
(12) 春季リーグ戦開幕前インタビュー 菱川一輝投手

(この取材は3月15日に行われました)
菱川一輝投手(文4=花巻東)
――昨年を振り返っていかがですか。
「自分としても分岐点になる年だったんじゃないかなと思います。野球人生で一番『負けたくない』と思ったシーズンだったからです。試合も割と投げられて、やっと少しはチームに貢献できたんじゃないかなと思います」
――振り返って見つかった課題などはございますか。
「僕自身、長いイニング投げられないというか、短いイニングで任されることが多かったので、それを変えたいという思いがあります。今年はすごい球数も投げてますし、(オープン戦では)ちょくちょく先発もやらせていただいてるので、そこで結果を出して、同級生もいい選手が多い中でチーム内競争を勝ち抜けるように。今の第1目標みたいなのは、やっぱ先発したいなと思うので、この冬は球数を投げてきました」
――希望は先発なのでしょうか。
「そうですね、希望は(笑)。長いイニング関わりたいという思いです。やはりどうしても先発ピッチャーが試合の大部分を握ると思うのでそこに関わってたいみたいな思いがあります」
――持ち球について教えてください。
「ストレート、スライダー、カーブ、カットボール、フォークです。試合では一通り使っていて、去年は7割くらいがストレート、変化球はスライダーが多かったです。ストレートはもうど真ん中に投げても打たれないと思いながら去年は投げてました。対策されてきたらやはり違うと思うのですが、その時に去年以上のものを出せたらなと思っていますし、あと変化球でいうと、やはりスライダーに頼ることが多かったのでスライダーに続く自信のあるボールを見つけることが今の課題かなと思います」
――ストレートの理想像はございますか。
「昨年はトラックマン(弾道測定機器)のデータだと平均球速が149キロぐらいだったんですよ。それは1イニングで思い切り『おりゃおりゃ』と投げているので出てもおかしくないのかなと思うんですけど、先発でもそのくらい行きたいという思いがあります。球速にこだわっていきたいし、それを求めることで空振りだったりファウルだったりが取れていくのかなと思います。僕の中ではあまり力まずに速い球が投げられるというのが理想なので、そこをやっぱストレートで求めて行きたいなと思っています」
――参考にしている投手はいらっしゃいますか。
「参考にしている人はいないですね。ただ、僕は菊池雄星さん(ロサンゼルス・エンゼルス)が好きで、野球始めたきっかけの選手でもあります。今すごい多くの情報が出ている中で、いろんな野球の情報とか、やはりどの人の話を聞いていても雄星さんの方が面白いなと感じてしまうので(笑)。ぜひ雄星さんのユーチューブを見てほしいなと思います。菊池雄星さんのことを見て自分に当てはめて、トレーニングも参考にさせてもらっています。投げ方も一応参考にできるとこは参考にさせてもらっていますね。でも自分のお手本になるピッチャーみたいなのはあまり始めた頃からいないですね」
――ケガをしないために気をつけていることがあれば教えてください。
「やはりケアとかは正直誰もがすることで、普通というか、しなければいけないことだと思っていますが、それに加えて僕は正しいフォームでやるというのが一番ケガしないことなのかなと思います。ウエートもそうですし投げ方も正しいやり方をやっていれば基本的には壊れることはない。僕は高校入ってから大きいケガを一度もしていないのですが、一応正しいフォームを心がけているつもりです」
――菱川投手にとって同級生の投手陣はどのような存在ですか。
「4年ピッチャー陣はすごくいい関係性を持っていて、僕ら7人なんですけど、誰もマイナスな面がないというか、誰かがということはなくて。やはり僕は全員がライバルだと思っているし、このライバルたちを超えれば目標に近づいてくるものがあるのかなと思います。僕は同級生のピッチャー陣好きですし、仲も良くて、いろんなことをそれぞれが自己投資して学んできている7人なので、それぞれのことを分析じゃないですけど、この人はこういうことしてるから良くなったんだなとか、そういうのも会話をしますし、すごい切磋琢磨(せっさたくま)してここまで、いい状態のピッチャー陣になれたんじゃないかなっていうふうに思っています」
――投手としては比較的身長が低い方かと思いますが、負けないために、あるいはそれを生かすためにしていることはございますか。
「やはりそこを理由にして負けたくないという気持ちが一番ありますね。僕は、末端みたいなものが例えば190センチぐらいある人とは長さが違いますが、難しいじゃないですか、長すぎても。それをプラスに捉えて、器用な方ではあると思うので、そういう柔軟に対応できるところは生かしていけるかなと思っているので、そういう器用さみたいなのを武器にというか。どんなことであれ、低いから高いからとかでなくピッチャーとして勝るとこが多ければ、僕的には特にそんなに今の身長も苦だとは思っていないし、この体でできる最大限をパフォーマンスに出していきたいと思ってます」
――進路についてはどうお考えでしょうか。
「プロ志望です」
――そのために今年さらにパワーアップさせたい点を教えてください。
「やはりコントロールの精度だったり、また大雑把なところがあります。総合的にまだまだ取れてないところがあるのでそれをこの1年間で評価をしていけるようにやっていかないといけないと思います。スピードもそうですし、僕がこの投手陣の中で一番になれば、僕が目標としているプロ野球選手には確実に近づくので、まずはこの投手陣の中で一番を取るというのが目標です」
――最後に今シーズンの意気込みをお願いいたします。
「上に行きたいというのが今の感情なので。そこに向かっていくためにも、まずリーグ戦で活躍して、たくさんイニングも重ねて、そこで僕らのスローガン『奪冠』という目標を達成したいです。優勝して、いい結果がついてくれば、自然とその目標に近づくと思うので、まずはみんなが掲げている四冠に向けてピッチャー陣から引っ張っていきたいなというふうに思います」
――ありがとうございました。
[橘里多]

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