
(157)【特別企画】箱根駅伝100回記念大会 明大OBインタビュー Honda前編/木村慎、小袖英人
今回で100回を数える箱根駅伝(以下、箱根)。第1回から出場している明大は数多くのトップランナーを輩出してきた。今企画では箱根路で活躍した明大OBらをお招きし、当時の心境や箱根、明大に対する思いを伺った。
現在Honda陸上競技部に所属する、木村慎(平28商卒)選手、小袖英人(令3政経卒)選手のインタビューです。(この取材は11月21日に行われたものです)
――今回の企画を聞いて何か思ったことはありますか。
木村「明大スポーツさんは学生の時に本当に熱心に取材していただき、卒業後も記事を何度も見させてもらいました。すごく丁寧に取材してもらって、親身に記事を書いてくれているなという印象だったので、取材に来てくれるとは。本当にうれしく、ぜひという感じでした」
小袖「僕も学生時代の時にたくさん取材していただいて本当にお世話になったので、卒業してからも取材していただけるということで、少しでも競走部に貢献できれば良いなと思いました」
――お2人は学年が被っていませんが、関係性や仲の良さについて教えてください。
木村「小袖がエースとして箱根などを走っている時も見ていましたし、大学4年の時にHondaの夏合宿に参加してくれて。櫛田(佳希・令5政経卒・現NTT西日本)と2人で来てくれたので、一緒にご飯に行きました。その時は練習もぼろぼろだったんですよね、夏休み明けで来たので。大丈夫かなって思いながら、後輩が来てくれるのがめちゃくちゃうれしくて。自分がHondaに入った時は、明治の先輩がもう陸上競技部に1人もいらっしゃらなくて寂しい感じもちょっとありましたし、だからこそ明治の後輩が入ってきてほしいっていう思いはあったので、練習に来てくれてなおかつHondaを選んできてくれて、本当にうれしい気持ちでしたね」
小袖「僕は高校生の時に慎さんの走りをテレビで見ていたので、そういう選手と一緒に実業団で競技できることは本当に光栄なことだと思います。あとは何だろう…?(もっと言っとけよ!(笑))やっぱりHondaでは、ムードメーカーと言いますか一番の盛り上げ役なので(笑)。本当にHonda陸上競技部になくてはならない存在と言いますか、大学の先輩として尊敬する部分が多い先輩です」
――お互いの大学時代の印象を教えていただきたいです。
木村「今もそうですけど、小袖の大学時代の印象はどっちかというとスピード。長い距離というより短い距離で存在感を発揮するタイプだと思っていました。入社してからも5000メートルでは日本トップレベルのタイムまで伸びましたし、これから長い距離でも活躍していける、そしてHondaを引っ張っていく若手になるんじゃないかと思っています」
小袖「まず一番始めに思ったのは、めちゃくちゃフォームがきれいだなって。明治の時の姿も見ているんですけど、ユニホームめちゃくちゃ似合うなみたいな(笑)。(明治のMがね(笑))Hondaの白も似合っていて、走りは長い距離が強い印象でもあります。今もマラソンで活躍されていますし、ニューイヤーなどでもロードの強さというのは本当にすごいなと思います」
――明大OBで集まる機会はありますか。
木村「自分は箱根の大手町のゴールに行くようにしていて、そこで大体OBが集まるので同期や、学年が被っていないような年上の先輩方にも挨拶させていただきました。だから箱根に母校が出てくれることで、そうやって集まって、その後そのままご飯に行ったりもするので、そういう機会は本当にうれしいですね。同期だったらちょいちょい集まるんですけど、なかなか世代を越えて集まるっていうのは、箱根の大手町ぐらいしかないと思うので、そのくらいですね」
小袖「僕はまだ箱根を見に行ったことがないので(笑)、社会人の会などには参加していないんですけど。やっぱり明治OBの方々にあいさつした時には結構話しかけてくれたり、試合や合宿で年代が近い人と喋ったり一緒にジョグしたりっていうのはしています」
