(102)大学野球引退インタビュー 飯森大慈外野手

2024.11.24

(この取材は1113日に行われました) 

飯森太慈外野手(政経4=佼成学園) 
ーー今季を振り返っていかがですか。 
 「今シーズンは悔しいことしかなかったんですけど、早稲田が強かったので、しょうがないかなと。自分としては悔しい気持ちが大きいですね。正直何も貢献できなかったので。でもチームとしてはしょうがないという風に思います」 

ーー優勝決定戦の伊藤投手(早大)の状態はいかがでしたか。 
 「一番いい時程だとは思わなかったですけど、球自体がすごいというよりかは投げミスが全くないですし苦手なところを徹底的に突いてくるのはすごいなと思いました」 

ーー今季は打率.240という成績でした。打撃面で振り返っていかがですか。 
 「バットを自分の近くで回すというか、もっと体の内側から打つイメージを持っていれば、変わったのかもしれないです。最後の方もそのイメージで練習も良かったんですけど、練習と試合では全然違うなと思いますね。バットを内側から出すというのを今までは手でやろうとしていたんです。それが駄目でした。体全体でやらなければならなかったところを手でやったのが良くなかったですね」 

ーーベストナインを獲得した今春と状態の違いはありましたか。 
 「春も調子が良かった訳じゃないんです。オープン戦も全く打っていないですし、1年間通してバッティングはほとんどうまくいってなかったです。 神宮って正直気持ちのところが大きいので、春は早い段階で打つことができて、いいメンタルのまま試合に入れたのでそれが大きかったです。(4年間で一番調子が良かった時期は)3年春の終盤あたりから全日本選手権が終わるぐらいですかね。振ったらヒットみたいな感じで調子が良かったです」 

ーー3年春に首位打者を獲得しました。振り返っていかがですか。 
 「もちろん名誉なことだし、うれしかったです。ファンの方から声をかけてくれることも増えましたし、野球人生は変わったんですけど、成長という部分ではどうだったのかなと思います。首位打者を取ったことによって自分の実力以上のものが出てしまったんですね。そうすると、そのレベルで満足できなくなって、求めるものが自分のレベルより上のものになってしまう。本当はそこに引っ張られたらよかったですけど、自分の場合はそうじゃなかったので。段階を踏んで成長するところを、その段階を飛び越えて結果だけ先に出てしまったので、それはよくなかったかもしれないです」 

ーー今後、野球を続ける中で理想の打者像のようなものはありますか。 
 「ツーベースをもっと打ちたいです。ツーベースをたくさん打てるバッターになって、単打であれば盗塁をする形で、自分でランナー2塁の状況をたくさんつくれる選手です」 

ーー後輩たちに伝えたいことはありますか。 
 「大学って時間があるので自分の取り組み方で本当に変わると思いますし、なんだかんだ一番練習時間が長い奴がうまくいっている印象があるので、みんなにはたくさん練習してほしいです。神宮で試合が終わった後にもっとこうすればよかったって後悔することは結構あるので、そういう後悔がないように練習してほしいです」 

ーー飯森選手自身には4年間で後悔はありますか。 
 「それはありますよ。いい成績を残せた2つのシーズンがあって、ラストシーズンは自分の成績はもういいかなって思ったんですよ。チームが勝てばいいぐらいの方が気持ち的にいいのかなって思っていましたが、実際はそんなことなくて、やはり自分の成績は気にせずチームが勝てばいいと思っているような奴は神宮で打てないんです。俺が打たないとって思っている選手、自分の成績にこだわっている選手が打つので、その考え方がそもそも違ったなと思います」 

ーー4年間で印象に残る試合はありますか。 
 「印象に残っている試合は2年春の法政2回戦です。1戦目負けて、2戦目9回裏で1点負けている場面で希由翔さん(上田希由翔選手・令6国際卒・現千葉ロッテ)が二塁打を打って自分のことを指差して(監督に)変えろって言ったんです。それで代走で出てホームまで返ってきたんですけど、希由翔さんに指を差されたのがうれしくて、認めてくれているんだなっていうのがすごくあってうれしかったです。印象に残る打席はありますか)3年春の立教戦です。ここで打てば首位打者っていう打席だったんですけど、二遊間が少し広く空いていて、あそこにゴロを打てばヒットだなみたいな感じで、イメージがすごくわいたんです。それをそのままトスバッティングするみたいな感じで打つことができて、それが4年間でその1打席だけだったので、その感覚はすごく覚えています」 

ーー来年度、期待する選手はいらっしゃいますか。 
 「内海(優太外野手・商2=広陵)じゃないですか。木本(圭一内野手・政経3=桐蔭学園)、小島(大河捕手・政経3=東海大相模)はやらないといけないんですよ。それは当たり前だとして、次に誰がいたら嫌かなってなったら内海かなと。結果をしっかり出せば自然と強いチームになるんじゃないかなと思います」 

ーー大学4年間はどのような時間でしたか。 
 「自分にとってはすごく転機だったというか、良くなったというのは思います。全体的に見たらすごくいい4年間でしたけど、成長具合でいえば、3年生からの1年間は自分としては納得できないものはあります」 

ーーいつまで野球を続けたいなど今後のプランはありますか。 
 「正直、この秋は少し踏ん張り切れなかったというか、頑張り切れなかったところがあるので、それが続くようだったら早めに辞めるようなことになってしまうかもしれません。でも野球への思いが燃え続ける限りはやっていたいです。これからはクビになる世界なので、野球の結果が出なければ駄目だと思うので、なんとか頑張ります」 

ーーありがとうございました。 

[久和野寛人]