(68)半田真太郎 鍛え上げた継続力でさらなる飛躍を

2024.10.04

 4月3日の社会人対抗戦では1年生で唯一出場し、初めて神宮球場でプレーした半田真太郎(商1=健大高崎)。高校時代の努力と成長を糧に、猪軍団のセンターラインを狙う。

血と汗の結晶
 甲子園に出場したい一心で、中学時代のコーチに薦められた健大高崎高に入学。遊撃手一本と腹をくくった先で目にしたのは人数もレベルも想像以上のライバルたちだった。「親元を離れ覚悟を決めて群馬に行ったので、絶対にレギュラーになってやるという気持ち」が成長へのカギとなる。守備を得意としていた半田は、健大高崎高の代名詞〝機動破壊〟を意識した足や小技を駆使したプレーを徹底。さらに打撃にも注力し、長打力向上へと練習に明け暮れた。1年冬は週に3、4日ウエートトレーニングを行い、打撃の幅を広げた。1年秋にレギュラーをつかんだ際は二塁手を任されていたが、2年夏に遊撃手の座を射止める。監督やコーチからの信頼は厚く、チームを先導する意識も芽生えた。

目標の聖地へ
 3年春、選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)への切符を手にし、甲子園に足を踏み入れた。自身初の大舞台への挑戦だ。しかし初戦、チーム全体で磨いたはずの足を絡めた攻撃を封じられ完敗。「3番を打たせてもらって自分が打てた試合は勝てたが、センバツでは結果が出せなかった」と悔いた。反省を生かし、夏までの期間は打撃の鍛え直しを図る。「センバツで負けてから絶対甲子園の借りは甲子園で返すとみんなでずっと言っていた」。意気込んで挑んだ群馬県大会準決勝だったが、桐生第一高に0-1の完封負け。半田は3打数無安打と苦い結果に。「シンプルに実力というか、技術面もメンタル面もまだまだだった」と振り返る。それでも入学当初からの目標に全身全霊を尽くした半田に思い残したことはなかった。激しいポジション争いを勝ち抜き、夢の舞台へ一途に向かった努力が何事にも諦めず取り組み続ける力につながった。野球のスキルだけでなく、人として大きく成長した3年間になった。

新境地を開け
 中学時代に観戦した六大学野球の試合をきっかけに憧れを持ち、明大への進学を決めた半田。「自分も早くグラウンドでプレーしたいと本当に思ったし、同級生でも活躍している選手がたくさんいていい刺激をもらった」と話す。現在は大学生の球に対応できる体、振り負けないスイングを目指し修練を積んでいる。大学での目標はベストナイン。培った継続力と甲子園を逃した悔しさをばねに新たな一歩を踏み出した。

[塩谷里菜]

半田 真太郎(はんだ・しんたろう)商1、健大高崎高、168センチ、68キロ、右投右打、内野手。Mr.Childrenが好きで、最近は『ひびき』をよく聴いている。