(79)~highlight~ 箸本龍雅(前半)「本当に明治でよかった」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
最終回は箸本主将のインタビューをお送りします。(この取材は10月20日に行われたものです)
――ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
「家から車で2分くらいのところに宗像サニックスのラグビー場があって、『ラグビーチームあるらしいよ』と親に言われました。でも僕はサッカーをやりたくて、福岡とか特にそうですけど、小学校にはラグビーをやっている人なんていなくて、だから僕もサッカーやりたかったです。ただ親には『ラグビーやるならサッカーやってもいいよ』って言われてそれで始めました(笑)。(ラグビーを選んだ理由は)サッカーも地域の中では結構うまい方で、市の練習会で他の地区と試合した時に、アビスパ福岡の下部組織と試合をやって、次元が違いました。ラグビーの方が上に行きやすいかなと思って、現実を見てラグビー好きじゃなかったですけど、ラグビー行こうってなりました。高校に行く前に中学の選抜に選ばれて、その時にラグビーがうまい人たちとプレーしていくことで楽しいなと思えました。東福岡に声をかけてもらって、選抜のメンバーが東に行くって言っていたので、最終的にラグビーにしました。選抜も選ばれなかったらラグビーも続けるつもりもなくて、きっかけとしてはそこが大きいなと思います」
――改めて明大を選んだ理由を教えてください。
「高校日本代表のメンバーがみんな明治に行くって言っていたからです(笑)。最初は筑波に行きたいって人が多くて、僕も筑波行きたいって思っていました。理由はただ一人暮らしできるからという理由です。ただ実際それ大変じゃないですか。そういうことを藤田雄一郎監督(東福岡高校)からも言われて、明治にみんな行くという話を聞いて、最後は早稲田と明治で迷いました。その時に早稲田もこれから強くなるところで、明治はFWとして強い文化があるところで『ここから作り上げていく早稲田のチームにいるよりは、お前は揉まれていくのがいい』と藤田監督に言われて、明治にしました。本当に明治でよかったです」
――自分はどういう選手だと思いますか。
「枠にとらわれないじゃないですけど、自分にしかできないアイデアが結構あると思うので、そういうところを大事にしたいです。ポジション箸本みたいな感じを目指しています(笑)」
――ポジションが変わっていかがですか。
「難しいです。ラインアウトからとか、自分がボールを最初にもらう機会があるじゃないですか。昨年とかは坂(和樹・令2政経卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス所属)さんがキャリーをして、どこか穴が空いたところに自分がいく。それを見てどこに行こうかと考えていましたけど、エイトは初めにボールをもらうし、誰かが崩したところを見つけにいくよりは、自分が崩しにいくというポジションです。最初は楽しそうだなって思っていましたが、自分が崩しにいくところがあり、難しさを感じています。一試合一試合で良くなっていると思います。試合が少ないので試合観というのもあると思いますけど、パフォーマンスは良くなってきているかと思います」
――有観客試合と無観客試合の違いは感じますか。
「この前スタジアム(筑波大戦)でやったというのもありますし、お客さんがいると頑張ろうと思えるし、気持ちがつくりやすいです。決勝はできるなら国立でやりたいですけど、個人的には秩父宮も好きなので、どちらでもうれしいです」
――4年生の印象を教えてください。
「個性という感じです。個性が豊かで、元気がいいし、いろいろな人がいます。そういう中でメリハリがよくないところもあります。(最近特に仲がいいのは)猿田(湧・営4=秋田工)とか花村(海斗・法4=名古屋)とかです。月曜日に結構猿田とご飯に行きます。月曜日は3駅分移動していいので、いろいろ開拓したりしています。4年生になってたくさん見つけました。こんなところあったのかみたいな感じです。1年生の時とか遊びに行っていたので、逆に八幡山はほとんどいなかったです(笑)」
――リーダーの選手の印象を教えてください。
「片倉(康瑛・法4=明大中野)はラグビー的に言えば、絶対にいなきゃいけない存在です。明治のセットプレーからのアタックを起点にすることが多いので、全てのラインアウトを取れないと意味がないので、そこを引っ張ってくれる片倉がいるのは本当に明治として大事です。森(勇登・政経4=東福岡)は周りにあんまり発信するタイプではないですけど、BKのコントロール、立ち位置とか含めてうまくコントロールしてくれていると思います」
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