(25)慶大戦事前インタビュー① 本間颯太朗主将、水鳥遥貴内野手

2024.05.17

(この取材は3月17日、電話にて行われました)

本間颯太朗主将
――昨秋は日本一に輝きました。振り返っていかがですか。
 「そうですね、日本一にならしていただいたんですけど、それは全て去年の4年生方の成績であって、今年の僕たちの代はまたゼロから何のアドバンテージもなく始まるので、日本一まで登った山を一旦降りて、またゼロから一歩一歩積み上げていくんだっていうつもりで、新チーム始動の時からチーム全員で意識してやっています」

――日本一の喜びはどういったものでしたか。
 「どちらかというと実感がなくて、本当に日本一になれると思っていなかったので、日本一になれたんだっていうところと、応援してくださってる方々に恩返しできたことがすごいうれしくて、やはり僕個人としてもこれまでの野球人生で携わっていた方々に恩返しできましたし、慶応義塾野球部としても、日頃から運営や応援してくださってる皆さんに結果として恩返しできたっていうのはすごく良かったかなっていう風に思います」

――今年度のチームの特徴はいかがですか
 「今年のチームの特徴は走塁の意識がすごく高いっていうところと、 打線としてピッチャーをどうやって打ち崩すかっていうところを常に考えていけるっていうのが今年のチームの特徴かなっていう風に思っています」

――練習の雰囲気はいかがですか
 「今年は〝気〟っていうのを一個のテーマとしていて、野球は技術力がすごい有利なスポーツだと思うんですけど、リーグ戦といっても六大学は各校1回ずつしか対戦しないので、トーナメントに似た1回でも負けたら終わりっていうような雰囲気がある中で、じゃあその練習で培った技術力をどうやって本番で生かすかっていうと、やはりメンタルというか〝気〟で相手に勝ることが、神宮の舞台でいつも通りプレーできるカギになるっていうところで、練習から〝気〟を出してやっていこうと思っています」

――昨秋は3本塁打を放ちました。長打が出た要因はございますか。
 「春思うような結果を残せなくて、夏の練習期間に去年キャプテンの廣瀨(現ソフトバンク)さんに弟子入りして、廣瀨さんはパンチ力もあって長打を打てるバッターなので、そういったところから助言を求めて、自分の形を一回ゼロにして新たにつくり直したっていうのが、いい結果につながったのかなっていう風に思っています」

――ご自身の打撃の強みはどのような部分でしょうか。
 「嫌らしいところかなっていう風に思っています。僕はどちらかというと、廣瀨さんみたいにホームランを打てるバッターじゃないので、バントであったり、バスター、セーフティー、進塁打であったり、その場面に応じた相手が一番嫌がることをできるバッターっていう風に自負はしているので、なんか嫌だなっていうバッターに他大から見られていたらうれしいかなって感じです」

――今季期待している選手はいらっしゃいますか。
 「斎藤快太ですかね。去年から主力で出ていた中で思うように打撃面での結果が残せなかった中で、 今年はオープン戦でもチームで1番2番を争うぐらい打っていますし、冬の間も増量して、本人も手ごたえをつかんでいるみたいなので、斎藤快太が1人のキーマンになるかなっていう風に思います」

――現段階でチームの課題はございますか。
 「やはり徹底力ですね。今のチームの課題は監督から再三、優勝するには徹底力が必要だっていう言葉をいただいてる中で、新チーム結成当初からしたら、だいぶ上がってきてはいると思いますが、野球ってすごい細かい部分で勝敗が決すると思っていて、一つのミスが命取りになりますし、そういったところで私生活含め野球のプレー面でもチームとしてやってはいけないことを出してしまっていることが今のチームの課題だと思うので、誰でもできることを絶対にやり切る徹底力っていうのを、リーグ戦に向けてもっとつけていかなきゃいけないかなっていう風に思っています」

――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
 「今年のチームは連覇が懸かっているっていう風に言われて、プレッシャーを感じさせられていると言われることも多いんですけど、自分たちとしてはそんなことは全くなくて、先輩たちが残した伝統とか歴史っていうのを僕たちも継承していくだけだと思っているので、そういったところで変に気負い過ぎず、僕たちの代でしっかり日本一になるんだっていうところでリーグ戦優勝、早稲田に勝つ、慶応日本一っていう塾野球部としてブレない3つの目標を達成できるように頑張っていきたいなと思います」

水鳥遥貴内野手
――昨秋はリーグ優勝、神宮大会優勝もご経験されました。振り返っていかがですか。
 「去年のこの時期にはとても想像できなかった1年で、自分としても人生が少し変わった1年になったと思います。去年ほど多くの方に応援していただけた年はなかったので、今年はその恩返しができるように頑張りたいです」

――オフに取り組んだことを教えてください。
 「去年のバッティングの結果には満足していないので、バッティングを頑張っています。廣瀨(現ソフトバンク)さん栗林(現JR東日本)さんのようなホームランバッターがいなくなったので、より長打を意識しています。また副将になったので、もっとチームのためになるプレーを心がけています」

――副将に就任されましたが、なにか変わったこと、変えたことはございますか。
 「大きくはありませんが、下級生と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。そういうのあまり得意じゃないんですけど(笑)」

――明大の印象はいかがですか。
 「強いですよ。スーパースターが集まっている大学ですし。そうでありながら人間力野球とかプレー以外のところも大切にしていますし、実力も細かいプレーまでしっかりしていて凄いなと思います」

――対戦したい明大の選手などいらっしゃいますでしょうか。
 「投手じゃないので対戦ではないのですが、同じグラウンドでプレーしたいのは杉崎成(総合4=東海大菅生)です。中学の時同じリーグで、チーム同士よく試合をしていたので、今度は神宮でできたらなと思います」

――今年度の慶大の強みはどういったところですか。
 「日本一うまくなるということが目標なので、それに向けて頑張っています。あとは当たり前のことを徹底してできるチーム、気のあるチームが強いと思います。気を出すっていうのは自分はあまり得意ではないのですが、そういうものをワンプレーワンプレーで出していけるようにしたいです」

[久和野寛人、橘里多]