【フィギュア】(女子)昨年度の悪夢乗り越え奥野8位/東京選手権

 東京選手権の初日はシニア女子SP(ショートプログラム)が行われた。五輪にも出場した中井亜美(TOKIOインカラミ)や千葉百音(木下グループ)も出場し、ハイレベルな戦いとなった今大会で、奥野友莉菜(商2=駒場学園)が8位に食い込んだ。

◆10・2~10・4 東京選手権(田中貴金属アイスアリーナ)

 昨年度はまさかのSP落ちとなってしまった奥野。リベンジを果たすべく迎えた今大会で昨年度から継続のSP『Danse Mon Esmeralda』を披露した。「会場着いてアップし始める時からずっと涙が止まらなかった。3回ぐらい演技前に泣いて、ポーズに着く直前も涙が出そうなくらいすごく緊張していた」と昨シーズンの記憶がよぎり不安が高まる。しかし、演技開始後は奥野の表情が一変した。冒頭のダブルアクセルを華麗に決めると、続くコンビネーションジャンプも着氷。スピンやステップも安定した滑りを見せ、56.68で8位に入った。「9月からずっとすごくいい練習を集めていたので、最後のフリップでダブルになってしまったのはすごく悔しいし、反対周りのスピンもあまり今までの中ではいい出来ではなかった」と課題を挙げつつも、「緊張した中でしっかり始めの2本を決めることができたのは少しよかった」と成長を感じられる一戦となった。奥野は3日に行われるFS(フリースケーティング)に進む。

(写真:スパイラルをする元榮)

 大学ラストイヤーとなる元榮愛子主将(商4=目黒日大)は「残念な演技になってしまった」と試合を振り返る。体を大きく使った表現でPCS(演技構成点)では一定の評価を得るも、コンビネーションジャンプを2回跳んでしまうなどミスがありTES(技術点)が思うように伸びず。26位で翌日のFS進出はかなわなかった。「すごく調子が悪いままブロックに来てしまった。公式練習は少し良かったと思うが本番ではすごく不安定で、心配な気持ちのまま行ってしまったことが失敗の要因だった」と自身の調子の悪さに向き合っている元榮。次戦となる18日に行われる東日本学生選手権(東インカレ)については「明治を背負って出る大会なので、やはりそこでもう少しいい演技をして貢献できるように頑張りたい」と意気込んだ。

(写真:演技後挨拶をする吉田)

 「今まで見たことないぐらいのお客さんがいて、見られているという感じがして、少し緊張してしまった」。仙台出身のルーキー・吉田けい(営1=常盤木学園)は今大会が東京選手権初出場となった。多くの観客を前にSPで披露するのは『Funny Girl』。明るい曲調に合わせた笑顔が見どころのプログラムだ。
冒頭の3回転トーループ+2回転トーループのコンビネーションジャンプを成功させる。しかし「ずっと大会で入っていなかったコンビネーション(ジャンプ)が入ったのはよかったが、アクセルとサルコーでどちらもミスをしてしまった」。その後は6分間練習から入念に確認していたジャンプに苦戦した。後半のステップでも「いつも失敗しないステップでふらついてしまった」と悔しさをにじませたが、ボーカルに合わせて手足を大きく使い、笑顔でステップを魅せた。最後のレイバックスピンでは最高難度のレベル4を獲得し、演技を締めくくった。

(写真:1番滑走となった山﨑)

 東日本選手権出場を目標としている山﨑舞美(商3=釧路湖陵)は1番滑走となった。8時過ぎに本番という厳しいスケジュールについては「自分は朝が強い方なので、朝練などの調子を踏まえて徐々に出し切る自信はついてきていた。今日に関しては1番であることをあまりマイナスには考えていなかった」と語る。臨んだ本番では3回転トーループで転倒し、その後のダブルアクセルも1回転となってしまった。「得意としていた練習でもあまりミスなしないダブルアクセルがシングルアクセルになってしまったところが一番悔しい」。得点は34.44点で東日本選手権出場は逃したが、まだシーズンは開始したばかり。山﨑の今後に期待だ。

(写真:表情豊かに滑る住吉)

 OGの住吉は、前回の大会から衣装を新しくし金色の衣装に身を包んだ。『Anything goes/Let’s face the music and dance』の曲に乗り、はつらつとした動きで最初のダブルアクセルを決める。続く3回転ルッツ+3回転トーループも落ち着いて着氷した。さらに三つのスピンとステップでは全てレベル4を獲得。中でもステップは出場選手の中で最も高いGOE(出来栄え点)を獲得した。後半のジャンプに回転不足の判定を受けるも大台に乗せる70.42をマーク。逆転表彰台を懸け3日のFSに挑む。

[藤岡千佳、吉㟢帆奏]

試合後のコメント
元榮主将
――ブロック大会が始まり実際に滑ってみていかがですか。
 「結構不安しかなくて、最近のシーズンはいつもブロックにあまり調子が良くないまま来てしまっていたのですが、今年は特に崩れてしまっていて。少し心配な気持ちが勝ってしまったのかなと思って残念ですけど、次も試合があったらまた頑張りたいです」

――うまくいかない中でも頑張れている原動力はありますか。
 「やはりこのまま終わってしまいたくないなという気持ちがあって。やはり今までやっていてよかったなと思って終われるように調子に戻せるかは分からないのですが、頑張って近づけていきたいなと思っています」

山﨑
――演技が上手くいかなかった理由はありますか。
 「今振り返ってもこの間上手くいった東京夏季選手権など、いつもの練習と気持ちの面ではあまり違いがなかったので。その分やはりなぜミスしてしまったのかというのがはっきり自分の中で今すぐ分かっていないです。ダブルアクセルに関しては、練習を重ねて百発百中ぐらいの自信はあったんですけど、それでも本番でミスをしてしまうので、やはりもっと確率をあげたり、極端な話、目をつぶってでも跳べるぐらい体に染み込ませる必要があるんだなというのを、本番で力を発揮する難しさを感じました」

――6分間練習の調子はいかがでしたか。
 「1番ということもあって、6分間練習の直後に演技なので、疲れすぎない程度にジャンプの本数を少なめで行っていました。それでもアクセルはいつも通り綺麗に飛べていましたし、トリプルサルコーの感覚はいいものを2本跳べていたので、6分間練習の出来を考えたらなおさらもう少し本番で決めたかったなという気持ちはすごく強くあります」

奥野
――9月から積めていた「いい練習」というのは具体的にはどのような練習ですか。
 「曲の中で(ジャンプを)降りられるようになってきたというか、今までは曲以外の部分ではあまり失敗しなくても、曲かけでジャンプを失敗してしまうことが多かったのですが、9月に入ってからあまりそういうことがなかったです。また少し腰を痛めていて、その中で回数を少し制限した練習でも短時間で質のいい練習がすごくできていた部分で、すごく手応えを感じていました」

――表現についてはいかがでしたか。
 「すごく感情を入れて演技することができましたし、少し泣いてたので、そういう表情も相まって少しいい感じになったかなとは思っています(笑)」

吉田
――6分間練習ではコーチと何度かお話をされていましたが、どのような確認や調整をしていましたか。
 「基本的にジャンプのことを教えていただいて、やはり本番になると焦ったり力が入って体が回ってしまうことが多いので、そこを落ち着いてというふうにご指導いただきました」

――次の大会に向けて意気込みをお願いします。
「次が東インカレになって、本戦に行くのにすごく重要な大会になるので、本当に完璧な演技をして、チームのみんなに迷惑をかけないような演技をしたいと思います」

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