――木村選手は今年の箱根報告会に同期の横手選手(健・平28政経卒・現富士通)と参加されましたが、その経緯を教えてください。
木村「最近シード権を逃すことが多くなっていると思うんですけど、それが始まったのが自分の4年の時からで。その次の年から予選会という形になって、そこからシード権があまり取れていない時期があったので、自分も少し責任を感じて、行けるタイミングがあれば行くようにしていました。あとはやっぱりそういう場でしか集まれない方とか、挨拶できない方がたくさんいますし、今年はニューイヤーで優勝させてもらって、その報告も兼ねて挨拶に伺いました」
――鎧坂選手(哲哉・平24営卒・現旭化成)から木村選手へ伝言を預かっておりまして。(え、怖い怖い(笑))「ご飯の誘いを先延ばしにされているけど、早くご飯行こう」という伝言を受けています。
木村「あのー、あれですよね。そうなんですよ(笑)。1回行けるって言った日が、行けなくなってしまって、練習の兼ね合いで。申し訳なかったなと思うんですけど、無事セッティングできました。MGCに出たヨロさんと自分と、あともう1人の先輩と監督の豪さん(山本駅伝監督)とご飯に行くんですけど、豪さんが監督になられて初めて行くので、いろいろお互いの近況などを話したいなと思っています。やっと無事にセッティングできました」
――明大OBの活躍を見て注目する選手、仲のいい選手などはいらっしゃいますか。
木村「横手や牟田(祐樹・平28農卒・現ロジスティード)や齋田(直輝・平28文卒・現NTN)など同期のメンバーです。あとは、大会や合宿でも鎧坂さんをはじめ旭化成の選手と結構会うのでよく話したり、一緒にジョグさせてもらっています。気になる選手と言うとやっぱりライバルの横手の活躍や同期ですね」
小袖「僕もやっぱり同期が一番気になるんですけど、今少し元気がない状態でお互い頑張っていきたいなと思っています。大学4年間で被っている選手は結構見ていて、1個上の中島さん(大就・令2商卒・現中国電力)が最近自己ベストを更新したり、1個下の旭化成に行った手嶋(杏丞・令4情コミ卒・現旭化成)と鈴木(聖人・令4政経卒・現旭化成)も実業団に入ってなかなか結果が出ていない状態だったのが最近走れてきているのを見て、ほっとすると言いますか、これからも明治OBで盛り上げていきたいなと思っています」
――ここまで陸上を続けられている要因は何だと思いますか。やめたいと思う瞬間はありましたか。
木村「もちろんあります。ここ1年は全然故障していませんが、今まで故障が結構多くて。大学時代は故障しなかったんですが、社会人に入ってすぐの頃は1年丸々走れなかったり、ケガで全然走れなかったことが多かったです。その時は本当にやめたいと思ったこともありましたし、実業団の大変さなどをよく豪さんに愚痴を聞いてもらったり相談に乗ってもらった時期もありました。本当にそういう先輩やOBの方、そして小袖など後輩たちの活躍に刺激を受けて今頑張れている状態です」
小袖「僕も1年目のニューイヤー前に故障してしまって。調子がいい時期だったんですけど故障が長引いて、そこでちょっと腐ってしまってやめたいなと少し思ったこともありました。ですが、そのタイミングでチームがニューイヤーで初優勝をして、来年自分が絶対走って連覇するんだっていう気持ちになって、目標が明確にできたことで続けられている部分もあります。また、やっぱり大学の時にお世話になった山本佑樹前駅伝監督だったり、西さん(弘美スカウティングマネジャー)に実業団で少しでも結果を出して、恩返ししたい気持ちがあるので、今こうやって頑張れていると思います」
[覺前日向子、桑原涼也]
後編はこちらから!
第100回箱根駅伝まであと12日。
Hondaインタビューの記事は12月21日発行の明大スポーツ第534号(箱根駅伝特集号)にも掲載します。ご購入フォームはこちらから!
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