
(11)春季リーグ戦開幕前インタビュー 大川慈英投手

(この取材は3月15日に行われました)
大川慈英投手(国際4=常総学院)
――昨季はいかがでしたか。
「昨年は自分の人生で一番打たれたくらいの1年間で、本当にチームの足を引っ張ってしまったというのが自分の中で1番大きいですね。かなり重要な場面で投げさせていただいたことが多くて、そこできっちり抑えられなかったことが、自分の中では本当に苦しいシーズンが二つ続いたなとは思います」
――苦しい状況からの登板というのが基本となりました。
「やはり要点を抑えるというのは、去年も同じというか、ずっと考えてやっていて。チームの中で、このバッターに打たれたら相手チームが勢い付くだったり、その場面でここは打たせたらいけないというところだったり考えてやっていたんですけど、そこにことごとく打たれてしまって。本当に苦しいシーズンになりました」
――反省点はなんでしょうか。
「やはりボール1個分だったり半個分の精度というのが足りないと感じたことがかなり多くて。あと『1球分低かったら』とか『あと1球分外だったらこれ打ち取れてたな』というのが本当にたくさんあって、そこを決めきることができなくて、結果的に打たれたりしたなというのは本当に感じました」
――ある程度投手としての情報が広まったことへのスタイルの変化というか、方向転換でしょうか。
「そうですね。強気なピッチングだったり、一番大事なところは変わってないと思うんですが、やはり新しいことではないんですけど、それまでとはなんか違うことをしっかりやらないと打たれるなというのは感じて。その前のシーズンよりもいい球が投げられていなかったりすると、そこのギャップで打たれたり。なんですかね、退化ではないんですが、前より良くなることが昨シーズンはあんまりできなくて、そこの飛躍が足らなかったのかなとは思います」
――昨季は四球が7個と少し増えました。
「ボール自体がそこまで落ちたということはないんですが、打たれたりして、だんだん自分の中で難しく考えすぎてしまって。もう自分で自分を苦しめていたなというのがかなりあって。ツーストライクまではしっかり抑えても、そこから決めきることができない、そこで難しく行きすぎて、バットを振ってもらえなくて、フォアボールが多くなったみたいな場面が本当にたくさんありました」
――ストレート中心の配球となっていますが、変化球の使い方や精度に関してはいかがでしょうか。
「今終わってみて思うと、かなり一辺倒の投球をしていたなというのは本当に思っていて。バッターも『ここは絶対にストレートが来る』みたいな、そういう感じで多分バッターが立っていたと思っていて。困ったらそれまでずっとストレートを投げていたというのもあったりして、甘く入ったやつを打たれて、フォアボールを出して、また次のバッターで甘く入って打たれるみたいな、負の連鎖がすごく続いてしまったので、そういう変化球だったり、全体的な使い方は全然駄目だったなとは思ってます」
――三振は12個を記録しました。
「パワープレーでほぼ真っすぐじゃないですか。(継投で)代わったらもう真っすぐで腕振って、それで結果的には三振が取れたとは思うんですけど、いい三振の取れ方ではないのかなとは、自分で後から振り返っています」
――シート打撃などでどのような課題設定を行っていますか。
「秋が終わってからも、シート打撃だったり実践に関しては、これまで以上に新しいことを試していくというのはかなり自分の中でやっていて、それまで使っていなかったボールだったり、ここからこう動かしてみたら結構バッターの反応がいいんじゃないかみたいな感じで投げていってるというところですね。考えていたら、ここはもう少しこうした方がいいんじゃないかみたいなモノが、自分の中でも、特に秋が終わってから思うところがたくさんあったんで、そこはもうたくさん試して今行っている感じです」
――現在の投手陣はいかがでしょうか。
「下級性に関しては経験の少ない人がたくさんいますが、4年は逆にみんな経験値がかなり多いので、4年で引っ張っていって、できれば初登板の人たちには楽な場面で投げていってもらえるように、4年で試合をつくっていくというのが、自分の中ではそこでやっぱりこれから勝っていくのに必要なのかなとは思います」
――数値的な部分や変化を与えた部分はありますか。
「この前の秋からフォームに関して大きく変化させたわけではないんですが、自分の中でポイントがあって、そこをかなり重点的に取り組んできたという感じです。(具体的には)下半身の使い方を少し変えたみたいな感じです。これまでの投げ方では、下半身が少し地面に噛めていないというか、少し浮いて体重がボールに乗り切っていないみたいな感じだったので、それをちゃんと下にかけて、地面の力をしっかり使えるようにというところは心がけてやりました」
――現時点での進路希望はいかがでしょうか。
「プロでやるというのが自分の中で一番大きいので、そこは見据えてではないですけど、しっかりとリーグ戦で結果を出せればおのずと見えてくるものなのかなとは思うので、そこを見るというよりは、まずリーグ戦に完全に集中するみたいな感じですね」
――この春はうまくそれらをまとめていくようなイメージでしょうか。
「そうですね。完成の中でも上げていくことがすごく大事だと思うので。1回いいピッチングをして『これでいいじゃん』となってしまったら、どんどん落ちていってしまう気がするので、その中でどれだけ上げていけるかが勝負なのかなとは思います」
――抱負をお願いします。
「そうですね。昨年2シーズンで本当にチームの足を引っ張り、野手のみんなだったりピッチャーのみんなだったりが本当にカバーしてくれて助かったというか。自分の中では本当にありがたかった場面が本当にたくさんあるので、次は自分がチームに返せるように、一生懸命頑張りたいと思います」
――ありがとうございました。
[松下日軌]

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