(58)東大戦事前インタビュー① 杉浦海大主将、中山太陽内野手、秋元諒内野手

2025.09.19

(この取材は8月28日に行われました)

杉浦海大主将
――昨季を振り返っていかがですか。
 「0勝だったんですけど、2年生の新しい戦力が実践を積んでくれたので。東大って、僕は(試合に)出てとても思ったんですけど、神宮のリーグ戦で経験するのってすごく大事だと思っていて。他の大学は甲子園などで経験してきた選手だから、経験よりは自力が大切だと思うんですけど、僕らはあのレベルで試合できることあまりないので。そういう意味では下級生が経験積んでくれたのは秋に繋がるのかなと思っているので、0勝という結果は良くないんですけど、そういう意味では収穫のあったシーズンだったと思います」

――昨季の投手陣はどのように感じましたか。
 「渡辺(向輝投手)自体は僕の想定では研究されたり、球が見慣れてもう少し打たれてしまうんじゃないかなと思っていたんですけど、よくやってくれたかなと思っています。2戦目で去年抜けた鈴木太陽さんの穴を埋めるピッチャーは出てきませんでした。でも出てこなかったからこそ、松本(慎之介投手)、高橋(直人投手)、佐伯(豪栄投手)だったりが経験を積んだので、そこは野手の話と一緒で、秋にこの経験がつながるといいなと思っています」

――夏にチームで取り組んでいることはありますか。
 「結構抽象的な話なんですけど、バッティングでも守備でもピッチングでも、一球をもっと大切にしようと言ってやっています。やはり神宮は一球甘いボールを逃したら、一球エラーしたら、もう勝ち試合を逃してしまうんですよね。そこの自覚が甘いから普段のオープン戦から少し軽率なプレーや入り込めてないプレーがあって、そのワンプレーワンプレーに入り込めてないなというのは感じたのでそこを強く訴えて、合宿でも一球を大切にしろと本当にうるさいくらいずっと言っています」

――他の選手があと一歩及ばない試合が多いとおっしゃっていましたが、その点についてどう考えていますか。
 「例えば、チャンスで一本が出ないと監督がよく言うんですけど、チャンスで一本が出ないってよく考えれば当たり前だと思います。だって向こうはピンチだから全力で抑えに来るし、大事な場面だと誰が見ても分かるし。そういう場面で打つことはやはり難しいと思うんですよね。だからそこではなくて、そもそもチャンス少なかったんじゃないの、その前に送りバント決められなかったんじゃないの、エンドラン決められなかったんじゃないの、みたいな。その積み重ねがチャンスで一本出ないというふうに見えているだけだと思うので、そこの積み重ねを疎かにしないように、それこそワンプレー、ワンプレーを冷静に見ていくことが大事かなとは思います」

――六大学オールスターゲームでは、明大の選手と交流されましたか。
 「そうですね、圭一(木本圭一主将・政経4=桐蔭学園)は主将なので関わりがあって、キャッチボールもしました。宮田くん(宮田知弥内野手・商4=横浜)がエラーした時にはヤジったりして、本当に距離が近かったです。キャッチャーなので、明治の選手がどういう性格しているかを神宮で配球を組むときに、参考になるのでそういう視点も少しありながら関わっていました。楽しかったです」

――明大へどのような印象を持っていますか。
 「守りのチームだと思っていたんですけど、どちらかといえば打のチームなのかなと思いました。榊原(七斗外野手・情コミ3=報徳学園)、田上(田上夏衣外野手・商2=広陵)、木本もいるし。ただ、逆にピッチャーは明治にしては例年より枚数はいないので、毛利(毛利海大投手・情コミ4=福岡大大濠)を崩せばワンチャンスあるぞというふうには、東大だけではなくて他も思っているかなと思います。なんとか打ち合いで、意外と5―4とかそのくらい。勝つならそのくらいなのかもしれないなと思いました」

――明大で注目している選手はいますか。
 「春は田上を挙げていたと思うんですけど。やはりあの1、2番コンビになるんですけど、榊原ですかね。オールスターで見ていても、やはりなんか違うなと思ったので。プロ行くんだろうし、ジャパンにも入っているし、そういう選手が1番にいるので、負けてはいけない。彼の異常なバッティングを崩していくかというところが東大の腕の見せどころだと思うので。能力を持った榊原が自分のバッティングができないように頑張りたいです」

――明大戦への意気込みをお願いします。
 「僕らにとって2戦目ですけど、明治にとっては最初のカードという、春と同じ状況で。明治のピッチャー陣は少し不安というところを、初回からついていけばワンチャンスあるかなと思うので。春は正直明治から1勝できればと思ったんですけど、ピッチャー陣が不安なことを考えると、明治からも勝ち点を狙っていいんだなというふうには思ったので、そこは春とは違って勝ちというよりは、勝ち点まで明治に対して狙っていきたいなと思います」

――今シーズンの意気込みと目標をお願いします。
 「大学野球ラストなのでベストナインを。個人としてはベストナインを一回も取ってないので、それこそライバルは小島くん(小島大河・政経4=東海大相模)になると思うので、負けないようにベストナインを最後はもらうことです。チームとしては勝ち点をあげられるような、あげられなかったらもう何も残らないくらいの覚悟でずっと練習をしてきたので、できることは全てやって勝ち点を獲得していければと思います」

