
(8)春季リーグ戦開幕前インタビュー 田上夏衣外野手

(この取材は3月15日に行われました)
田上夏衣外野手(商2=広陵)
――明大に入学を決めた理由を教えてください。
「高校の先輩方もいらっしゃいますし、やはり大学野球の中でもトップクラスの大学(でプレーしたい)というのは自分も高校野球をやっていて思っていたので、明治大学を選びました」
――広陵高から明大に進学する選手は数多くいらっしゃいます。
「先輩方はプロに行かれている方も多くて、そういった偉大な先輩方がたくさんいられる中で、広陵と明治の名に恥じないようにという気持ちはありますし(広陵高の)代表で明治大学に入っているので、試合に出ることは本当に一番重点を置いてやっていきたいと思っています」
――昨春はリーグ戦やフレッシュトーナメントへの出場、ベンチ入りはありませんでした。
「5月にケガをしてしまって、その影響もあって出場できませんでした。(ケガの箇所はどのあたりですか)練習中に外野のフェンスに足首をぶつけて、全治2カ月ぐらいの靱帯(じんたい)のケガをしてリハビリをしていました。春のリーグ戦が終わって少ししたぐらいで復帰できました」
――昨秋の東大戦ではリーグ戦で初めてベンチ入りされましたが、その時の心境を教えてください。
「スタンドから見る選手たちの姿と、実際ベンチに入ってからの姿は全く違って、1点や1球に対するとても強い思いがあると感じて、自分もここでやらないといけないという気持ちもすごく強くなりました」
――昨秋のフレッシュトーナメントでは12打数7安打という好成績を残しました。振り返っていかがですか。
「秋のリーグ戦に出られなかった分、アピールしないとという気持ちもあって、絶対に活躍してやろうと臨みました。満足のいく結果だったと思います」
――フレッシュトーナメントを通して得られたことはございますか。
「打席での待ち方に余裕ができたなということは、自分の中でフレッシュを通じて感じたことであって、今までだったら、例えばツーストライクで追い込まれたときに、焦りや三振が怖いなという気持ちもあったのですが、余裕ができたと一番感じています」
――全早明戦常陸大宮大会では9回裏に代打で出場し、同点となる2点本塁打を放ちました。
「あの時もスタメンでは出られなくて、終盤に差しかかるにつれて自分のチャンスがどんどんなくなっていく中で、少ないチャンスが来れば必ずモノにしたいなと思って準備をしていました。実際打席に入った時は応援とかもすごくて、2点ビハインドの場面だったので、もう思い切り打ってやろうという気持ちで入った結果がああいった結果になったので、一番良かったかなと思います。(緊張はありませんでしたか)緊張はあの時はあまりしなかったですね。(普段から緊張はあまりしないのですか)いや、自分は結構緊張するタイプですけど、フレッシュ終わりだったというのもあって、自信が自分の中であったと思うので、その自信を持って打席に入れたかなと思います」
――冬に取り組んだことを教えてください。
「冬はバッティングを重点的に取り組みました。とにかく振る力が1年間通じてあまりないなと思ったので、マスコットバットという1キロの重いバットがあるので、それをひたすら振って、スイングスピードを上げようと意識してやっていました」
――冬の間に取り組んだ打撃の強化はオープン戦を通して実感していますか。
「重いバットで振ることによってスピードはつくと思うので、キャンプ明けのオープン戦の初戦でも3安打打てたというのはすごい自信になりました」
――オープン戦では2番で起用されることが多くなっています。
「自分は高校の時に1番を打っていたので、1番を打ちたいなという気持ちはあります。(1番と2番の違いは実戦を通してどう感じていますか)1番は、試合が動く最初のバッターなので、すごくチームに与える力も必要だと思います。2番がバントといった小技だったり、後ろのバッターであるクリーンナップにつなげるために、自分が何をすべきかをすごく考えさせられる打順だということは2番になってわかりましたね。2番だからこその、つなぎのバッティングが大事になってくると思うので、そこを意識してやっていけたらいいなと思います」
――今年のチームの印象はいかがですか。
「チームとして去年より総合力というか、チーム力は上回っているかなというのはあって、一つの目標に向かっての執着心だったり、団結力だったりというのは去年よりあると思います。(チーム内での自分の役割はどう考えていますか)スタメンで出られている方をサポート、奮い立たせるために、脇役という仕事をしっかり果たせればいいかなと思います」
――外野のレギュラーをつかむためにアピールしたい部分を教えてください。
「全早明戦でも見せた勝負強さは自分の強みかなと思います。代打でも打ってほしいところで打って、モノにすることがスタメンを取れる、近づけるものになるかなと思うので、小さい少ないチャンスをモノにできるようにコツコツやっていきたいです」
――好きな言葉には中井監督(広陵高)からの教えである『ありがとう』と『点滴穿石(てんてきせんせき)』を挙げています。
「『ありがとう』は、広陵高校時代からありがとうという気持ちや言葉は中井先生から言われていて、ありがとうって簡単に言えるんですけど、日常生活であまり言えないなっていうのは感じていて。小さいことでもありがとうと言うことで相手に伝わるし、そういう積み重ねが大事だなと思っています。『点滴穿石』という言葉は、小さな積み重ねをすることで大きなことが成し遂げられるという言葉で、毎日の積み重ね、例えば素振りを毎日欠かさずやることで、大きな舞台で活躍できるということは自分も信じてやっていることなので、これからも継続してやっていきたいです」
――リーグ戦で対戦したい選手はいらっしゃいますか。
「同級生だったら立教大学の小林隼翔はやはり意識しますし、ピッチャーだったら法政大学の倉重で(高校時代の)同期なので、そこは対戦したいなという気持ちはあるのですが、一番は早稲田大学の伊藤樹投手に去年抑え込まれているので、自分が打ってやるんだという気持ちでやっていきたいです」
――春季リーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
「チームとしては四冠という目標があるのですが、まず春のリーグ戦で優勝しないとそれができないので、とにかく春のリーグ戦で早稲田を倒して優勝できるように、自分もその力になれるように頑張っていきたいです。個人としてはまずスタメンを勝ち取れるようにやることと、スタメンを取ったら自分が勝たせるという強い気持ちでやっていきたいです」
――ありがとうございました。
[塩谷里菜]
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