
(23)データで振り返る前半戦 野手編/東京六大学春季リーグ戦

春季リーグ戦も第5週を終えいよいよ終盤戦に。明大はここまで3カードを消化し勝ち点2の3位。火曜日の立大3回戦を勝ち切り優勝戦線にとどまった。前半3カードをデータで振り返る。
(投手編→https://meisupo.net/special/27844/)
※成績は全て第5週終了時点のもの、一部数値は明スポ調べ
中軸好調 4番定着の横山

開幕前のオープン戦では得点力不足の懸念が散見された打線だが、ここまでチーム打率は.318とリーグトップ。東大戦で大差の試合があったとはいえ、現時点ではおよそ合格点の数字と言って良いだろう。昨年まで前主将・上田希由翔選手(令6国際卒・現ロッテ)が務めた4番打者は横山陽樹外野手(情コミ4=作新学院)が務めている。先日の立大3回戦ではリーグ戦初本塁打を放つなど調子は上向き。スカウティングの観点からも左打者が上位に並ぶことが多い明大打線の中で、長打を打てる貴重な右打者として存在感を示している。
増加する犠打 果たして本当に「手堅い」のか

今季の戦いを見返すと、犠打が増加しているのが傾向として分かる。チーム内の力量差の要素があり単純比較はできないが、1試合における犠打の平均を計算しても2.5とリーグで最も高い。もちろん犠打(送りバント)は正当な戦術のひとつだが、東京六大学リーグには指名打者制度がなく投手が打席に立つ必要がある点で注意が必要だ。例えば1死一塁で8番打者の犠打が成功したとしても、2死二塁で通常9番に入る投手に打席が回る。送りバントが効果的な場面とそうでない場面をベンチが見極めなければならない。野球の妙味であり、難しさであるわけだが、投手陣に不安を抱えている現状からすると、犠打が増える現状の戦い方は最適解と言い切れない可能性がある。加えて2番打者を務める飯森太慈外野手(政経4=佼成学園)の脚力はリーグ屈指で、併殺を打つ可能性は低い。とりわけ試合序盤は違った戦術もあるのではないか。慶大、法大と上位校との対戦が控える終盤戦。多彩な攻撃パターンを期待したい。
[上瀬拓海]
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