【硬式野球】(65)渡邉颯人 築いた土台、その先へ

2026.09.26

 渡邉颯人投手(商1=智辯和歌山)は、名門・智辯和歌山高時代に野手から投手に転向し甲子園では2年時からチームのエースとして活躍。自分の性格を一言で表すなら「負けず嫌い」と語り、甲子園では勝ちに対する執念を胸に大活躍。U―18日本代表候補にも選ばれた実力で六大学での活躍、さらにはプロ野球選手を目指して日々練習を続ける。

憧れの舞台で
 主に野手として試合に出場していたものの、中学3年時に本格的に投手として活躍し始め、U―15日本代表に選出されるなど実績を残した。高校1年時の冬、プロ野球選手になるという夢に少しでも近づくため正式に投手に転向した。2年時で初めて甲子園のマウンドに立つも2回戦敗退。しかし「責任感が一番強くなった」と語り、甲子園の経験を次に生かすべく前を向いた。3年時の選抜ではエースとして出場。1回戦では千葉黎明高と対戦し、球数を100に抑え、完封勝利した。エナジックスポーツ高には4点を許したものの、広島商高、浦和実高には無失点で勝利し、順調に決勝まで駒を進めた。決勝の舞台では横浜高と対戦。この対戦は、くしくも中学からの幼馴染の為永皓内野手(情コミ1=横浜)との直接対決となった。為永から2点適時打を放たれた当時を振り返り「一番仲がいいので打たれたくなかった」。全試合で先発を任され、防御率1・35とチームに大きく貢献したものの、準優勝という結果で幕を閉じた。

強さの裏には
 智辯和歌山高を選んだ理由の一つは渡邉颯自身が大切にしている〝人間性〟。「学校生活や普段の寮生活は全部野球につながっている」という考えや少人数で野球の指導を受けたいという思いから進学を決めた。3年間を振り返り「いろんな人が家族以上に自分のことをサポートしてくれた」と話した渡邉颯。寮生活や家族の支えが原動力となり、自分のための野球から人のための野球をしようと気持ちの変化があった。そうした思いを忘れずに、辛いときは支えてくれる人のことを考えて乗り越えた。
 高校3年間を一言で表すなら〝土台〟だという。野球の技術面はもちろん、取り組み方や人間的な部分での成長を感じ、その経験が今の渡邉颯の土台になっている。

未来への目標
 六大学野球での目標は先発投手になり、最優秀防御率を取ること。現在はスピードだけではなく持ち前の変化球や制御力も鍛えている。明大に来てから成長したことは「ここではみんな投げる前のケアの仕方を大事にしている」と、アップの取り組み方を挙げた。目標の選手は松本直投手(情コミ4=鎌倉学園)。「マウンドに立ってチームを背負って投げている姿がかっこいい」と尊敬する気持ちを素直に語る。高校時代に培った〝土台〟の上にこれから明大で活躍を重ねていく。その先のプロ野球選手という夢のために、日々成長を遂げる右腕から目が離せない。

[岡田舞桜]

◆渡邉 颯人(わたなべ・はやと)商1、神奈川県出身、智辯和歌山高。180センチ・88キロ、右投げ右打ち、投手。5人兄弟の長男。為永とは中学からの幼馴染。