

(80)~highlight~ 箸本龍雅(後半)「途中まで勝っていても、最後で負けたら意味がない」
――対抗戦への思いを聞かせてください。
「やっぱり優勝したいです。また優勝してからの取り組みが大事になります。何位になるかわかりませんが、対抗戦終わってから、対抗戦の順位で気持ちが左右されるのではなく、そこからまた勝負が始まることを、昨年試合に出て実感しました。対抗戦が終わって、選手権ならではのプレッシャー、お互いがどういうチームかわかっているなかで、どう準備するか。準備したもの勝ちというのを昨年自分の中でとても感じました。そこに対するチームの発信を僕からやっていきたいなと思います」
――主将として意識していることを教えてください。
「間違っていたら、直してあげる。みんなのやりたいことをやらせてあげて、少し方針違うなと思ったら、ちょっと修正するようにしています。主体的にやれる選手が多いので、任せています。チームトークで話すことはありますけど、ここをこうしよっていう強制力が強いキャプテンではなく、一人一人が考えていることをやって、好きにやってもらう感じです」
――初めて主将を経験したのはいつですか。
「高2のUー17日本代表です。ただラグビー以外でなら、中学のサッカー部の時にやっていました。自分からではなく、『箸本引っ張ってくれ』と周りに言われて、キャプテンってどんな感じだろうって戸惑いましたね。(今はやりたいって思いますか)キャプテンをやりたいとは思わないです(笑)。やりたいとは思わないけど、やるしかないと思います」
――関東大学ジュニア選手権がない中で、下級生への接し方で考えていることはありますか。
「それは4年生から動くようにしています。ルビコンの4年生と僕たちの信頼関係が大事だと思っていて、練習で雰囲気を盛り上げてくれるのはルビコンの4年生で、そこで僕たちが4年生のメンバーとメンバー外で分かれないようにコミュニケーションをとっています。最近元気がないなという人には声かけて、練習とかではない話をしたり、コミュニケーション取るようにしています。(声をかけるようになったのは)4年生になってからです。下級生とかもですけど、いままでは話すことも共通点もあまりなく、話したりすることがなかったですけど、今年は意識的に関わりがない人でも『髪切った』だったり、そんな感じですけど、声をかけています。自分が1年生の時に4年生の人に話しかけられたらうれしくて、そういうところは監督からも言われていて、意識しています。自分的にはそこが一番大きく変わった、意識していることかなと思います」
――1年生から紫紺を着て感じることはありますか。
「1年生の時は重みというのを感じていなくて、メンバー選ばれてよかったなという個人的なうれしさでプレーしていました。ただ2年生の時、パフォーマンスが悪く、選手権の立命館大戦の時にメンバーから落とされました。そこで、いつも出られなかった選手が出ていて、思いっきりチャレンジをしているのを見て、出られない選手がいて、自分が出させてもらっているのを理解しました。こういう人たちの思い、紫紺の重み、自分が出ることによって出たい人が出られない。自分のプレーが良い悪いではなく、出るからにはチームのために体を張り続けなきゃいけないと思いました。紫紺に限らず、ジャージーを着るって言う大切さです。出られる人が持つ責任感っていうのを2年生から思い始めました」
――ここからの試合でカギを握るポイントはどこですか。
「対抗戦でどんどんいろんなことにチャレンジしていくっていうところです。選手権に入ってくると相手の対策や明治の強み弱みがわかってくると思うので、選手権に入ってからどれだけ取り組んでいけるか。相手の弱みをつけ込むのかっていうところもそうですし、自分たちの強みをどう出すのかっていうのが大事かなと思います」
――選手権の決勝を振り返っていかがですか。
「あの試合で準備の大切さっていうのが身に染みて感じたし、途中まで勝っていても最後で負けたら意味がないって言うのが自分の中には強く思い出に残ります。昨年の悔しさは残っていないです」
――改めて箸本選手にとって、〝one by one〟 とはなんですか。
「いろいろなところから当てはめられるものです。いまでいうなら、本当に一つ一つ、一試合一試合をどれだけ大事にしていくかっていうところです。やっぱり昨年悔しい思いを最後にしているので、そういうことがないように、リーダー陣を中心に、隙のないチームを作って最終的に優勝したいと思います」
――ありがとうございました。
[田中佑太]
◆箸本 龍雅(はしもと・りゅうが)商4、東福岡高、188センチ・107キロ 最近のマイブームは携帯を触らないこと。スクリーンタイムの機能を利用し、携帯を触らない時間を設けている。「睡眠が取れて、気持ちもスッキリする」。生活も改善し、万全な状態で試合に臨む。
