ダンスは学生スポーツになるのか? ②世界で唯一のダンスリーグ・Dリーグとは /NEW WAVE ~学生スポーツへの可能性~(1)

明大スポーツ新聞
2022.10.14

 ダンスは果たして学生スポーツになる可能性があるのか?今回は『世界中すべての人に、ダンスがある人生をもたらす』をミッションに掲げ、10月2日より第3シーズンが開幕したD.LEAGUE(以下、Dリーグ)を開催する株式会社Dリーグ・代表取締役COOの神田勘太朗氏(法卒)に取材を行った。

 第2弾は昨年度から始まったものの、すでに多くのファンを獲得しているDリーグの魅力を紹介していく。

※写真はすべて株式会社Dリーグ提供。なお、この取材は9月13日に行われたものです。

 

 2021年1月に誕生したDリーグ。生まれたばかりのこのリーグへの注目度は高く、10月2日からはGENERATIONS from EXILE TRIBEを公式アンバサダーに据え、22―23シーズンが開幕した。「ダンス業界を知るきっかけとなるものという意味でプロリーグという構想が立ち上がった」。そもそもDリーグが発足したきかっけは、ダンス業界をきちんと一般の人にも認知してもらいたいというところから。サッカーや野球などの既存のプロリーグを参考にしながら考えられた。そして、その中でも見てもらうための工夫として、ABEMAなどの配信サイトを通じて簡単に無料で視聴できるようにしたという点がある。「若い子たちの世代を中心に見てもらいたかった」。若者のテレビ離れを意識し、スマホさえあればいつでも見られる環境を最初から整えた。

 

 その他に、Dリーグならではの試みとしてオーディエンス投票がある。「僕たち一般の人がフィギュアスケートを見ても他の採点競技を見ても『なんでこのようなことになるの?』と感じることがあると思う」。オーディエンス投票を取り入れることで、観客自身が審査に参加するような仕組みになっている。自分ごとにしてダンスを学び、リテラシーが高まることでダンス業界への理解が深まることを期待している。また、試合形式にもこだわりがある。初年度より企業の参画をしやすくすることや、企業にダンサーが所属し、年俸契約を結ぶなど、他の競技と同じプロリーグの形を作る狙いのもとチームごとの対戦形式を採用。全12ラウンドの獲得ポイントを競い、その上位4チームが決勝ラウンドに進出できるというショーコンペティション形式を取った。ただ、これから始まる新シーズンからは、各チーム総当たり戦のリーグ方式に移行する。これには前述の狙いのほか、チーム同士を比べることで観客の審美眼をさらに磨かせたいという意図もある。「好きなチームはこれだけど、今日はこのチームがよかったとみんな言えるような美的感覚を磨いてほしい」。

ポーズをとる男性グループ

中程度の精度で自動的に生成された説明

昨シーズン優勝を果たしたKOSÉ 8ROCKS

テーブル, グループ, 若い, 民衆 が含まれている画像

自動的に生成された説明

決勝でKOSÉ 8ROCKSと対戦したavex ROYALBRATS

 

 10月2日より、ついに22―23シーズンが始まった。視聴者の1票が勝敗を左右する異例のリーグ戦。「自分が見ても分からない」ではなく、自身の直感を信じてぜひ観戦してみるのはいかがだろうか。

 

[堀之内萌乃]

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