
(111)大学野球引退インタビュー 菅原謙伸捕手

(この取材は10月28日に行われました)
菅原謙伸捕手(政経4=花咲徳栄)
――ラストシーズンを振り返っていかがですか。
「優勝できなくて、悔しい結果になったと思います。優勝したかったので、最後はやっぱり悔しかったですね」
――法大3回戦ではスタメンでした。
「監督は対抗戦って言ってたので、まずは法政さんに勝つことだけ考えてやりました」
――村田賢一投手(商4=春日部共栄)に対して何を意識しながらリードしていましたか。
「最後のシーズンなんで、村田にとっても悔いが残らないように投げてもらいたいなっていうのはずっと思ってました」
――今季のチームとしての結果はどのように受け止めますか。
「勝つことは難しいなって思いましたね。盤石みたいに記者の人たちは言ってくれてたんですけど、野球の難しさというか、一球の重みを最後の最後で思い知らされるゲームが多かったですね」
――個人の結果はいかがですか。
「春よりも試合に出させてもらって、その中で失敗もありましたし、失敗して学ぶことが多くて、今後の人生に生かしていければと思いますね。もう少し打ちたかったなっていうのはありますね(笑)。でも今の実力はこれなので、この結果と向き合いたいなと思います」
――この4年生の代はどのようなキャラクターが多いと感じますか。
「希由翔(上田主将・国際4=愛産大三河)に聞いた方がいいと思う(笑)。人思いっていうか、自己犠牲というか、誰かのためにっていう気持ちを持ってる人がいると思いますね」
――上田主将はどんな主将ですか。
「希由翔は、4連覇が懸かるどんどんプレッシャーが大きくなる状態の中で、本当に自分のことよりもチームのためを思って動いてくれた人だなと思います」
――改めて4年間を振り返っていかがですか。
「失敗、後悔、そっちの方が多かったですね。やっとけばよかった、あそこでああしておけばよかった、そういうことしかないです。(ポジティブな面では)みんなに会えたことが良かったです。善波さん(達也前監督)が『大学で出会った同期とか人っていうのは一生の財産になる』って言ってくださって、入った頃は何言ってるんだろうって思ってたんですけど(笑)、終わってみたらこういうことだったんだって感じますね」
――入学した時に想像した4年間と実際の4年間にギャップはありましたか。
「入学した頃は試合に出てる状態をイメージしてたんですけど、やっぱりうまくいかなくて。試合に出られないことを受け入れ切れない自分もいて、でも受け止めなきゃいけないつらさはありましたね。でもそれ以上に楽しかった思い出とか時間があったので、辞めたいって思った時もありましたけど、なんだかんだ辞められずみたいな(笑)。そういう感じでしたね」
――下級生の頃の自分にアドバイスするとしたら何でしょうか。
「『もっと頭使え!』って言いたいですね。もっと頭使ってもっといろんなことにチャレンジしてほしいです。頭使ってなかったので、もっと自分のいろんなことを考えながらやっていけばよかったなって思います(笑)。それが一番難しいんですけど(笑)」
――4年間で印象的だった出来事は何ですか。
「春の東大2回戦ですね。前日試合出てなくて、ちょっとやけくそになってて『なんで?』ってなってたんですけど(笑)。親にも出ないから来なくていいよって言ってたんですけど次の日試合出てああいう場面で結果が残せて、申し訳ないなって思いました。打席に立った時の応援団のスタンドの力がすっごいあって、あれは本当に自分の力っていうより応援してくれるみんなの力で打ったなって思います。いい所に飛んでくれたのはありますけど、まさかあそこであんなに粘ってああいう結果が残せると思ってなくて。周りの力を感じました」
――普段から応援は聞こえますか。
「聞こえないですね打席入っちゃうと(笑)。あの時は、蓑尾さん(海斗選手・令5文卒・現Honda熊本)に『ああいう時どうしてたんですか』って聞いたら『スタンド見てたりしてたよ』って聞いてて、その時だけ冷静になれてスタンドを見たら本当に良い景色で。自分の力になってくれるものが見れたから。あの光景は忘れられないです」
――影響を受けた先輩や指導者はどなたですか。
「いっぱいいますね、1人には絞れないですけど。高校の時の監督もそうですし、蓑尾さん、山田陸人さん(令5法卒・現ENEOS)、戸塚さん(俊美助監督)にもお世話になってますし、善波さんもずっと見ててくれて、広澤さん(克実氏・昭60文卒)もAbema見てたらよく名前を挙げてもらって(笑)、文雄さん(鈴木コーチ)もバッティングでお世話になって、西嶋さん(一記コーチ)もピッチャーのことを話して、挙げたらキリがないです(笑)」
――これまで取材していて、後輩への思いが強いなと感じました。
「春秋で小島(大河捕手・政経2=東海大相模)が被りましたけど、まだキャッチャー歴が浅いので、もっとこれから失敗して、自分でもああしておけばよかったっていうのをどんどん経験してもらって、いいキャッチャーになってほしいです。それに負けないで中山(琉唯捕手・文3=常総学院)とか、他にもキャッチャーいますけど、絶対どこかでチャンスが来ると思うので、あきらめないで頑張ってほしいです。失敗して学んだ方が早いです。経験をもっといっぱい積んで頑張ってもらいたいですね」
――これからの目標をお聞かせください。
「また1からのスタートで、一日、一球、もっと頭を使って大事に。また同じ失敗をしないように勉強していきたいです」
――これからの野球人生への意気込みをお願いします。
「明治で教えてもらったことを忘れないように、明治魂を持って食らいついていきたいと思います!」
――ありがとうございました。
[西田舞衣子]
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