
(104)秋季リーグ戦後インタビュー 浅利太門投手

(この取材は10月28日に行われました)
浅利太門投手(商3=興国)
――今季は自己最多の6試合に登板しました。
「投げる場面が増えたことは良かったです。東大戦以外全てのカードで登板することができましたが、1シーズンを投げ切る難しさ、しんどさなどは今まで経験したことがなく、特に球数が多くなった慶應戦の後は疲労感が残りました」
――春の全日本大学選手権の仙台大戦で154キロを計測しましたが、今季は球場表示では立大2回戦で152キロを計測しました。
「はい。球場のトラックマンではそのボールが154キロと表示されたようです。今季は全体的に自分が投げたいボールがあまり投げられない中で結果的に無失点になっているような部分があったので、もう少し再現性を高めた投球ができればというところです」
――防御率1.26と安定した投球を見せた一方、最終カードの法大戦はやや本調子ではなかったように見受けられました。
「自分の課題としてインステップしてしまう癖があり、慶應戦などでは真っ直ぐが思い通りに行っていない感覚がありました。慶應戦が終わってからそのインステップの修正を試みたんですけど、そこがあまりうまくいきませんでした。(好調時に比べ重心が一塁側に寄っていたように見られました)そうですね。そのインステップの修正の過程で体が倒れていたんだと思います。自分は体を縦に使うフォームなのですが、インステップで体を縦に使うとなると抜けるボールが増えたり力がうまく伝わらなかったりすると思うのでそれは絶対に直さなければいけないと思っています」
――今季は武器の直球とフォークに加え、カットボールを効果的に用いる場面が目立ちました。
「まず今季は右バッターとの対戦が多かったことがあります。配球は小島(大河捕手・政経2=東海大相模)に任せている部分もあるのですが、昨季は左バッターとの対戦が多かったのでフォークを使うことが多かったです。自分のスタイル的には変わりませんが確かに割合的な部分は変わってきて、カットボールで若いカウントから打ち取れたりカウントを取れたことは成長したかなと思います」
――来季は先発登板の機会も増えてくると思いますが、強化したいポイントを教えてください。
「投げる体力や投げたいところに投げる精度など、先発をするなら全てが足りていないと思います。先発をするにあたって自分が求める最低ラインにも達していないです。平均球速の面でもアベレージで147キロくらいには持っていきたいです。結局真っ直ぐ中心の投球にはなると思うので、それくらいはないと2巡目3巡目で慣れられてしまいます。バッターの反応次第ですが147キロで対応されるなら150キロを目指してという感じです」
――以前投球フォームに関して伺った『あまり前でリリースしない』というお話を改めてお聞きしてもよろしいでしょうか。
「リリースについて、ピッチャーが前でリリースするというは低めに投げるという点では間違っていないと思います。ただ球速を上げるということに関しては後ろで離すのが良いと思っていて、その分高めに抜けたりはするのですが後ろでリリースすることが良くも悪くも球速という武器にはつながってくるとは感じています。それぞれ目指しているところにもよるので、例えば村田さん(賢一投手・商4=春日部共栄)はかなり前でリリースしていると思いますが、自分はしばらく球速を上げることを目標にしていたのでそのような形になっていました。正解不正解というより、自分の持論ですね」
――プロ志望を明言する浅利投手ですが、先日のプロ野球ドラフト会議はどうご覧になりましたか。
「まだ他人事という感じです(笑)。あまり実感は湧いていません。ただかなりのスピードがある投手でも外れ外れ1位という評価を受けていたことなど見ると、四球の数や試合を作れる能力が大事になってくると思うので、ゾーンの中で勝負できる投球ができたら良いなと思います」
――これまでの野球人生で実力の向上を実感したのはどのタイミングだったのでしょうか。
「球速に関してなら高校1年の時は119キロくらいのところから秋に138キロくらいまで伸びたので幅で言えばそこだと思います。軟式球では元々130キロくらいが出ていたので慣れもあったと思います。大学に入ってからは毎年5キロほど伸びているのですが、大学に入ってからの伸びの方が自分の投球スタイルに影響しているのかなと思います」
――これまでに投手以外のポジションを経験したり、野球以外のスポーツをしたことなどはございますか。
「ポジションはピッチャー中心で、小学校や中学校時代はあまりしっかりしたチームではなかったこともありキャッチャーや外野をやったりしていました。野球以外でいえばいろいろやってみたのですが、すぐにやめてしまったものばかりです。幼稚園のころの水泳もやめましたし、空手も少しやっていたのですがこれもすぐにやめてしまいました。小学5年生くらいの時にはバスケットボールもやりました。自分は多少柔軟性があるタイプなのですがもしかしたらその経験が生きたのかもしれませんね」
――最後に内面について、ご自身ではどんな性格を持っているとお考えですか。
「現実主義ですかね。例えば小学生、中学生の時はプロ野球選手になろうとは考えておらず、視野に入るようになったから志すようになったという感じです。(社会人野球に進み、都市対抗野球の10年表彰を目指すのもある意味では現実主義ではないでしょうか)結局それは10年先を見てしまっていますよね。10年先を予測するのは非現実的ですし、その分からないところを目指しても自分のモチベーションにはなりません。安定したいというよりかは無理な夢を見たりとか、大きな主張を掲げたりするタイプではないという意味です」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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