
(72)立大戦事前インタビュー② 鈴木唯斗外野手、小畠一心投手

(この取材は9月6日、zoomにて行われました)
鈴木唯斗外野手
――後脇を開ける打撃フォームが特徴的ですが、意図を教えてください。
「バッティング理論としては、パワーをロスしないために人間の体の理にかなったフォームを構えからつくっています。感覚論ではなく、解剖学的にどうすればスイングスピードが上がるかということを考えています。スイングスピードが上がれば打率や長打率も最終的に全部上がってくると思っていて、そのためには新しい体の使い方をしないといけません。感覚的にフォームをつくっていくのではなくて、まだ未完成ではありますが、誰の体であっても正しいバッティングフォームをつくっていった結果が今のフォームになっています。アッパー気味になっているのは自分の体がまだ弱いからで、あくまで自分のイメージとしてはダウンスイングで振っています。遠心力が働くことで、自分のスイングがダウンスイングでもレベルやアッパー気味に入ってしまうことはあるのですが基本的に自分の中ではアッパースイングをしようと思っているわけではありません」
――春は故障があったと伺いました。
「時期としては1週目の早稲田戦が終わった後です。外野守備で、背走をしていたところでフェンスにぶつかってしまい、足首を強く捻挫してしまいました。自分の中でやろうと思えばできたのですが、この状態で試合に出てもいい結果が出ないとも思いましたし、後半に進むにつれ動けるようにはなったのですがいまいち自分の状態が上がらないという事情もありました。悔しい結果になりました」
――昨季は長打力の不足が課題として見受けられたように思いますが、その中でどのような働きをしようと考えていますか。
「春のリーグ戦が終わってから、チームのデータ班からの共有で塁打数が圧倒的に少ないという課題を指摘されました。早稲田とか勝っているチームは塁打数が多く、40塁打の差があって得点力に影響していると感じました。自分の役割としては例えば4打席あったら1本〜2本長打を打てたら良いかと思いますし、ランナーがたまったところで一気に返したいと思っています。打率は4打席のうち1本か2本ヒットを打ってひとつフォアボールをもらえれば3割には乗ると思うので3割以上を目指します。長打を狙わないといけないところでホームランも2〜3打てればチームは勝てるのではないかと思います。盗塁に関しても春のリーグ戦で1個決めてはいるのですが、そこまで自分は警戒されていないと思うのでスキをついた走塁ができればと思います」
――打順や守備位置など今季の起用について教えてください。
「守備はセンター、レフト、ライトと外野は全て守る可能性があると思っていて、打順はオープン戦では3番や4番に入ることが多いです。1番、2番が塁に出てくれると思うのでそこで自分が返したり、チャンスを広げたいと思います。ただチャンスを広げると言ってもこじんまりとしたバッティングではなく、自分が打席に入ったときにはオーラではないですが嫌に思われるようなスイングをしたいですね」
――チームとして、春は全大学から1勝以上を挙げながら勝ち点が伸びないシーズンでしたが、今季をどう戦いますか。
「秋は4年生が最後のシーズンになります。自分が中軸を任されるケースもあるかと思いますが、まずはとにかく優勝を目標に開幕から一戦一戦飛ばしていかないといけないと感じています。自分たちの野球をした結果が優勝につながってくると思っていますし、4年生には安心して卒業してもらいたいので、自分や下級生が活躍して4年生にいい思いをしてもらって来年も大丈夫だろうと思ってもらえるように精一杯プレーしたいと思います。個人としてもこれまではチャレンジャーの意識が強かったのですが、3年生になるので秋にしっかりと結果を残して、宗山さん(塁主将・商4=広陵)や吉納さん(翼選手・早大)のような〝六大学と言えば〟という選手だと思ってもらえるようなプレーをしたいと思っています。その中でもフレッシュさも必要だと思っていて、球場を巻き込んで行けるような選手になりたいです。数字的にもキャリアハイを残して3年生の年を締めくくれるように頑張りたいと思います」

小畠一心投手
――ご自身の状態について教えてください。
「オープン戦も順調に投げられていますし、社会人相手であってもそれなりにできているのでそこは良いかなと思っています」
――昨季を通じ、外角の制球力が光りました。
「基本的にコントロールはあまり意識しているわけではありません。春は東大戦以外全カードで3戦目があったのですが、体力的にも厳しい登板を経験できたのは大きかったと思います。疲労感もありましたが、中一日であれだけ球数を投げられたというのは手応えとしてありましたし、そこは秋にもつなげていきたいとは思っています。投球フォームもそこまで意識しているわけではないですが、バッターを差し込む真っすぐを身につけたいと思っていて、それを意識していく中で足をついてから投げるということにたどり着きました。左足がしっかりと(地面に)着いてから投げるというのは自然になった感じです」
――直球に加え落ちるボールも効果的でした。
「去年と比べると真っすぐが強くなったので、それが生きてきたのかなと思っています。真っすぐでファールを取れるようになってきたので、高めのファールを意識させた中でフォークで落とすと効果的だったのかもしれません」
――反対に課題を挙げるならどの要素でしょうか。
「立教自体が勝ち点をなかなか挙げることができていないので、とにかく勝つことを一番の目標としています。僕はそこに少しでも貢献できるようにと考えているだけなので個人としてどうこうというのはそこまで考えていません。数字とかタイトルにはあまり興味がないので、とりあえず勝ちにつながるピッチングをしたいと思っています」
――チームについても教えてください。
「ひとつ下の学年の森本(光紀投手)はストレートに魅力があって楽しみなピッチャーなので注目しています。(正捕手の争いも激しいのではないでしょうか)正直そこまでキャッチャーによって自分の投球が変わる感じはありません。すみません(笑)」
――今季をどう戦いますか。
「1点でも多くとってピッチャーが守るだけだと思います。先輩方からは勝ちにこだわる姿勢や野球の取り組み方を学んでいます。とにかくどの試合も勝ちを取れるように、立教が勝ってよろこぶところをファンの方にも見ていただきたいなと思っています」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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