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麻雀は学生スポーツになるのか? ①競技としての麻雀の魅力 /NEW WAVE ~学生スポーツへの可能性~(4)

明大スポーツ新聞 2022.11.18

 麻雀は果たして学生スポーツになる可能性があるのか?今回は麻雀のプロスポーツ化を目的に発足し、今年度で5年目となるM.LEAGUE(以下、Mリーグ)を運営している一般社団法人Mリーグ機構・事務局長の畑敦之氏に取材を行った。

第1弾は競技としての麻雀を深掘りする。

※この取材は10月28日に行われたものです。

 

 大学生でも親しみを覚えている人は多いであろう麻雀。近年ではインターネットテレビ『ABEMA』でMリーグが放送されるなど、広く一般的に競技が浸透しつつあるのが現状だ。競技としてのイメージが強い麻雀では、主要なプロ団体も五つ存在し、現在では約2000人以上がプロとして活躍している。各団体それぞれで昇降級制度が設けられたり、タイトル戦があったりするなど、日々シビアな勝負が繰り広げられている。

 

(Mリーグスタジオの風景。Mリーグは各団体からスポンサー企業に選ばれた選手たちが試合を行う)

 

 麻雀がスポーツと結びつくイメージはあまりないが、知力を競い合う『頭脳スポーツ(マインドスポーツ)』として注目を浴びている。頭脳スポーツとは、思考能力や判断能力など、脳を使って行われるスポーツだ。2005年には『国際マインドスポーツ協会(IMSA)』が創設され、2008年には国際オリンピック委員会(IOC)の働きかけで『ワールドマインドスポーツゲームズ(WMSG)』が開催されるなど、スポーツとしての認知が広がりつつある。麻雀は実際に2017年にIMSAに加盟している。相手の捨て牌や自身の手牌を手がかりに、相手の手牌や山(※①)に何が残っているのかなどを予測するなど、頭脳スポーツの中でもかなり高度な思考能力が求められるのは確かだ。

 

 そんな麻雀だが、もともと雀荘でプレーすることが多いため、敷居が高いイメージを持つ人も多い。しかし今はアプリゲームなどでプレーできるため、麻雀をより手軽にたしなむ人が増えているようだ。また、Mリーグなどの視聴ができるコンテンツも増えているため、『見る雀』と呼ばれる層もできている。2021-22シーズンのMリーグの1試合平均視聴数は100万人、さらに「全人口の4パーセントである500万人がMリーグを認知している」(※②)。元々高かった敷居をデジタルコンテンツの駆使によって、確実に低くすることに成功している。こういった進歩から麻雀を知らない人でも気軽に触れることができるようになっているため、興味がある人は触れてみるのも良いだろう。

(Mリーグの対局の様子)

 

 麻雀をプレーすることは、今はまだハードルが高いかもしれない。しかしMリーグは「麻雀に興味を持ってくれそうな全年齢層がターゲット」と、さらにここから一般的に認知を拡大させていくようだ。『麻雀=スポーツ』という概念が生まれるのも時間の問題となってくるだろう。

 

(※①)牌山のこと。競技者はこの山から牌を取ってきて捨てる。

(※②)「Mリーグ」に関するアンケート調査結果を発表より引用。

 

[菊地秋斗]


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