関連記事 RELATED ENTRIES
-
(87) 全国大学選手権 準決勝・天理大戦 試合後インタビュー②
ラグビー 2021.01.03スクラムハーフ飯沼蓮(営3=日川)――ノーサイドの瞬間はどのようなお気持ちでしたか。 「本当に実感がなくて、終わっちゃうのだなと思いました。それでも切り換えないといけないと思い、帰りのバスではスマホのメモに足りなかったことを書きこみました。やっぱり今日が大切なので。今から新しい4年生で集まって話をします。次に向かって進む、今はそこにフォーカスしています」 ――改めて4年生の存在はいかがでしたか。 「みなさん人間性の部分で尊敬できる部分があります。本当に4年生の背中についてきたので、悔しいというか、寂しい気持ちでいっぱいです」 スタンドオフ森勇登(政経4=東福岡)――試合を振り返っていかがでしたか。 「特にディフェンスでは、外国人選手がいるのでツーインタックル、ダブルタックルの部分で目標を立ててやっていました。しかし、その部分で差し込まれる部分が多く、我慢できずペナルティーになってしまい、相手に優位なゲーム運びをさせてしまいました。そこが敗因だったと思います」 ――この経験をどう受け止めますか。 「監督からも言われたのですが、この負けをどう生かすかということが大事だと思います。悔しい気持ちもありますが、負けを負けで終わらせるのではなくて、切り替えて次のステージでも頑張りたいです。『敗者になるな』と言われました」 右ウイング石川貴大(政経4=報徳学園)――入りから流れが掴めなかった印象ですがいかがですか。 「そうですね。自分たちのミスからのペナルティが多くて、ペースがつかめませんでした。どんどん差し込まれて、得点を重ねられるのを許してしまいました。悔しいという一言に尽きます」 ――この舞台で2トライを取れたことはいかがですか。 「この大舞台で2トライを取れたということはすごく大きな経験になりました。今後も頑張っていく中でつながる経験になったと思います」 フルバック雲山弘貴(政経3=報徳学園)――来年に向けての意気込みをお願いします。 「最終学年なので引っ張らないといけない立場です。BK陣を引っ張りたいです。あまり喋るのは得意ではないですが、やっていかないといけないことだと感じています。4年生のために来年は優勝したいです」 齊藤大朗(商4=桐蔭学園)――後半どのようなプレーをしたいと思っていましたか。 「負けていたので、まずは自分の思い切ったプレーを出したいと思っていました。ただ、出し切ることはできなかったです。やはり悔しいです」 ――後輩たちへ一言お願いします。 「個人的には何も残せた感じはしないですけど、一人一人積み上げてきたものがあると思います。この悔しさが原動力になると思うので、絶対忘れずに来年以降優勝してほしいと思います」READ MORE -
(86) 全国大学選手権 準決勝・天理大戦 試合後インタビュー①
ラグビー 2021.01.02ナンバーエイト箸本龍雅主将(商4=東福岡)――明治での4年間はいかがでしたか。 「自分を成長させてくれた場所でもあるし、同期に恵まれ、この同期で4年間やれたことが一番嬉しいです。明治としてラグビーをやらせてもらえて、人間的に成長させてもらったので感謝の気持ちでいっぱいです」 ――ファンの方へのメッセージをお願いします。 「大学界の中でも明治のファンの方の応援が一番大きかったと思いますし、自分たちの力になったと思います。4年間いろいろな人に支えられてここまで頑張ってこられたので、ファンの皆様には感謝しています。個人的には、またこれからどんどん成長して、活躍している姿を見せられるように努力していきたいと思うので、これからも応援よろしくお願いします。4年間応援ありがとうございました」 左ロック片倉康瑛(法4=明大中野)――最後のスクラムのシーンを振り返っていかがですが。 「鼓舞しようと思っていたのですが、気づいたら龍雅から『泣くな』と言われていました。その時79分50秒ぐらいで、ここで綺麗にスクラムを組んでタッチで出されて試合終了だけは絶対に嫌でした。なので、本気でターンオーバーしてやろうと思っていたら、勝手に涙が出てきました。このままじゃ終われないなというのがありました」 ――チームに残したい言葉を教えてください。 「本当に今年1年間セットプレーをこだわって積み上げてきました。最後は負けてしまいましたけど、良いラインアウト良いスクラムが今年は組めていたと思います。今まで積み上げてきたFWをこれ以上に進化させて、上を目指していってほしいです。