帝京大に悔しい敗戦 それでも見せた『MEIJI PRIDE』/全国大学選手権
3年ぶりの悲願達成とはならなかった。明大は関東大学対抗戦(以下、対抗戦)3位で全国大学選手権(以下、選手権)に出場。4回戦からの登場ながらも、天理大、早大といった強豪たちにリベンジを果たしていく。最後の相手は対抗戦では7―14で敗れた帝京大。しかし、接点やスクラムで圧倒され前半は0―20と苦戦する展開に。後半は2トライを奪い可能性を見せたが、最後まで帝京大の優位性を崩せずに14―27で敗戦。「帝京が強かったですし、自分たちのやりたいこともできたので悔いはない」(スクラムハーフ飯沼蓮主将・営4=日川)。やり切ったものの、大学日本一の夢はあと一歩及ばなかった。
◆1・9 全国大学選手権(国立競技場)
▼対帝京大戦
明大14{0―20、14―7}27帝京大〇
最後のリベンジは叶わなかった。試合開始直後から帝京大にボールを握り続けられる。前半5分には自陣ゴール前の相手ボールラインアウトからオーバーボールを拾われ、そのまま先制トライを献上。さらに「スクラムが思ったように組めずに悔しい」(右プロップ大賀宗志・営3=報徳学園)。前半10分にはファーストスクラムでペナルティーを奪われ、またも自陣へと侵入を許すと、そのままトライを許し0―10とリードを広げられる。「アタックするチャンスは何回かあったが、すぐそこでミスが重なった」(右ウイング松本純弥・政経4=佐賀工)。その後何度か好機はつくったものの、トライを奪うまでにはつながらない。「サポートの部分、最後の最後の部分で後手に回ってしまった」(右ロック武内慎・商3=石見智翠館)。帝京大に接点で上回れ、敵陣に攻め込んだ場面ではジャッカルをされる場面が目立つ。対抗戦同様に取り切ることができず、攻撃面で大きく後手を踏んだ。さらに34分、41分にも帝京大にトライ奪われ、前半を0―20で折り返す。
「飯沼さんがまだまだ巻き返せるという話をして気持ちの面でみんなを鼓舞してくれた」(スタンドオフ伊藤耕太郎・商2=国学院栃木)。後半は明大が最初に得点を奪い、逆転の可能性を見せる。9分にゴール前でラインアウトモールを組むと、最後はフッカー田森海音(政経4=長崎北陽台)が抜け出してグラウンディング。「モールはアタックもディフェンスも含めてとてもいい形でできた」(田森)。コンバージョンキックも決まり、7―20と勢いそのままに追い上げていきたいところだったが、最後まで帝京大の壁は分厚く立ちはだかる。試合を通じてスクラムと接点の主導権を握られ続けてしまい、明大の時間は長く続かない。26分には駄目押しとなるトライを奪われ、21点差とされる。「勝ち負け関係なく最後までやり切ることが今年度一番やろうとしていたこと」(ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)。引き離されながらも最後まで紫紺の戦士たちは攻めの姿勢を忘れなかった。35分にゴール前でペナルティーを得るとすぐさまFWがリスタート。「取らないといけない場面だった。ゴール前に来たからには取ったろう」(右フランカー福田陸人・法4=国学院栃木)。近場の勝負で攻め続けると福田陸が意地のトライを挙げる。しかし反撃もここまで、14―27でホーンが鳴り、無念のノーサイド。「帝京さんの方が一枚も二枚も上手だった」(大石)。帝京大に完敗を喫し、明大の大学日本一はついえた。
4年生は大学日本一を知る最後の世代だった。「明治の誇りを取り戻す」(飯沼)と今季掲げたスローガンは『MEIJI PRIDE』。大学日本一という最後の終着点にはたどり着けなかった。結果には満足をしていないが、それでもここまでの取り組みに選手たちは確かな誇りを感じている。「ひたむきさを売りにして能力がなくても、シンプルなことを凡事徹底していけばいいチームになれたので、今年度の色は見せられた」(飯沼)。彼らなりの『MEIJI PRIDE』は多くの人に届いたに違いない。明大ラグビー部、そしてチームを率いた4年生たちへ。感動をありがとう。
[田中佑太]
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