
(24)前半戦 選手コメント①/東京六大学春季リーグ戦

(この取材は5月3~8日、電話にて行われました)
木本圭一主将(政経4=桐蔭学園)
――東大2回戦では、2死満塁の好機で3点適時二塁打を放ちました。
「打席では簡単に追い込まれてしまって、その後3球ボールを見送ったのですが、自分の中では(低めの)ボール球を見逃せたことが、気持ち的にかなり大きかったと思っています。最後は真っすぐで来たのですが、それにもうまく反応することができたかなと思います。(1カード目としては幸先のいいスタートとなりました)元々それほど調子が良くないまま東京大学戦に入ったので、思ったよりも打てたというか、結果的にはいいヒットになったので楽な気持ちはありましたね」
――慶大2回戦からグローブを変更しました。どのような意図がありましたか。
「そうですね。気温が高い日はZETTのグローブ(寒色のツートン)を使いたくて。寒い日になるとこのグローブが少し硬くなってしまうのでオレンジのものを使いました。(ツートンカラーのイメージが強いです)そうですね。リーグ戦ではZETTを使っていて、練習試合でどっちも使ったりしています。(ポケットは)深めですね」
――渡辺和投手(慶大)から中堅手越えの二塁打を放ちました。振り返っていかがですか。
「あまり(左投手に対して)苦手意識がないので。打ったのは変化球なのですが、真っすぐに合わせながら対応していつも通りに打てたという感じですね。初めは結構(球が)来ていて、左バッターはスライダーを厄介に感じていそうだなというのは感じていました。自分は左(打者)よりはスライダーのキレも落ちるかなと感じたので、楽に打てましたね」
今井英寿内野手(政経4=松商学園)
――前半戦を振り返っていかがですか。
「まずチームとして、東大戦と慶應戦でしっかり勝ち点を取れたことは、内容はどうあれ一番いいことかなと思っていて、結局個人の内容が悪かったとしてもチームで勝てば優勝できるので、そこはチームとしては最高のスタートが切れたかなと思います。個人としては、オープン戦はだいぶ調子が良くて、リーグ戦でもそこまで(調子は)悪くはないのですが、個人的な結果だったり打率の数字だったりが結果として出なかったのが、やれることは全部やったからこそ悔しいです。(東大戦)2試合を通して見ると、同じポジションの吉田(匠吾・文4=浦和学院)が活躍していて、なかなか悔しい気持ちもありますけど、そのおかげで結構いい刺激になって、自分もやってやろうと根気良くできる動機になっているので、そこはやっていこうかなと(思います)。2試合通してだいぶ悔しいですね」
――打撃の感覚はいかがですか。
「そうですね。自分のスイングというのは東大戦ではできていたのですが、結果が出ないから『自分は不調なのではないか』と少しずつ勘違いしてしまって、消極的になってしまいました。オープン戦だったら結果というより、伸び伸びやっていたのですが、やはりリーグ戦になると大勢の人が見ていますし、簡単に三振もしてはいけない感じで、打席の中で少しだけ焦りがあったからかなと自分の中では反省していますね」
――4年生になって変わったことはございますか。
「4年生以外は勝ちたいというより、自分の結果を気にしていて、自分がまず試合に出て目立つことを気にしていると思うのですが、4年生になると本当に優勝したいという方にやっぱ観点が行く、そこが一番変わったポイントです。個人よりチームというのが、自分は初めて大学4年になって勝ちたいと本気で思いました。そして(戸塚俊美)監督が本当にすごくて。グラウンド整備とか、練習での審判とか、一試合立っているときついじゃないですか。バッティングピッチャーとして投げてくれたり、ノック打ったり、そんな監督全国どこ見ても絶対いないですよ。監督は足も少し悪いのにそうやってくれる、四冠に最もふさわしい監督だと思います。コーチの方も本当に人間力の塊です」
衛藤晃太内野手(営4=大分舞鶴)
――慶大2回戦では途中出場ながらも攻守にわたる躍動でチームに貢献しました。
「試合中はずっとベンチながらもいつ出てもいいように準備はしていたので、監督から『行くぞ』というふうに言われて、そこでさらに気持ちのスイッチが入りました。1戦目は個人的に本当に情けなかったですけど、最終的にチームが勝ちましたし、自分が落ち込んでいる場合ではないと思ったので、仲間たちや指導者の方に声をかけていただいたことによって、切り替えることができたと思います」
――12回表の打席では粘りを見せ死球を勝ち取ると、勝ち越し点につながる好走塁を披露しました。
「そこで点が入らないと勝ちは消えるという状態だったので、先頭打者としてなんとしても塁に出たいという気持ちで打席に入りました。その中でも最初から四球を奪いに行くのではなく、しっかり攻めた打席にしたいと思ったので、追い込まれても何とか食らいつくという感じで粘りました。走塁に関しては本当に1点が欲しい場面だったし、田上(夏衣外野手・商2=広陵)がうまく外野まで運んでくれたので、自分はもう(本塁に)かえるしかないという気持ちでスタートを切りました」
――打席でのベンチの盛り上がりも印象的でした。人望の厚さがうかがえますね。
「いやいやそんなことないですよ(笑)。自分は打席に集中していたので、正直あまりよく分かりませんでした。でも、本当に周りからそういう声を掛けてくださって、9回表の打席で四球を選んでベンチを見た時に想像以上に喜んでくれたので、すごくうれしかったです。これからもそういう、周りがわくわくするような打席を増やして、チームに貢献することができればと思います」
大川慈英投手(国際4=常総学院)
――慶大2回戦の8回裏から登板し、計5イニングを投げ切りました。
