います」
――箱根で走りたい区間はございますか。
「1区か3区を走りたいです」
――なぜその区間を走りたいと思いますか。
「3区走ってみたいというのは、自分に一番合っている区間だと思います。1区はやっぱり昨年度も経験してますし、4年生がそこで良い流れをつくることで他の選手も乗ってくると思うからです」
――なぜ3区が自分の強みを生かせると思いますか。
「自分は結構上りが嫌いなんですけど、3区は平坦で下りもあるのでスピード区間だと思うので自分に合ってると思います」
――箱根に向けての意気込みをお願い致します。
「総合5位以内目指してチームとして頑張りたいですし、個人も最低区間3番以内を目指して頑張りたいなと思います 」
[入野祐太]
第97回箱根駅伝まで、あと2日。
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