
(86)76年度ぶり3度目の明早優勝決定戦へ/東京六大学秋季リーグ戦

早大戦で勝ち点を落とした明大だったが、優勝決定戦への道が開かれた。明大は最終戦の法大戦を終えた時点で8勝3敗2分。対する早大は慶大戦を残した時点で8勝1敗2分と、明大が優勝決定戦に進むには早慶戦において慶大が2連勝を収めることが必須条件だった。首位の早大相手にエース・外丸(慶大)のケガなどで今季5位に低迷している慶大が2連勝を飾ることは困難とされていたが、結果は下馬評を覆し慶大が2連勝。明大は明日、優勝を懸け2010年度秋以来となる14年ぶり、リーグ戦13度目の優勝決定戦に臨む。
勝ち星を上げるには早大エース・伊藤樹の攻略が欠かせない。明大は伊藤に対し春、秋通じて34イニングで計5得点のみ。対伊藤のチーム打率は.185、得点圏打率.063と完全に抑え込まれている。今季抜群の安定感を誇っていた伊藤だが早慶戦の初戦に先発をすると7回5失点と乱調。リーグ後半、そして土曜日に104球を投じている伊藤の疲労は無視できず、付け入るスキはありそうだ。また今年度計34イニング対戦していることからも目慣らしは十分。尻上がりの伊藤から早い段階で先取点を取ることが重要になる。
一方明大の先発は毛利海大投手(情コミ3=福岡大大濠)が予想される。今季計6試合に登板をし、失点を許したのはわずか1試合のみ。防御率も伊藤を上回る1.53を記録しており、ケガで離脱した髙須大雅投手(法3=静岡)の穴を埋める形でブレークを果たした。早大2回戦で先発を任されると、四球などでピンチを招きながらも5回無失点の粘投。打率リーグ10傑に4選手が名前を連ねる早大打線を2安打に封じ込め、先発の役割を果たした。今季はスタミナの面からも80球前後で降板する試合が多く、毛利がマウンドを降りたあとのリリーフ陣が肝心となる。登板が予想されるのは千葉汐凱投手(営4=千葉黎明)、山田翔太投手(国際4=札幌第一)、浅利太門投手(商4=興国)の4年生投手陣。経験豊富な千葉は今季早大との3試合すべてに登板をし、5回3分の2を投げ無失点。左打者が6人並ぶ早大打線には好相性と言える。また今季計8イニングを投げ失点0の山田は4番・印出や代打・松江、寺尾ら右打者が続く場面での起用が理想。今季防御率0.84の好成績を収め、早大2回戦でも好投を見せた浅利はクローザーとしての登板が予想される。
リーグ戦通じてチーム打率.289とリーグトップの成績を収めた早大打線だが早慶戦では2試合で2得点と低迷。1試合で勝敗が決まる優勝決定戦において状態や心理的な面からもやや明大有利と考えられる。
明早優勝決定戦は1948年度春以来、76年度ぶり3度目。明大は願ってもない形で3季ぶり、そして〝チーム宗山〟として初の優勝が懸かった一戦の切符を手にした。負ければ引退、勝てば明治神宮大会出場が決まる。春、そして秋も負け越した宿敵・早大に3度目の正直となるか。
[伊原遼太朗]
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