
(15)箱根直前特集③ 小澤大輝インタビュー
72年ぶりの王座奪還へ。今年度、災禍に苦しみながらも前を向き続けた選手たち。全日本大学駅伝(以下、全日本)では3位に食い込み、箱根駅伝(以下、箱根)を前に4強の一角として優勝候補に躍り出た。〝箱根なし〟を経験した当時の1年生は最終学年。上昇止まらぬ紫紺の襷が、まだ見ぬ頂へ走り出した。
今特集では、箱根に向けた選手らの声をたっぷりお届けします!
第3回は小澤大輝(政経2=韮山)のインタビューです。(この取材は12月5日に電話で行われたものです)
――現在のコンディションはいかがですか。
「僕自身の調子は夏合宿が全くできずに少し焦って練習をしていました。その中でも5000メートルと1万メートルで自己ベストを更新することができて、調子はかなり上がっている段階だと思います」
――夏合宿はなぜ参加できませんでしたか。
「夏合宿は3回あるんですけど、1回目の妙高は全部できました。でも妙高の合宿で疲労骨折をまたしてしまって。紋別と菅平の合宿は参加をしたんですけど、練習に加わることができなかったからです」
――今年度を振り返っていかがですか。
「春先からコロナで試合もなく、僕自身も足の疲労骨折を秋までに2回してしまい、秋までは気持ちよく走ることができずに、この1年こんな形で終わってしまうのかなと思っていました。9月以降自分で考えて、また先輩から助言を頂いて練習に臨むことでかなり実力も付いてきてきました。結果、早大競技会で自己ベストを大幅に更新することができたので昨年度よりもいい感じで仕上がっていると思います」
――練習中ご自身で意識したことはありますか。
「僕は小袖(英人・政経4=八戸学院光星)さん練習することが多くて、小袖さんの練習方法を聞いて、それを自分の中で取り入れました」
――小袖選手から何か助言をもらったりしましたか。
「朝は無理しないでダイエットするぐらいの感じで動いて、質の高いジョグは暖かくなった午前、午後の練習で入れれば力を付けることができるという話をしてもらってその通り僕も練習しました」
――今年度はなかなか練習できずに焦りはありましたか。
「焦りしかなかったですね。本当に練習を積むことができなくて、こんなに練習が積めなかったかったことは今までありませんでした。自分自身どうしたらいいか分からなくて、まず何から始めればいいかという感じでした。それでも同期は結果を出していくので置いていかれる感じがして、どんどん陸上を楽しめなくなっていました」
――今年度は下級生の勢いが強いと思いますがその辺りはいかかですか。
「1、2年生の下級生ってよりも僕的には4年生の頑張りが大きいと思います。4年生に僕らも刺激されて、引っ張られています。今年度は本当に4年生が全員走れていて、4年生が走れるとチームの層が厚くなると思います。その中で4年生に下級生が追い付こうと頑張っている感じです」
――そんな中でご自身の成長は感じたりしますか。
「練習ができていない中でこのタイムで走れたということは、しっかりと考えて練習してきた成果かなと思います」
――箱根に対する思いは何かありますか。
「昨年度直前で怪我をしてしまってチームに迷惑を掛けましたし、僕自身悔しい思いもしました。箱根をきっかけに伸びた選手もいるので今年度が自分がという思いは誰よりも強いと思います」
――走りたい区間はございますか。
「自分的には昨年度、直前で走ることができなかった4区にリベンジしたいです。そこでしっかり結果を出して来年度に向かっていきたいなという思いがあります」
――今年度の明大の強みはどこでしょうか。
「層の厚さだと思っています。誰が走るのか昨年度だったら、ほぼ10人がわかっていてその中での箱根の争いでした。今年度はその10人が誰も分からないくらい実力が拮抗しているので、僕は今も油断できないです。そういった面でみんな頑張るのでそこが強みだと思います」
――ご自身の箱根の目標はございますか。
「僕自身は任された区間で優勝を狙うチームなので、区間3位以内を目指して走りたいなと思います」
――箱根への意気込みをお願いします。
「昨年度走れなかった分、内に秘める思いは誰よりも強いと思うので、2年間分の気持ちをぶつけて走りたいなと思います」
――ありがとうございました。
[入野祐太]
第97回箱根駅伝まで、あと9日。
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