
(107)秋季リーグ戦後インタビュー 宗山塁内野手

(この取材は10月28日に行われました)
宗山塁内野手(商3=広陵)
――今季を振り返って一言お願いします。
「全然です。前半は良かったのですが、後半ですね。もう遅いのですが法政との最終戦でやっと感覚をつかむことができたと思います。1年を通じて状態があまり良くなかったと思います」
――状態が良くなかったとのことですが、足の上げ方など試合の中で打席ごとのマイナーチェンジを行う場面が今季はしばしば見られました。
「まず立ち遅れというか、タイミングが遅くなって差し込まれるのが嫌だという考えがあります。どんなスイングをしていてもその部分ができていないとだめなので、なんとかうまくできないかと試しながら打席に立っていました。(明大の左打者に多いパターンですが、2年次よりトップが浅くなったように見受けられます)自然にそうなっている感じですね。チームで例えば内海(優太内野手・商1=広陵)は長打が出るタイプですがそこまでトップを深く取るタイプではないですし、元々そのようなタイプが多いということだと思います。長打に特化するより、スピードのある選手が多いのもあると思います」
――3割4分の高打率を残した一方、昨年度7本を記録した本塁打がこの今年度はありませんでした。
「状態が悪く、自分の形が良くないので打球も上がりません。去年も狙って打ったというわけではなく、いい形で打てた時は自然と長打になりますし1年間打球が上がらなかったのは自分の状態の問題だと考えています。(制約の多い3番という打順が関係しているのでしょうか)もちろん戦術的にやることはありますが、その中で結果を残していかないといけないですしそれが自分のためになると思っています。チームとして動く時は絶対何かしら役割は出てくるわけで、大学やその先でも自由にできる状況はなかなかないと思うので、その中でいかに自分の力を出せるかというのは強く感じたところです」
――今季の打撃面に関して、改めて総括をお願いします。
「一番はうまくバットが出てこなかったということです。自分の思ったところではないところでボールに当たっているから思うような打球が打てません。ですが打てていない中で3割付近の打率があるのは何とかしようとした結果だと思いますし、そういう経験も必要だったと感じています。バッティングの形は一日で大きく変わるものではなく毎日の積み重ねで良くも悪くもなるので、そこはもっとこのオフの期間でもっと敏感になって突き詰めていこうと思います」
――次に守備面に関して、普段から『守備は誰でもうまくなれる』と発言されているのが印象的ですが、その言葉の真意を教えてください。
「本当にそのままです。例えばバッティングは正直練習とある程度のセンスが必要だと思っています。努力だけである程度のレベルには行けますが、その上となると元々持っているものも関わってきます。ですが守備は反復練習をすればするだけうまくなるものです。うまくなる練習を知って意識を持って毎日練習をすれば誰でもできると自分は思います。自分も最初は苦労しましたが、うまいと思った人に聞いたり、ネットにもたくさん動画が上がっているのでそのようなことから自分なりに吸収してやった結果だと思います。大学に入って村松さん(開人選手・令5情コミ卒=現中日ドラゴンズ)に聞いたりもしました」
――先日のプロ野球ドラフト会議(以下、ドラフト会議)では、上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)をはじめ1歳年上の選手が指名を受けました。
「毎年身近なことになっていると感じます。本当に時間がないです。来年は技術面もそうですがチームとして勝つための自分の行動など要素も重要ですし、慢心することなく一生懸命やることが大切だと思っています。プレー以外のところのふるまいなど、野球選手トータルとして見た時に『こいつはいいな、欲しいな』と思ってもらえるようにやっていきます」
――来年度は大学ラストイヤーとなりますが、まず来季はどのようなプレーをしたいとお考えでしょうか。
「やはりまずバッティングの面ですね。自分の体のことをもう一度見直して、自分に合うものをセレクトしながら取り入れていくという感じです。この冬はとにかくバッティングを研究していきたいと思います。この一年間の経験を生かすことができれば来年の春はもっとレベルアップすることができると思うので、そのような自分を想像しながら基礎練習を大切に取り組んでいきます」
――シーズン中から基本的にはポジティブな発言が目立ちます。
「もちろんうまくいかないことが続いたらネガティブになりやすいのですが、一年間試合をするのであれば落ち込んでいる暇はありません。落ち込んでいるくらいなら良くなるように考えるべきですし、反省することは大事でも暗くなる必要はないと思っています。悪いなら悪くて終わりではなく『何か良くなるための今なのではないか』という風に考えるタイプなので、それが自分の考え方、生き方なんだと思います」
――これまで野球から離れたいと思ったタイミングなどはございますでしょうか。
「もう離れたくても離れられないですよね。野球しかやってきていませんし、前から野球で生きていくと決めているので野球をやっていくしかありません。練習が厳しかったことなどはありますが、楽しくなくなったということはありません。昔から根拠はないですが自分は高校、大学、プロと進むものだと言い聞かせてきました。自分が行く世界は他の人と違う世界なので、他の人と同じことをするだけではだめだと思ってこれまでやってきました」
――注目度の高い東京六大学という特殊なリーグでプレーする宗山選手ですが、その先のプロ野球も含め野球を〝伝える〟立場でもあります。
「かっこいいと思ってもらえるようなプレーをしたいです。『かっこいい』と思えたら、ならやってみようとなりますよね。逆にそう思えないと夢がないので、プレーで自分を表現して活躍する姿を見てもらいたいと思います」
――広陵高の1学年先輩の高太一投手(大商大)がドラフト会議で広島東洋カープから2位指名を受けました。
「左のパワーピッチャーということで高い評価を受けたのだと思いますが、自分もうれしかったです。勇輝さん(石原投手・商4=広陵)に聞けば一番早いのですが(高投手は)少し変わっている人なんですよね(笑)。すごく優しい先輩で、怒ることなんてまずないのですが変なことを平気でするタイプの人です」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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