屈辱晴らした明早戦 FWの活躍でリベンジ達成/全国大学選手権

ラグビー
2021.12.26

 最後に笑ったのは紫紺の戦士たちだった。年越しを懸け準々決勝で相対するは伝統のライバル・早大。前半は先制こそしたものの、ミスが目立ち8―15とリードを許す展開に。しかし後半は強みのFWの活躍で敵陣に侵入すると、右プロップ大賀宗志(営3=報徳学園)の2トライで逆転に成功する。明大が二つ目のリベンジを果たし、1月2日に行われる準決勝へと駒を進めた。

 

◆12・26 全国大学選手権(秩父宮ラグビー場)

▼対早大戦

 〇明大20{8―15、12―0}15早大

 

 伝統の一戦を接戦で勝ち切った。試合は開始早々右フランカー福田陸人(法4=国学院栃木)のビッグゲインでゴール前に侵入する。継続すると細かいパスでつなぎ、最後は大外に張った左フランカー木戸大士郎(文1=常翔学園)がグラウンディング。「初めて試合で決まった」(木戸)とこれまで試合で成功していなかった形で先制点を挙げる。しかし幸先よく得点を取ったものの、キックオフでのミスが響き流れはモノにできなかった。27分に左センター廣瀬雄也(商2=東福岡)がPG(ペナルティーゴール)を決めたものの、早大に前半二つのトライを許し、8―15と思うようなゲーム展開はできなかった。

 

 巻き返しを図った後半は重戦車の名にふさわしい活躍をFWが見せる。後半9分、敵陣22メートルライン手前から廣瀬がパスダミーで抜け出し、フォローに入ったフルバック雲山弘貴(政経4=報徳学園)が一気にゴール前へ。「あのエリアに入ったらトライを取り切らなければいけない」(大賀)。そのままFWの持ち出しになると大賀がトライを挙げ、2点差まで追い上げる。さらに21分には雲山のタッチキックでハーフウエーラインからゴール前まで一気に侵入。「あそこで蹴り出したらFWがトライを取ってくれると信じていた」(雲山)。直後のラインアウトモールでは取り切れなかったものの、アドバンテージから明大のスクラムで試合は再開。互いの意地がぶつかり合い、6分間に渡って何度も組み直すが最後は29分にボールアウトする。近場の勝負になるとまたも大賀がグラウンディングし、一気に逆転に成功。関東大学対抗戦ではゴール前で取り切ることができず、苦い思いをさせられたFWが天理大戦に続いて躍動した。

 

 今年度、ここまで練習試合も含めて早大に三度敗戦していた明大。「早稲田に負けたくないという気持ちでゲーム前に全体としてまとまれたことが良かった」(ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)。試合前ロッカールームでは涙を流す部員がいたほど、選手たちが今試合に懸ける思いは強かった。「自分たちが必ず勝つと信じ続けていたから勝てた」(スクラムハーフ飯沼蓮主将・営4=日川)。今試合のテーマである『トラスト』を最後まで体現し続けたからこそ、リベンジできたと言える。迎える年明け、準決勝では東海大と対戦。関東大学リーグ戦王者に勝ち、明大が2年ぶりに決勝に進出を狙う。

 

[田中佑太]

 

試合後のコメントFWBK