――ありがとうございました。

中山太陽内野手
――昨季を振り返っていかがですか。
 「個人としては去年の冬に肩の手術をして、復帰できるかなという状態からスタートだったんですけど、なんとかいろいろな方の力を借りて、リーグ戦の開幕に間に合うことができて。個人成績としても去年の秋、ベストナイン獲った時以上の打率を残せたりというのがあって、それは一つ良かったなというところです。やはりチームはなかなか勝てない状況が続いて、全敗に終わってしまって。その中でも先制点を取れる試合がかなり少なかったので、自分も上位打線に出してもらっていましたし、そこの責任は感じたシーズンでした」

――昨季は一塁手としてベストナインを獲得されましたが、それについてどう感じていますか。
 「まずは試合に出させてもらえるだけありがたいという形からのスタートだったので、獲れるとも思ってなかったです。結果として、そういう賞がついてきたということはすごく自分も自信になりますし、いろいろな人が喜んでくれたのでそこは良かったかなと思います」

――夏にチームとして取り組んでいることはありますか。
 「個人としては、チームの打撃力というところで他のチームの試合展開を見ていても、長打がないとやはり点に結びつきづらいなというのは感じていて。実際、データにもそういうのは現れていて。なので、自分はチームではそういう長打を求められるようなポジションというか、そういった形で引っ張っていかないといけない立場なので、春は率は残っていたんですけど、結構単打が多かったので、春終わってからは長打を増やすために、打球角度を上げるということに取り組んで、自分でフォームを改善していったりとか、そういうのを測る機会もあるので、測ったものを逐一確認しながら自分で修正していってみたいなことを2カ月間繰り返していました」

――結果に結びついてきている感覚はありますか。
 「自分のタイプとしては打球速度やスイングスピードが速くて、野手の間を抜くライナーが多いというところがあって、そこの持ち味みたいのは崩したくないなというふうに思いつつも、そういう長打を増やしたいなというところで、春リーグが終わった直後はなかなか自分の体に馴染まないところもあって、結果が伴ってこないところもあったんですけど、そこはもともとあった自分の形と新たに求めていく形の上手い塩梅を探りながら、今だんだんその調子が上向いて来ているなというような感じです」

――明大へどのような印象を持っていますか。
 「本当に選手層が厚くて、誰が出てきてもいいピッチャーだし、誰が出てきても打ちそうだし、一球も気を抜けないような相手です。でも、自分たちがそういった選手相手に戦って勝つには、やはり試合展開を優位に進めていってロースコアで勝つということが必要で。そういう試合展開になることを想定しながら、普段の練習試合もそういう戦い方をしようというのはずっと言ってきているので、そういった形で勝ちたいなと思います」

――明大で注目している選手はいますか。
 「ピッチャーだと、松本くん(松本直投手・情コミ3=鎌倉学園)。去年の春に打席に立ったんですけど、すごいなこのピッチャーと感じて。もうストレートの質もめっちゃ良かったですし、変化球もキレがあって、それで三振してしまいました。純粋にめちゃくちゃいいピッチャーだなと思うのとリベンジしたいなという思いがあるので、松本くんですかね」

――明大戦への意気込みをお願いします。
 「試合に勝つとしたら、やはり前半はロースコアで進んでいって終盤に勝負ということになると思うので、そこに向けてどんな相手でもしっかり勝てる準備を、試合始まる前からの準備というところをしっかりやって、一番いい形で試合に入りたいなというふうに思います」

――今季への意気込みをお願いします。
 「去年の秋、春と成績を残すことができて、自分の自信になった部分もありますけど、やはり自分が一番喜びを感じられるところはチームが勝って勝ち点取るというところなので、そこに向けて自分のできることを、それはヒットを打つことだけではないと思いますし、そういったところでどんな形でもチームに貢献して、最終的に絶対勝ち点を取るというところを目標にやっていきます」

――ありがとうございました。

秋元諒内野手
――ご自身の強みと課題を教えてください。
 「強みとしては、東大の中では結構走攻守揃っているところが強みで、バッティングで言ったら、フルスイング、力強い打撃になるかなと思っています。弱みは、ミートというか、打率ですかね。春は全然だったので、一番課題だなと感じています」

――昨季、リーグ戦初出場を果たしましたが、リーグ戦の雰囲気はどのように感じましたか。
 「意外と自分の中では普段の試合と同じようになるかなと思っていたんですけど、やはり応援とか普段とは違う雰囲気で。この中で勝ちたいなと思いました」

――チームはどのような雰囲気ですか。
 「春は1勝もできなかったので、まずは勝たないといけない。今日の試合もそうでしたけど、接戦はするけどまだ勝ち切れないところがあります。でもなかなか大敗はしなくなったので、そこはいい傾向だなと思ってここからなんとか勝ち切れるようにしたいです」

――六大学オールスターゲームを振り返っていかがですか。
 「いろいろな他大学のレベルの高い選手を交流することができるいい機会だなと思いました。やはりレベルが高いなと思いました」

――明大で印象的な投手はいますか。
 「正直、春を経験してすごいなと思ったのは大川さん(大川慈英投手・国際4=常総学院)。まっすぐがとても伸びるしとても速いですね。あと、毛利さんも思っていたより伸びて、真っ直ぐが強いなと。そこをなんとか打ちたいですね」

――他に注目している選手はいらっしゃいますか。
 「オールスターで話した同級生の田上くんはすごく打っているし、負けられないですね」

――明大戦への意気込みをお願いします。
 「春は、本当に打てなくて負けたんですけど、1回戦は結構接戦だったのでそこでなんとか1点、2点を取って勝って、2回戦、3回戦で勝ち点のチャンスをもらえるように頑張ります」

――ありがとうございました。

[野原千聖]