
(17)立大戦事前インタビュー① 田中祥都主将、沖政宗投手

(この取材は3月23日に行われました)
田中祥都主将
――今年度は主将を務めます。
「自分からチームの主将を務めたいという意志を伝えた上で、全員で話し合って多数決というわけではないですが僕しかいないという流れになって、やることになりました」
――現在の状態はいかがでしょうか。
「キャンプはだいぶ手応えがあって、チームとしても試合の進め方が明確になった感じがあります。そこを踏まえて手応えがかなりあります。守備で言えばピッチャー含めてどうやってアウトを重ねていくのかという部分、攻撃で言えば打順のつながりだったり役割に応じた攻撃をしていくという部分を明確にすることができました。それを手応えだと感じていて、勝ちやすくて負けにくいチームができたのかなと感じています」
――複数のポジションを守った経験があると思いますが、今季は主にどのポジションに入ることを想定されていますか。
「今季は二塁手で出場することになりそうです」
――今年度は新体制として再始動を目指すシーズンだと思われますが、今のチームをどう見ていますか。
「学年関係なく下級生からも意見が言いやすい環境づくりであったり、チームのスローガンである『結束』を達成するために、チームが一丸となって、まずは選手が結束することにこだわってやってきているので、そういった意味では結束に近づいていると感じています。あとは神宮球場でOBの方々や応援してくださる方と結束して、リーグ戦優勝を果たしたいと考えています」
――監督交代もありましたが、今年度のチームはどんな野球を展開するのでしょうか。
「アウトを取れるところでしっかり取れるように、当たり前のプレーをやるというのが今年のチームだと思っていて、そこに打力、点を取る力が加わってきます。3番の4年・柴田(恭佑内野手)と4番の2年・丸山(一喜内野手)を中心とした中軸には打力があると思うので、そこを含めてどう点を取っていくのかという部分を優先して考えないといけないと思っています」
――前チームと変わった部分を挙げるならどのようなことがあるのでしょうか。
「まず野球にしっかり向き合うということです。そして日頃の生活の部分で掃除をしっかりやることであったり、朝食をきちんと食べるといったことから見直してきているので、社会に出ても通用する人間になるための土台づくりができてきているという部分では去年とは違ってきているのかなと思います」
――ご出身の仙台育英高出身の選手が大学野球界でも活躍を見せています。
「本当にみんな能力が高くて、選手としてもいい選手ばかりなので、尊敬する部分もありますし、逆にライバルとしてしっかりチームが勝てるような取り組みを自分も負けずにやっていきたいと思っています」
――今季はプロ野球併用日も多く、先制点や守備など接戦を戦い切るということがどのチームも大切になってくると思われます。
「チームが勝つことに一番尽力したいと思いますし、攻撃で言えばとにかく多く出塁して上位中軸につなぐということにはこだわってやっていきたいと考えています。守備では主将として当たり前のプレーを当たり前にやってアウトを重ねていこうと思っています」
――1年次から多くの試合に出場した田中選手にとって、出場機会が減少した昨年度は悔しいシーズンだったのではないでしょうか。
「1年生のとき最初試合に出していただいてから、そこからケガがずっと続いてうまくいかない時期があったのですが、この春はオフから今まで野球にしっかりと向き合うことができているので、チーム一丸となって結束して優勝したいという思いです。数値としてもリーグ戦1位という数字を残したいですし、チームとして失策を減らす守備力と打力にこだわってやってきたので、それを一試合一試合形にしていきたいと思います。チームのスローガンである『結束』を達成するためにも、選手だけではなくてスタンドで応援してくださる方々と結束することがリーグ戦優勝につながると考えていますので、ファンの方には神宮球場に足を運んでいただきたいです。立教の7年ぶりの優勝を一緒に分かち合いたいなと思います」

沖政宗投手
――現段階で先発かリリーフか今季の役割は決まっているのでしょうか。
「特に決まってなくて、監督さんも変わって一からのスタートなのでそこは誰も決まっていないです」
――オフはどのようなことに取り組まれましたか。
「3年間真っすぐの強さがウィークポイントとしてあって、そこを改善しないといけないということでこだわってやってきました。体を大きくしてパワーをつけて、真っすぐの強さや逆に自分のアピールポイントであるコントロールという部分も磨いてきたので、バランス良く技術の向上に取り組めたと思っています」
――時折サイドスローでの投球を混ぜたりするのが印象的です。
「そうですね、自分自身他大学の強力な強豪校出身の選手とリーグ戦で戦うとなったときに、自分の力だけで勝負するのではなくてしっかり頭を使ってバッターと勝負するという考えは常に持っています。真っ向勝負ももちろんかっこいいのですが、結果的にアウトになっていれば良いという感覚でやっています。変化球主体というイメージを持たれていると思うのですが、この冬はあくまでバランス良くやってきたつもりなので、何かに偏る投球ではなくバランス良くバッターと対戦していきたいと思います」
――捕手の争いが激しい立大ですが、沖投手からは各選手それぞれどう見えていますか。
「まず戸丸(秦吾捕手)はバッターと対戦する中での選択肢をたくさん持っていますし、一番リスク管理というか最善の策を取るようなイメージで、セオリーに沿った配球が印象的です。落合(智哉捕手)は年上の自分に対してもはっきり意見を言ってくれますし、この場面は逃げるのか攻めるのか、というところを明確にして気持ちも伝えながらやってくれるので、2歳下ですが頼もしいキャッチャーです。大山(陽生捕手)は3人の中では一番冷静で俯瞰的な視点を持ったキャッチャーです。体は大きい、というかちょっと太っているんですけど(笑)。守備的で、頭を使ってプレーできるという部分が印象的です。3人とも違ったタイプで、投げていても『あ、ここでこの配球なのか』と驚くときもありますし、逆にそこは春のオープン戦で擦り合わせてきました。もちろん誰と組んだとしても、ピッチャーとしてはキャッチャーが要求した球を投げ切るというところは変わりません」
――リーグ戦では継投の成否がポイントになると思われますが、どのような役割を果たしますか。
「自分としては先発に対するこだわりがあるので、先発をやりたい気持ちはあるのですがラストイヤーなので、まずはチームのために何ができるかということを考えてそこを最優先したいです。4年生だから自分が、という感じになりがちだと思うのですがそうなり過ぎずに、優勝のために自分は一つのピースとして何ができるかということを考えながら優勝に向かっていきたいと思っています。個人としては、防御率1点台前半というのは目標として持っていて、その中で先発に対するこだわりもあるので規定投球回をクリアしたいとも思っています」
――新体制の雰囲気や最上級生として意識することがあれば教えてください。
「去年一年間いろいろなことがありまして、今年は新チームがスタートする上でみんなで何をやったのかと言われると難しいところがあるのですが、逆に寮のルールからグラウンドのルールまで一新して当たり前のことを当たり前にやるという部分はチームとして徹底できているのかなとは感じます。野球のことではなくて私生活や自分たちの関係を再構築してきたつもりで、非常にいい雰囲気でできていると思います。そこが野球の結果につながれば良いと思っています」
――今季をどんなシーズンにしたいとお考えですか。
「自分たちは今年『結束』というスローガンを掲げています。リーグ戦を戦うにあたってもう一度私生活から見直して、当たり前のことを当たり前にやってそれが結果につながれば良いと思っているので特別なことは考えず、4学年全員が優勝に向かって同じ方向に向かっていけるようにやっていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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