
(28)法大戦事前インタビュー② 篠木健太郎投手、吉鶴翔瑛投手

(この取材は3月27日、電話にて行われました)
篠木健太郎投手
――昨年度を振り返っていかがですか。
「春秋と、いろいろなことを経験させてもらって。春は結果が少し出てうれしい気持ちもありながら、秋はケガでつらい思いもしたので、すごくいろいろなことを経験した1年だったと思っています。1つの勝ちに対して自分ができることだったり、どうすれば勝てるピッチャーになれるのかということについて、考える時間がありました」
――投球フォームでは脚を上げなくなりました。
「体重を増やしたりウエートトレーニングで体をつくっていく中で、元となる出力が上がったので、自分としては長く野球をしていく上で、余分な動きを省こうと考えました。自分の中ではしっくりきているかなと思っています」
――ストレートが持ち味の1つですが、新しく進化を目指した部分はありますか。
「そうですね。自分たち学生が投げるストレートと、プロ野球の一軍で活躍する選手が投げるボールの強さを比較したときに、ベース板での強さだったり、リリースしてからの軌道の見え方が大きく違うかなと思いました。ベース板での強さ、バッターの近くでのボール強さに、すごくこだわりがあります。(具体的に伺ってもよろしいですか)イメージの中ですね。元々、フォームもボールも縦の回転をかなり大事にしてやっていますが、その中で『縦の回転をより細く』というか、言葉にするのが少し難しいんですが『軸を細く』というイメージで投げるように取り組んでいます。太く回ると、結局(ボールが体から)遠回りしていたりで、実際にボールに伝わる力が弱いと思うので。なるべくロスのないように、というイメージをしています」
――脚の動作の簡略化などは、より長期的な投球を行うための改良なのでしょうか。
「そうですね。投げない期間が長く、自分の中で一度それらを整理できる時間があったので、合っていると思います。長く野球を続けるためでもありますし、勝ちたいという気持ちが強いので、勝ち続けていくために自分が必要なことを取り入れようと思ってやってきました」
――カットボールやフォークの習得など、他球種に対しての意欲的な姿勢はどこからきていますか。
「その2球種もまっすぐがあっての2球種ですが、やはり試合を作っていく先発投手としてストレートだけでは駄目ですし、2個か3個他にも持っておくことで、投手としての引き出しが増えると思いました。勝ち続けるために必要なものを、自分が成長するために必要なものを取り入れていこうとした結果です(立ち位置は)正直どのようにも使えますが、ゴロを打たせたい時には変化のさせ方も変えられますし。空振りを取りたい時にも落ち幅を大きくしたりとか、(変化量の多いものから)ほぼまっすぐに近いカットボールにしたりとか。その場に応じたボールとして使うようにしているので、操りやすいというか、自分の中でしっかりと操れるボールを2つ増やしたという感じです」
――警戒する明大の打者はいらっしゃいますか。
「飯森(太慈外野手・政経4=佼成学園)は塁には出したくないなというのはあります。個人的に直井(宏路外野手・商4=桐光学園)にも打たれているので、足の速いその2人は出すと面倒かなという印象があります」
――高校時代からダブルエースとして名を馳せた吉鶴投手とも、大学ラストイヤーを迎えます。
「そうですね、7年目で。翔瑛が言葉を話さなくても『今何を考えてるかな』とか多少察することができる仲なので。すごい、なんていうのかな。学生野球を一緒にできる最後の1年ですし、自分たちは高校3年の夏の独自大会でしか優勝していないので、そういった面でも2人で優勝を勝ち取りたいです」

吉鶴翔瑛投手
――昨年度を振り返っていかがですか。
「去年の春、悔しい思いをして。でもその反省が秋につながっていい結果が出たかなと思っています。(反省については)春は強いボールを投げるためにかなり思い切り腕を振っていたんですが、秋はそうでなくても抑えられることがわかったので、そこを改善できたと思っています」
――オフシーズンではどのような取り組みをされましたか。
「もう一度まっすぐの強さを出す練習と、あとは三振が取れるような変化球を練習してきました。体重を増やすというのもそうですし、ウエートトレーニングを多く取り入れた上で、さらにランニングを増やしました。あとはフォームを少し変えることにも取り組みました」
――スプリットの進捗はいかがですか。
「オープン戦でもスプリットで三振が取れているので、そこはやってきた成果が出ているかなと思います。(引き出しは増えましたか)そうですね。右バッターに対しても左バッターに対しても、スプリットが投げられることで、元々スライダーなどを投げていたところからもう1つ幅が広がったので。三振を取れる幅が増えたというのは感じています」
――フォームについてはいかがですか。
「今までは上半身と下半身の捻転差をそれほど出さずに投げていたので、そこ(捻転差)を出すことに取り組みました」
――今冬で見えた課題はありましたか。
「そうですね。1試合の中で球数が多くなってきていて、少し守備のリズムが悪くなって(流れが)攻撃につながっていない部分があるので。そこが課題だと思います」
――チームの注目選手を教えてください。
「投手で言うと針谷(隼和投手)がいいですね。針谷はずっとオープン戦でも投げていますし、そこでも自分の仕事、無失点に抑えてしっかりと帰ってくるので。そこに関しては安定したピッチングで、期待できるなと思っています」
――投手陣として、今季の目標はございますか。
「監督の大島さんから『ピッチャーは毎試合3点以内に抑えろ』というのを言われています。試合で投げた全員で、トータル3失点までに抑えるのを目標にしています。チームとして打線は4点以上、投手を含めた守りで3失点以内。僅差でも勝てるようなチームを目指しています」
――今季の明大打線の印象をお伺いします。
「個人的には、他の4つの大学よりも警戒はしています。しっかりとヒットメーカーがいて、かえせる選手、ホームランが打てる選手もいてというバランスが取れた打線だと思っています。(具体的に警戒する選手はいらっしゃいますか)飯森はセーフティー(バント)など小技も仕掛けてきますし、(昨秋には)首位打者も取っていて、バッティングもいいので。選球眼もいいという部分では、むやみにストライクが取れないので警戒していますね」
――最後に意気込みをお願いします。
「まだ防御率のタイトル、最多勝のタイトルが取れていないので取りたい思いと、ラストシーズンで自分たちの代はまだ1回も優勝を経験していないので、あとは優勝して、日本一になりたいと思います」
――ありがとうございました。
[松下日軌]
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