
(6)シーズン直前インタビュー 山﨑舞美

いよいよ本格的なシーズンが始まる。明大の新戦力として氷上に立つ選手もいれば、今季で現役生活に区切りをつける選手もいる。4年に一度の五輪シーズンを迎え、リンクにはいつにも増して緊張感が漂う。新しいシーズンを前に、彼らは何を思うのか。本インタビューでは、その胸の内をお届けする。
(この取材は9月11日に行われたものです)
第4回は山﨑舞美(商2=釧路湖陵)のインタビューです。
――現在の練習量はどのくらいでしょうか。
「5月から7月はホームリンクが補修工事で違うリンクで練習をしていました。違うリンクで練習していた時は、今自分が入るのを待っているクラスに参加させてもらうことができて、今までの倍以上の練習量で練習をしていたんですけど、その後、神宮のホームリンクの工事が終わってからは(練習量は)元に戻りました。でも、朝練が少し増えたという感じです」
――最近の調子はいかがですか。
「最近は良くはないんですけど、確実に昨シーズンよりはジャンプの(成功)確率が上がったり、調子が戻ってきているかなと」
――8月に行われた東京夏季大会を振り返っていかがですか。
「自分の体調やコンディションはあまり良くなかったので、ギリギリまで棄権することも考えていました。正直、FS(フリースケーティング)に通過できるとは思っていなかったので、コンディションは良くないんですけど、とりあえず頑張ってみようと思って棄権をせずに試合に臨んで、でも本番は想像以上に上手くできてしまって、フリーへ通過することができました。トータルで見た時に点数も昨シーズンよりは全然高くて、自分の中では高校3年生の頃くらいの点数が戻ってきた感じだったので、東京選手権の前に収穫が大きい試合だったなというふうに思います」
――だんだんと以前の調子を取り戻しているような感じでしょうか。
「そうですね。少しずつ。まだ完全に戻ってきた感じではないんですけど、少しずつ確実に去年よりは良くなっていて、高校3年生の頃の調子に少しずつは戻ってきていると実感しています」
――昨シーズンを振り返っていかがですか。
「やはり不完全燃焼という感じですね。東京選手権の前にケガをして頑張りきれなかったのがすごく悔しかったので、今はケアとかをすごくしっかりするようにしているんですけど、昨シーズンはそういう意味で本当に不完全燃焼だったなという感じですね」
――現在のケガの状態はいかがですか。
「たまにちょっと痛いなと思う瞬間はあるんですけど、ほとんど治っている感じです」
――今季のプログラムはどのようなプログラムですか。
「SP(ショートプログラム)は今シーズン新しくしました。フリープログラムは昨シーズンの継続なんですけど、ショートプログラムの方は、夏季とその前の有志大会(関東学生有志大会)で点数の感じがなんとなく分かったんですけど、感覚的には結構踊る振り付けで、踊るようなプログラムです。まだ自分的には踊りこなせてない状態ではあるんですけど、それでも昨シーズンのプログラムよりは点数が出ていたので、もっとこれから踊りこなせていけば自分に合ったプログラムになっていくかなというふうに思っていて。フリーの方はもう継続なので、少しずつもっと踊りこなせるようにしていきたいなというふうに思っています」
――山崎選手は魅せるということに重点を置いていると以前おっしゃられていたと思うのですが、そのような魅力が生かされているようなプログラムになっているのでしょうか。
「実際は本当に全然踊りこなせていないですけど、自分がやりたいスケートにすごく近いプログラムになっているかなと思います」
――SPの衣装はどのような衣装になっていますか。
「真っ赤な衣装で、首元はネックレスみたいな感じで、すごく鮮やかな赤です。振りも情熱的な感じの衣装になっていると思います(今回もデザインはご自身でされたんですか)はい」
――こだわりのポイントはありますか。
「スカートが片方が長くなっていて、あとはスカートの裾の部分がちょっとふりふりみたいな感じになっていて、可愛らしさもありつつ大人っぽい感じのスカートになっているかなと思います」
――プログラムの中で一番重視している点はどのような点ですか。
「プログラムでシーズン中にすごく実感したのが、トリプルジャンプが決まるか決まらないかっていうのはすごく結果に大きく響くところだなということを実感したので、ショートもフリーも1本目にトリプルサルコーが入っていて、1本目のジャンプがショートもフリーも決まるかというところだと思います」
