
(22)データで振り返る前半戦 投手編/東京六大学春季リーグ戦

春季リーグ戦も第5週を終えいよいよ終盤戦に。明大はここまで3カードを消化し勝ち点2の3位。火曜日の立大3回戦を勝ち切り優勝戦線にとどまった。前半3カードをデータで振り返る。
(野手編→https://meisupo.net/special/27861/)
※成績は全て第5週終了時点のもの、一部数値は明スポ調べ
エース不在 規定到達者なしで未だ形見えず

チーム防御率は2.80とまずまずの数値を残している投手陣だが、気になるのは現状規定投球回に到達している投手がいないことだ。当初先発として期待された藤江星河投手(政経4=大阪桐蔭)や浅利太門投手(商4=興国)を固定できず柱と呼べる投手がいない。先発で実績のある久野悠斗投手(商3=報徳学園)も故障で出遅れ投手起用は流動的に。ここまで先発投手がQS(先発投手が6回以上を投げ3失点以内)を達成したのが8試合のうち1試合しかなく、いまひとつ先発投手が試合を作れていない。先発完投を美化する気は毛頭ないが、継投前提になりその分リスクが増えるというのが現状としてある。
記録的な四死球の多さ

今季の投手陣最大の課題として挙がるのは四死球の多さだ。ここまで8試合で41個の四死球を献上しているが、これは昨季5カード13試合で献上した四死球の総数37を4上回る。今季2カードを残しながら昨季の四死球数を超えているのだ。1試合平均を計算しても5.13でリーグ5位。もちろん四死球を一概に否定するわけではないが、1試合平均2.5の早大の倍以上の四死球を相手に与えている計算になる。優勝の可能性を残す早大、慶大、法大、明大の4大学で比較してもワーストの数値である。
救世主 先発デビューの右の本格派

そんな投手陣の中で、まさに救世主と呼べる活躍を見せているのが髙須大雅投手(法3=静岡)だ。ここまで3試合に登板し1勝1敗防御率2.77。各種指標を見ても極めて優秀な成績を残している(表1)。ハイライトは4月28日、GWの早大2回戦。前日の1回戦を落とし後がない状況から7回被安打3無失点と好投。直球で押し、フライアウトを量産。GO/AOは0.45を記録した。この試合がリーグ戦初先発初勝利となった。
※GO/AOとは
→ゴロアウトの総数をフライアウトの総数で割ったもの。1.08あたりが平均とされ、この数値が低いほどフライアウトが多い。
投手陣に課題が残ることこそ間違いないものの、前述の浅利はリリーフに配置転換した早大3回戦以降は復調の兆しが見えており、また第二先発の枠に入った松本直投手(情コミ2=鎌倉学園)が直近の立大2回戦で5回無失点の好投。他にもサイド転向の山田翔太投手(国際4=札幌第一)らもリリーフとして印象的な活躍を見せている。
[上瀬拓海]
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