(2)陰で選手を支え続けた拳士たち

1999.01.01
(2)陰で選手を支え続けた拳士たち
 来る11月29日、尾川体制の集大成である団体インカレがいよいよやってきます。4年生にとって、この大会は最後の戦いです。選手の4年間を回想すると共にこの大会に懸ける思いに迫ります。

 これまでレギュラー入りを夢見つつも選手を陰で支えてきた遠藤正之(営4)、川合大介(農4)を伝えます。

 「格闘技が好き。先輩がいい人たちだったしね」。だから拳法部に入った。そう語る遠藤。「ちゃんとした部活に入ったのは初めて」だったためか、1年生の夏合宿が一番きつかったという。「10日間も家に帰れず、精神的にも肉体的にもやばかった」。そんな遠藤も地道な努力を重ねニ段を獲得するまで成長した。試合では「今日は遠藤が一番良かった、声がしっかり出ていた」(牧コーチ)と褒められることも。
 とはいえ、遠藤のレギュラー入りは難しかった。悔しかっただろう。だが同じ一般入部でレギュラー入りを果たす矢島(文4)、宮下(文4)に対して、「あの2人が活躍するのが一番うれしい」と誰よりも応援していた。
 そんな折、遠藤は昨年、清水前監督の推薦で東日本学生拳法連盟に所属することに。今年はそのトップである委員長に起用され、大会の管理・運営という重責を担った。道場での練習後に連盟へと駆け付ける遠藤の姿。「忙しい……。責任が重かった。辞めたいとも思った」。でも「部内に留まらず外部の人たちと関わることができ、いい刺激になった」。大会を成功させようと影で働くその姿に、「遠藤は裏でよう頑張ってくれてるよ」(尾川主将・政経4)。今ではその任務も終え、「安心している」。

高校時代は野球部だった川合
川合

 道を歩いていても知らない人に声を掛けられる、明大中野八王子校の有名野球選手だった川合。そんな川合がなぜ拳法部に?
 それは、高校3年次の担任との出会いだった。「先生は拳法部の主将だった。その人を尊敬していたし、大学生活をどう送っていたのかも興味があった」。
 最初は、「喧嘩とかするタイプじゃないし、殴り合うことには抵抗があった」。4年間を振り返って、川合が一番思い出に残った試合――それは新人戦での決勝の舞台だった。試合には負けてしまったが入場するときに、自分の名前がアナウンスされた瞬間がうれしかったという。力はある選手だ。それにもかかわらず肩の故障が川合を苦しめる。ここ最近の大会では胴着ではなく学ランを着用し、裏方の仕事に従事する川合の姿が目立った。試合に出られないことに対して、「ケガ……いや、実力ですね」と謙虚な一面を見せる。
 もちろんレギュラーを狙っていた。だが今は「明治が優勝すること」、それが川合の今の何よりの願いだ。そのためには「自分は試合に出られない」、だからこそ「後輩への指導、OBなどへの配慮、周りへの気遣い」が大切だと誰よりも分かっていた。

 さあ、いよいよ4年生にとって本当に――泣いても笑っても最後の団体インカレが迫ってきた。そこでは、遠藤と川合が面を着け…防具を身に付けて…勢いのある声を出して闘う姿は見ることができない。しかし、「選手が試合だけに集中できるように配慮したい」(川合)、「選手にのびのびと試合をさせてあげたい」(遠藤)。彼らは全力でサポートに励もうとしている。
 そして彼らには素晴らしい同期がいる。「もちろん後輩もだけど、4年生には一番頑張ってほしい。4年間一緒にやってきた仲間だから」(遠藤)。「同期に会えたことが何より。とくに尾川。あんなに自分にストイックなやつ、今までに出会ったことがない。本当に素晴らしい仲間に出会えて良かった」(川合)。明大拳士らが最高の仲間と共に、最高の結果を残すその日は、もうすぐそこまで来ている。

◆遠藤正之 えんどうまさゆき 営4 城北埼玉高出 182cm・75㎏
◆川合大介 かわいだいすけ 農4 明大中野八王子高出 180cm・75㎏