――新しいプログラムが点数が伸びやすいと感じる要因はどのような点にあると思いますか。
「自分のスケートというか自分の長身を生かした、自分の良さが出るプログラムなのかなというふうに思っています。自分ではまだ踊れてないという感覚の方が強いのに対して、意外と点数が出ているってことは、現状でももう良く見えているということで。もっと踊りこなせば点数がもっと伸びるなと思っていて、最初の時点から自分の良さが去年以上に出やすいのかなと思っています」
――オフの期間、練習で取り組んだことはありますか。
「オフの期間はもちろんトリプルサルコーとトリプルトーループの練習はたくさんやったんですけど、やはり先のことも考えてその2種類だけではなくトリプルループとトリプルフリップの練習量も増やしました」
――現状はいかがですか。
「それこそ、5月から7月の練習日が特に増えていた時期は、トリプルループもトリプルフリップもすごく確率が上がって、たくさん跳べていて。なんなら高3の時よりも跳べているんじゃないかというぐらい調子が上がっていたんですけど、ホームリンクに戻って練習量が少し減って、サルコーとトーループの練習時間でちょっと精一杯になってしまってからは練習しないことが増えてしまったりして、また跳べない状態にはなってしまいました」
――大学生活はいかがですか。
「春は勉強の方も頑張って、単位がしっかり取れていたので秋の大会が何個か始まってくると思うんですけど、うまく時間の使い方を効率よく頑張って秋もフル単目指して頑張りたいなと思っています」
――明大の合宿はどのような雰囲気でしたか。
「すごく楽しい合宿で、やはり普段違うリンクでしている部員がみんな集まるということは、本当に合宿ぐらいです。やはりレベルの高い選手の練習やプログラムを見る機会でもあるし、男の子たちは大会だとスケジュールが詰まっていて見れないことも多かったんですけど、男の子たちの練習を見てすごくやる気が出るというか、刺激的な感じでした」
――どのようなスケジュールでしたか。
「男子と女子の練習の枠が分けられていて。今年はすごく人数がいつも以上に多かったみたいで、一般の入試で入ってきた選手が増えていたので、男女で分けて1日に2回練習がある感じでした。3泊4日で、陸トレが1回あったかな。氷上練習は最初から最後まで各自のペースで曲をかけて、プログラムの練習をするのは毎回順番でずっと永遠にかけているという感じの練習メニューでした」
――収穫はありましたか。
「2日目の夜に、すごく強い打撲というか転倒してしまった時に左足を打撲してしまって。3日目と最終日の4日目はほとんど何もできなくて。本当は合宿での目標もあったんですけど、中盤でそうなってしまったので、自分的には収穫もほぼない感じなんですけど、みんなの練習している姿とか上手い選手のプログラムを見て学んだことはたくさんあります」
――東京選手権への意気込みをお願いします。
「今年はなにがなんでも東日本選手権に出場することが目標なので、まずはショートプログラムから気を抜かずフリーに進出できるように、トリプルジャンプを確実に決めて、フリーでもトリプルを決めて。ジャンプだけではなくて見せる部分も意識して、今ある最大限のスケートをできたらいいなというふうに思っています」
――東日本選手権に出場できる自信はありますか。
「夏季(東京夏季大会)の前の試合、有志大会(関東学生有志大会)が本当にボロボロだったので。ボロボロだった試合と上手くいった試合の2戦が今の結果なんですけど、まだ自信を持ち取れてないというところが現状です。練習も良くないので。でも、一回でも夏季でうまくいったという経験を忘れないように、そちらのイメージを強く持って試合を臨みたいなというふうに思っていて。やはり不安を多すぎてもうまくいかないと思うので、自分だったらいけるというふうに思いながら臨めたらいいなと思います」
――最後に、今シーズンへの意気込みをお願いします。
「今シーズンはやはり昨シーズンのような不完全燃焼ではなくて本当に燃え尽きるまで、今できる環境の中で自分がシーズン終わりに頑張ったって燃え尽きるぐらい、とことん頑張りたいなと思っています」
――ありがとうございました。
[野原千聖]
※写真は本人提供
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