(51)秋季リーグ戦前インタビュー 大川慈英投手

2024.09.14

(この取材は9月6日、電話にて行われました)

大川慈英投手(国際3=常総学院)

――春は比較的少ないイニングでの登板となりましたが、振り返っていかがですか。
 「そうですね。確かにイニングは少なかったんですけど、その中で抑えるべきところで抑えられなかったというのが自分の中でかなり大きくて。あそこでしっかりと抑えていればもっといい結果につながったのかなという場面があったので、そういうところがすごい反省点ではあります。(慶應、法政で失点してしまったところでしょうか)どちらも打たれた場面がすごく悪くて。打たれてもいい場面だったらまだ『しょうがない』で終わると思うんですけど、あの場面で打たれてしまうとチームにもかなり影響が出てしまうので、そこは良くなかったかなと思っています」

――投手としてチームに流れを与える役割があるとお話しされていましたが、実際にご自身の投球で影響を与えてしまったと感じましたか。
 「そうですね。やはり抑えて流れをつくるというのがベストだと思っているんですけど、それの真逆のことになってしまって。チームの足を引っ張ってしまったところは本当に良くなかったなと思っています」

――この春に得られたものは何かございますか。
 「やはりポジティブなものというのは春ではあまりなくて。打たれてからの反省としては、コースに投げることの大切さであったり、打たれたらいけない要所であったり、投球に関しても『この球は決めないといけない』みたいな部分は自分の中で明確に分かったので、そこはこれから秋のリーグ戦だったりも生かしていけるのかなとは思っています」

――リーグ戦への参戦が比較的遅くなってしまったとお話しされていました。ご自身の調整にも少し時間を要したのでしょうか。
 「そうですね。コンディション面で、詰めるところを詰め切れずにリーグ戦を迎えてしまったというのがありました。そこも大きな反省点だと思っています。当時はそれこそ体が思うように動かないという感じで、自分の思った通りにボールが行かないというのがあったので。内面的にも、遅れたことによって少し焦りもあったと思うんですけど、主には外的な要因でという感じですかね」

――印象的だった春の場面は何かございましたか。
 「二つあります。やはり失点した場面で。慶応戦で最初のバッターにライト線に落とされて、最後にスリーベースを打たれて、ツーアウトからスリーベース打たれて出して、とズルズル行ってしまって。結局負けはしなかったんですけど、先発の勝ちを消してしまったり、そうやって慶応のペースに飲まれてしまったりという感じになってしまったので。まず一つ、それが自分の中でも大きな場面で。もう一つは法政戦でのホームランですかね。完全に甘く入ってしまったボールで、しかも腕を振り切れていない状況の球を打たれてしまったので、その面はこの秋に向けて練習していく中で、自分の頭の中にずっと残していて。『もうこれはしないように』というかたちで練習してきたところではあります」

――冬のトレーニングで生まれた出力差の影響もあるのでしょうか。
 「自分の中ではそれほど体重が増えたとかそういうところではなくて、収まりが効かなくなったというか。春に関しては、これまでコントロールできていたものが少し バラバラになってしまった感じです。体の使い方という部分ですかね。なのでトレーニングをして……、みたいな感じではなくて。でも結局そこ(不調)は外的だけじゃなくて、内部的な要因もあったのかなとは。正直なことを言うと、なんていうんだろう、コンディション調整が遅れたことによって、気合が入りすぎてしまったというか。『ここから絶対抑えてやるぞ』みたいな感じで、体がガチガチというか、力が入りすぎてしまったなというのがあったので。内的なのか、まだ少し自分的にも試行錯誤しているんですが、力が入りすぎたのが一番の要因かなと思います」

――4年生投手陣が不調の中で、下級生投手陣が奮闘しました。役割の重みなどは感じましたか。
 「自分がそれほど周りを気にしないタイプなので。そこは、隣の3年生がどうというよりかは、最初のリーグ戦登板が早稲田だったじゃないですか。延長戦で、点を取られてから勝ち点を取られて、リーグ戦への入りがそういう感じで。そこからちゃんとやっていこうというふうに登板が多くなっていったので、これ以上もう落とせないみたいな気持ちも本当に強くて。力が入っちゃったのかな、みたいな感じでしたね」

――高須大雅投手(法3=静岡)もこの春活躍されました。
 「そうですね。でもやっぱり気にしないです。みんなそれぞれ結果を残しているんで、 そういう面ではそれに負けないようにじゃないですけど、結果をしっかり残すというところはかなり意識しているというか、そういうところはあるのかなとは思います。自分の性格的にというか、根本的にあまり人に興味がないので(笑)。自分のやるべきことというか、自分の仕事をするということだけ考えて投げています」

――オープン戦などの実践を踏まえ、意識したり注目している部分はありますか。
 「リーグ戦になると出力という面では、勝手に上がってくると思うので。今一番気にしているのは、コントロール面で投球においてラインを出すというか、自分の中では〝縦のライン〟をずらさないようにというのを考えています。よく打たれたりしているのは横のぶれというか、内側に入ってしまって打たれるみたいなことが一番多いと思っているので。ストレートにおいては、あまり高低のコントロールミスで打たれたことがあまりないので、高低というよりは横のコースをどれだけ精度を高く投げられるかを意識してやっています。しっかりと決まった球はまだ打たれてないと思うので、そこをちゃんと決めきるというところを今一番意識しています」

――取り組まれていることに対して実感などはございますか。
 「自分の中でかなりコントロールミスというのは、前の春よりかは少なくなってきていると思っていて。そういう面では、練習の成果というのは練習試合だけ見ればかなり出ているのかなとは思っていて、実際に数字的にも失点は、今のところ無いんじゃないかな。無失点で来ていると思うので、そういう面ではかなり身になってきているのかなとは思います」

――全体的にフライアウトが多いような印象を受けますが、投球内容を振り返った所見をお願いします。
 「そうですね。やはりその縦のラインをずらさないっていうのをやってから、まずストライク率がかなり上がってきていて。この春のリーグ戦であったり、本当にツースリー(フルカウント)になることが多かったんですけど。かなり早めの段階でバッターを追い込めていて、楽に戦えている印象はあります」

――落ち着いたマウンドさばきが印象的ですが、いつも同じような様子ですか。
 「そうですね。準備だったり、そういうところはきっちりとやっているので、その分なんて言うんだろう(うれしい)感情というか、そういうのはあります。あまり大きいガッツポーズが得意じゃないというのが正直なところで(笑)。なんかできるもんならやってみたいですけど、自然と出ないと、自分からやるのもおかしいなと思っていて(笑)。それはちょっと考え中ですね(笑)」

――現在のコンディションはいかがですか。
 「今は徐々にリーグ戦に向けて、少しずつではありますけど、順調に調子は良くなってきているんじゃないかなと思っています。そこは秋とは全然違う点だとは思っています。自分のやりたい練習というか、やりたい準備が今しっかりとできている状態なので、そこは本当にいいかなとは思っています」

――最後に意気込みをお願いします。
 「春はチームの足を引っ張ってしまったと感じているので、この秋はチームを引っ張っていけるように、チームに影響を与えられるよう無失点で終えたいと思っています」

――ありがとうございました。

[松下日軌]