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(14)広陵高OB対談 佐野悠太✕喜多真吾【後編】

硬式野球 2018.08.11

 夏の甲子園100回記念特別企画。第7弾は、佐野悠太外野手(商4=広陵)と喜多真吾内野手(法3=広陵)の〝広陵対談〟をお送りします。夏は4度の決勝戦進出を数える名門校出身のお二人に、甲子園への思いと在学当時の思い出を語っていただきました(この取材は7月29日に行ったものです)。


前編はこちら


――近くで見て、対戦して衝撃を受けた選手はいましたか

佐野(以下、佐):自分は2年生の時に瀬戸内高校の山岡選手(泰輔・オリックス・バファローズ)と対戦したんですけど、スライダーがすごくて今まで見たことなくて。1打席目にヒットを打ったんですけど、その後からはずっとスライダーで3三振してレベルが違う感じを受けました。

喜多(以下、喜):自分は佐野悠太さんです(笑)。チャンスで回ってきたら確実に打っていたので。

佐:高校の時はですよ(笑)。自分は今季0打点だったので後輩からもアドバイスをもらいながらやっていかないといけないと思っています。


――お二人の仲の良さは高校時代からでしょうか。

喜:バスはいつも横でした。

佐:バスの中でお互いの手をマッサージし合っていました(笑)。試合が終わった後にバスで隣になって、手をパッて出したらしてくれて。もうルーティンのような感じでした。今年も(県大会)決勝だけ2人で一緒に携帯のライブ中継で見ていました。やっぱり自分のことのようにうれしかったです。


――中井哲之監督について印象に残っていることはありますか。

喜:(喜多選手にとって最後の試合、県大会準決勝で)9回に「男の生きざまを見せろ」と言われました。

佐:細かいことは言わないですね。一言で選手全員の気持ちを変えてくれる人なので。俺らの代でもあったよな、何回か。

喜:「やってきたことと違うから、信じてやれ」みたいな感じでした。

佐:負けてるときにたまに一言だけそういう言葉をくれるんですよ。自分たちも言われた回に逆転したりとかする感じで。言葉に力がある、すごい人だと思います。


――中井監督は〝男らしさ〟という言葉をよく口にされると伺いました。

佐:「男らしくあれ」というのはずっと言われていて。中井先生が真っすぐな方なので、それに付いていこうという感じです。普通は監督さんだったら技術の指導が多いんですけど、技術面は教わらずに自分で考えてやれというスタイルなので、そこは他と違うかなと思います。


――色紙には〝ありがとう〟と書かれましたが、これも広陵高にまつわるものでしょうか。

佐:広陵は何を言われても「ありがとう」と返します。「もっとしっかりしろ」と怒られた時も、普通は「すみません」と言うと思いますが、自分たちは「ありがとうございます」と言います。それは中井先生が「君のために注意したのだから、すみませんじゃなくてありがとうございます」じゃないのか、というふうに言っていて、その通りだなと思って。「ありがとう」というのは広陵の選手みんなが大事にしている言葉です。


――お忙しい中、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました。


[三ツ橋和希]


前編はこちら


◆佐野 悠太(さの・ゆうた)〈写真右〉 商4、広陵、171センチ・75キロ、 右投左打、外野手

 春夏通算2度甲子園に出場し、最高成績は高校3年次夏の1回戦。兄は佐野恵太選手(平29商卒・現横浜DeNAベイスターズ)。かつてから喜多の憧れの選手として名前を挙げられていた佐野。そのことを取材時に伺うと「今初めて聞きました(笑)」と一言。後輩からの熱視線には気付いていなかったようだ。


◆喜多 真吾(きた・しんご)〈写真右〉 法3、広陵、182センチ・88キロ 右投左打。内野手

 高校2年次にレギュラーとして甲子園出場。高校3年次は主将を務めた。高校入学前から「大型のショートが入ってくる」という評判がチーム内で流れていたという喜多。だが、実際に会った佐野からの第一印象は「かわいいフェース」。大きな体以上に、その愛くるしい笑顔が印象的だったという。


 お二人の母校・広陵高は8月12日(月)に二松学舎大付高との初戦を迎えます。熱戦にご注目ください。


 次回の夏の甲子園100回記念特別企画は最終回、高瀬雄大内野手(営4=長崎西)と村上貴哉内野手(法4=松山東)の公立高OB対談です。お楽しみに。


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