昨年超えられず……立ちはだかった全国の壁/全日本大学対抗選手権

 日本一を懸け、全国から選手たちが集結し熱い戦いを繰り広げる大会、インカレ。明大は表彰台を目標に臨んだものの、8位と昨年を上回ることができず悔しい結果に終わった。

 インカレは各階級のスナッチ競技、ジャーク競技のそれぞれ1位~8位までに点数が与えられ、それがチームの得点となる。チーム一人一人の記録が優勝へのカギを握る。

《56kg級》
 「勝ちたかった。表彰台に立ちたかった」と肩を落とした古庄。主務として、最上級生としてもチームを引っ張ってきた古庄にとって、悔しい最終試合となった。
 「悔いの残らないように」(古庄)。大会前、そう話していた古庄だったが練習中、背中にバーベルを落とし靭帯(じんたい)を損傷。それから大会までの間、成功率を上げる練習ができず、ベストとは言い難い状態で臨むことに。それでも出場選手の中では唯一の4年生として、古庄は「チームのために」バーベルを挙げた。スナッチ、ジャーク共に1本ずつの失敗はあったもののトータル222kgで5位。古庄は試合後「もっと点数を取ってあげたかった。納得できる試合がしたかった」と悔しそうな表情を見せ、大学生活最後の大会を終えた。卒業後は地元での就職が決まっている古庄だが「これからも競技したい気持ちはなくならない。一生ウエイトには関わっていきたい」とウエイトに対する思いを話してくれた。
 同階級に出場した谷中も好調とは言えない中での試技となった。スナッチでは「最初の1本は絶対取る」(谷中)と意気込んで試技に臨んだが、まさかの失敗。続く2本目も落としてしまう。やっと3本目で成功させたものの、「思っていたのとは違う試合」(谷中)となってしまった。結局、スナッチでの失敗が影響して9位。「点を取れなかったのが悔しい」(谷中)と自身の試技を振り返った。谷中は「(自分には)他の選手のようなパワフルさがない」と、今後は筋トレをして力をつけ、次の大会に備えると話した。

《62kg級》
 62kg級に出場したのは世界大会の出場経験を持つ武市。先日の国体でも優勝を果たし、本多監督も「日本新記録とかにも挑戦してほしい」と期待を寄せている注目選手だ。しかし「ずっと記録が低迷していて、最近はやっと戻ってきたところ」(武市)と本調子ではなかった様子。それでも1位でスナッチ競技を終え、点を稼ぐ。ジャークでも余裕の表情で2本を成功させるが、3本目を落とし「肝心なところで取れない」(武市)と、しゃがみ込んで悔しそうな姿を見せた。結果トータル246kgで4位。「去年の自分に負けた」(武市)と惜しくも表彰台には届かなかったが、「今年は記録を戻す年、来年は記録を伸ばす年」(武市)と武市の気持ちはもう次へと向かっていた。

《69kg級》
 選手紹介の際、緊張した様子もなく笑顔で姿を見せた吾郷。しかし、本領を発揮できずスナッチを2本落としてしまう。ジャークの出だしも失敗したものの、最後はしっかりと141kgを決め、試技を終えた。結果は9位と悔しい順位に終わったが、競技後は古庄と遠藤(政経3)が吾郷の背中をたたき、温かく迎えた。

《85kg級》
 この階級に登場したのは千原と高原。千原はスナッチを3本すべて成功させ、順調な滑り出しとなった。ジャークでも声を挙げ迫力のある試技を見せたが、最後の1本を決めきれず悔しい表情を浮かべた。トータルは275kgで7位。高得点とはいかないものの、点数をもらえる位置につけ競技を終えた。
 一方、高原は85kg級では唯一の1年生として出場。インターハイ優勝の戦績を誇る期待の新星だ。寮で生活する1年生には炊事、洗濯などの当番が決められているが、インカレに出場する選手はインカレまでの数週間、他の選手に当番を代わってもらう。「迷惑かけちゃったから記録で恩返ししたい」と話していた高原だったが、「調子がいいとは言えなかった」(高原)とスナッチ、ジャーク共に失敗を重ねてしまう。チームの声援に応え、奮闘するもむなしく自己ベストより10kg低いトータル269kgで9位。競技後、高原は「当番を代わってもらった人に申し訳ない」と肩を落とした。

《94kg級》
 最後の階級に出場したのは三原。こちらも唯一、1年生での出場となった。三原は先日の新人戦で優勝を果たし、記録が伸びていることから期待も高まっていた。やはり絶好調なだけあって、スナッチは1本ずつ落ち着いて決め、すべて成功。3本目で124kgを挙げ、自己ベストを更新した。ジャークでも2本目の163kgでまたもや記録を更新。3本目でさらなる更新を遂げるため、168kgに挑戦した。これが最終種目ということもあり、チームの応援も迫力を増す。大声援の中、自分の限界へと挑戦した三原だったが、挙げきれず倒れ込んでしまった。失敗はしたものの、新人戦に引き続きスナッチ、ジャーク、トータルすべてにおいて自己新記録をたたき出し7位。「初めて大きな舞台に出れてよかった」(三原)といい経験になったようだ。

 「表彰台」。大会前、選手たちが口にしたその目標を達成することはできなかった。個人でも今までの大会ではほとんどの階級で表彰台入りを果たす選手が出ていたのに対し、今大会、表彰台入りは0。全国の壁の高さを痛感させられた。
 チームのために必死で全国の強敵に挑む選手たち。声を張り上げ、仲間を応援する選手たち。結果だけ見れば悔しいインカレだったかもしれない。しかし、そこには一人一人のチームに対する思いがあり、それに応え、支える仲間がいた。選手たちにとって、決して後悔だけが残るインカレではなかったはずだ。
 次の大会は来年。1年生には3月の全日本ジュニア選手権が待っている。このインカレでの経験を生かし、活躍してくれることだろう。他の選手たちも次の大会へ向け、さらなるパワーアップを遂げていく。愉快で楽しい明大ウエイトリフティング部が一回り成長して戻ってくるに違いない。

[竹田絵美]