特にラインアウトは。そして、天理戦で見えたラインアウトの課題もあると思います。そういうところを一つ一つ鍛え上げていって、日本一のセットプレーで日本一のチームを後輩たちには作り上げていってほしいです」 右ロック髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)――最後はスクラムを選択しました。 「ゴール前でしたし、今まで練習してきたスクラムです。ずっとやってきた明治のスタイルを崩さずにFWで勝負しようと、全員一致でスクラムを組もうという話になりました」 ――今の心境を教えてください。 「ラグビーの面でも人間としても自分が今まで一番成長できた4年間だったと思います。特に同期のみんなには本当に感謝しています。正直この1年間もめちゃくちゃ練習したと思っていたのですが、結局最後負けてしまいました。慢心とかは特になかったのですが、慢心せずとにかく死ぬ気で最後まで後輩たちにはやり切って頑張ってほしいです」 右フランカー繁松哲大(政経4=札幌山の手)――セットプレーについてはいかがでしたか。 「スクラムは準備していましたが、天理さんの方がシンプルにヒットとチェイスが強かったのでやられてしまいました。ラインアウトは研究をしっかりして何本か取れましたが、もう少し突き詰められたかなと思います」 ――4年間を振り返っていかがですか。 「4年間本当に努力をして全力でやってきました。それでも最後優勝に届かなかったのは、まだ甘さがあったのではと思います。でも、楽しい4年間でした。後輩たちには、今日の負けを糧にして、いろいろ学んで、そして来年再来年は勝ってほしいです」 山本龍亮(情コミ4=桐蔭学園)――スクラムの前に円陣を組んでいたシーンでの心境を教えてください。 「FWコーチの滝澤さんという方が就任してきたのが、ちょうど自分たちが1年生の時でした。なので、自分たちが1年生から作ってきたスクラムで勝とうという思いでした」 ――ホーンが鳴った瞬間の気持ちを教えてください。 「出られなかった4年生の分まで本当に勝ちたかったので、悔しかったです。それと、終わっちゃったのだと思い、悲しかったです」READ MORE -
(85) 全国大学選手権 準決勝・天理大戦 試合直前コメント②
ラグビー 2021.01.01右フランカー繁松哲大(政経4=札幌山の手)――強度ある相手のセットプレーに対してどのように戦っていきますか。 「スクラムは相手より先に仕掛けること、ラインアウトはいつも通りクオリティーボール、1センチでもリフトを上げることを意識していきたいです」 スクラムハーフ飯沼蓮(営3=日川)――BK陣のできはいかがですか。 「相手の陣形によってこっちも動きや陣形を変えるなど、攻撃の引き出しが増えているので良くなっていると思います。天理大学さんはとても強くてリスペクトしている相手なので、チャレンジャー精神を持って望んでいきたいです」 スタンドオフ森勇登(政経4=東福岡)――明日に向けて、どのように調整を進めましたか。 「この2週間では大きく変えることはできないので、アタック面ではレッグドライブの意識、ディフェンスではダブルタックルのところ、ラインスピードのところをチーム全体で意思統一してやっていました。(昨晩は)10時半頃に寝てしまいました(笑)」 左ウイング石田吉平(文2=常翔学園)――どのようなプレーをしたいですか。 「外国人に対して、ビビらず立ち向かいたいです。特にディフェンスで、怖がったら負けなので、一番体を張りたいです。(日大戦での負傷は)もう大丈夫です」 左センター廣瀬雄也(商1=東福岡)――明日の個人的な目標を教えてください。 「今まで積み上げてきたディフェンスの部分をしっかりとやりたいです。明日の13番はスーパーラグビー経験者で、試合することで自分にとっていい経験になると思います。なので、しっかりとシオサイアさんを止めたいと思います」 右センター児玉樹(政経3=秋田工)――フィフィタ選手はどう対応しますか。 「今までやってきたディフェンスをいかにできるかなので、特に特別なことをしようとかはないです。いかに強くタックルを決められるか、あとはやってきたディフェンスをどれだけ崩さずにできるかだと思います」 フルバック雲山弘貴(政経3=報徳学園)――天理大の印象は教えてください。 「外国人のチームだと思うので、勢いを出させないために外国人を止めることが大事になってくると思います。覚悟を決めてタックルしにいきたいと思います。(フィフィタ選手の印象は)サンウルブズの時は全くレベルが違かったんですけど、今年一年間で体を作ってきたので大丈夫だと思います。キックとランでチームに勢いを与えたいと思います」READ MORE