「これまでのリーグ戦で5イニングというのは投げたことがなかったので、そこ(5イニング)まで行くと思っていなかったというか。ペースを考えて投げられる場面ではなかったので、フルスロットルで投げました。5イニング目にも150キロ以上は投げられていたので、スタミナ面に関してはかなり自分の中で自信になったかなと思っています」
――フォームについて、やや左肩を打者に向けてから体重移動を主導するかたちに変化しています。
「フォームに『間』がなくて、去年の春、秋と打たれてしまったので、その『間』をできるだけ長くつくろうと思った結果、少しひねりを入れて、自分の中でリズムを一つつくるために入れました。(手応えはいかがですか)そうですね。自分の中でもそれが一つの基準になっているというか、駄目なときはすぐにそのタイミングが合わなくなってしまうので。一つの確認ポイントとしては役立っているかなと思います」
――常松選手(慶大)との対戦では、154キロの直球で空振り三振を奪いました。球質を評価する声も改めて上がっています。
「そうですね。質自体もそうなのですが、今回慶應に投げてしっかりと空振りが取れていたので、そういう面でも去年の秋から良くなっているところはあります。常松だったり、力のすごいバッターに力で押し負けなかったというのは収穫かなと思っています」
小島大河捕手(政経4=東海大相模)
――慶大3回戦の3点本塁打を振り返っていかがですか。
「なかなか結果が出てなかったので、そろそろ打ちたいなという気持ちがあったのと、それでも特に意識することなく全ての打席で強く振ることだけを意識してやっていたので、その強く振った結果がホームランにつながったのかなと思います。(右翼スタンドの中段手前まで飛びました)風もあったので打った瞬間行ったかなと思いました」
――前半戦の打撃を振り返っていかがですか。
「数字的には低いですけど、感覚的には悪くはなくて、そこまで自分も気にしていなかったので、今までと変わらず自分のスイングができればいいかなと思っています。(徹底して外角を攻められています)どこにきても対応できるように練習はしてきたので、外だからとかインコースだからとかあまり意識せずに、ストライクに来たボールを振っていくことだけを考えてやるようにしています」
――盗塁阻止率はここまでの試合で6割を記録しています。
「昨年の秋終わってから二塁送球は一つの課題としてこの冬取り組んできたので、その成果が出ているのかなと思いますし、さまざまなステップの練習であったり、握り替えの練習はしてきたので、その成果として結果が出てくれて良かったかなと思います。(オープン戦からずっといい)右足のステップを非常に意識してやっていて、簡単に言うと、投げる方向に足を真っすぐ出すことで、冬に練習してきた成果かなというふうに思っています」
髙須大雅投手(法4=静岡)
――前半戦を振り返っていかがでしたか。
「自分の持ち味は真っすぐでどんどん勝負していけることだと思っているのですが、それで勝負できなくなったことによって、苦しい投球になりました。ストレートが狙われているというか、打たれている状況だったので、小島と話しながら、変化球中心でかわすというか、自分の理想ではなかったですけど、現段階で一番抑えられる投球スタイルを選択できたかなと思っています」
――昨年からフォームが少し変わったように感じます。
「そうですね。まだ完成形ではないというか、自分の思った通りにできていないなというふうに思っているので、もっともっと良くなると思っています。本当はリーグ戦の最初から万全な状態で行きたかったんですけど、まずは痛みなくというか、そういう状態で投げられているので、残りの3カードでしっかり自分の実力が出せるように準備はしたいと思っています」
――後半戦への意気込みをお願いします。
「これからは1点差の勝負などが多くなってくると思うので、自分は100パーセントに近い状態で試合をつくって、相手を0点に抑えるような投球ができればと思います」
宮田知弥内野手(商4=横浜)
――慶大3回戦を振り返っていかがですか。
「外丸くん(慶大)とは何度も対戦しているので、なんとなく攻め方とか、ボールの見え方とかもイメージはあったので、うまく打てたかなと思いますね。2本目の(三塁打を打った)ピッチャーは初対戦で、あまりデータもなかったですけど、前に立ったバッターにいろいろ聞いて『ホームランになってくれ』と思って走っていましたけど運がなかったですね。感触は良かったです。少しライナー気味だったのでどうかと思っていたのですが、まさかあんなところ(フェンスの最上部)に当たるとは(思いませんでした)」
――守備で気を付けていることはございますか。
「ピッチャーって孤独だと思うので、何かあったらなるべく近寄って声を掛けることは気を付けていますし、今ショートで下級生の子(磯圭太内野手・情コミ2=作新学院)とかが出ているので、自分も結構自分のことで精一杯ですけど、そういう経験の浅い子が出るときはなるべく声を掛けて、確認事項をしっかり確認してプレーに入るようにはしています」
――宮田選手にとって神宮球場はどのような場所ですか。
「そうですね、1年前から(試合に)出てはいますけど、タイトルもまだ取っていませんし、1シーズンしっかり戦ったシーズンがあまりないので、何とか4年目で貢献できればなとは思っていますし、神宮球場は応援もあって、普段以上の力が出る場所ではないかなとは思いますね。(プレー中に応援は聞こえますか)めちゃくちゃ聞こえますよ。でも打席に入っている時は結構集中しているのか、聞こえなくなるときもありますけど、そういうときは大体打てますね」
――ありがとうございました。
[硬式野球部担当一同]
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