【硬式野球】(66)野中蓮珠 常に学び、常に挑む

2026.09.27

 今年度の推薦入学者のうち、唯一の外野手、野中蓮珠外野手(法1=横浜)。高校時代の最後の夏には、甲子園のベンチメンバーから外される悔しさを味わった。誰よりも強いハングリー精神を持つ野中は「また挫折してでもいいから」と憧れのユニホームに袖を通し、新たな挑戦に身を投じる。

紫紺に目を奪われて
 「勝ちに貪欲になれない人間は多い」。野中が明大への進学を志したのは、中学時代に見た明大野球部の試合がきっかけだった。当時の野中の心を動かしたのは、明大野球部員一人一人の勝利への姿勢にある。「大学になると個人の成績が重要になる中で、熱く、貪欲に勝利を求めている姿を見て、ここで野球がしたいと思った」と明大野球部員一人一人の勝利への姿勢に心を動かされた。その思いは、高校を選ぶにあたって、明大への進学者が多い横浜高校への進学につながった。

挫折とケガの3年間
 しかし、横浜高へ進学した野中を待っていたのは順風満帆な道ではなかった。相次ぐケガや不調に幾度も道を阻まれ、思うように結果を残せない日々が続いた。最後の夏、県大会では背番号を背負って闘ったものの、打撃不振から甲子園ではベンチメンバー外に。「実力不足だし、失敗を恐れず積極的にプレーすることができなかった」と悔しさをにじませて振り返った。それでも野中を支えたのは、副主将という立場だった。多くの挫折に見舞われながらも「副主将の自分はここで折れてはいけな い」という思いから、グラウンドや寮生活において、仲間たちに活を入れ続けた。思うようにいかない経験の数々は、野中にとって決して無駄ではなかった。

それでも夢の舞台へ
 高校3年時の春、明大スカウトが練習を見に訪れた。野球推薦ではなく学業推薦で横浜高に入学し、文武両道を実現してきた野中。精鋭揃いの横浜高の中で4番を任された経験も持つなど、着実に実力を伸ばしてきた。「春まで実績も少なく、引退後は他大学への進学も考えていた」と振り返るが、その姿勢と実力が評価され、推薦入学者として明大に迎えられることとなった。憧れ続けた舞台への切符を手に入れた一方、果たして自分が大学で通用するのか、という葛藤もあった。それでも最後に背中を押したのは、挑戦への強い思いだった。それから1年がたち、中学から憧れ続けた明大へ入学してからの日々について「野球も学業も、毎日が刺激的だ」と語った。大学野球の高いレベルを前にして、常に「自分が一番下」という意識を持ち、先輩や仲間から教わったことを吸収する。高校時代の挫折を経た今だからこそ、現状に満足せず、貪欲に成長を求める姿勢がある。「気持ちでは負けない」と強く口にした。新たな舞台で挑戦を続ける野中の、さらなる飛躍に期待したい。

[大塚あみ]

◆野中 蓮珠(のなか・れんじゅ)法1、横浜高、172センチ、79キロ、右投げ左打ち、外野手。実家には2匹のトイプードルがおり、帰省の度に癒されている。