(103)秋季リーグ戦後インタビュー 大川慈英投手

2023.11.11

(この取材は10月28日に行われました)

 

大川慈英投手(国際2=常総学院)

――今季を振り返っていかがですか。

 「去年の秋のフレッシュでケガをしていたので、初めは『秋のリーグ戦も間に合うかどうか』といった状況でした。正直ここまで投げられるとは思っていなかったので、率直にやっとケガ明けで軌道に乗ってきたなと思っています。その中でも思っていたよりイニング数を投げられたので、見てきただけのリーグ戦とは違い、投げる責任だったり重圧を感じたシーズンでした」

 

――投手としての起用方法について、希望はございますか。

 「この秋に関しては『リーグ戦で登板する』というのが自分の目標だったので、どんな場面だとしても、とにかく投げて結果を残し、信頼を得たいと思っていました」

 

――最も印象深い試合を教えてください。

 「そうですね。やはり慶応戦ですね。土曜と月曜に投げましたが、どちらもビハインドの状態で登板して、これ以上点を渡したら負けが確定するような場面で。抑えはしたんですが、チームは負けてしまったという面では、自分が抑えてもチームとして負けてしまったら仕方ないなっていうのがあって。なので自分がどれだけいいプレーをしても、やはりチームが勝たないと何にもならないなと感じました」

 

――マウンドで大切にしていることは何ですか。

 「やはり自分のスタイルを崩さないことです。どれだけランナーを背負っていても、逆に余裕があるときでも、ずっと集中して気を抜かずに投げ込むというのが自分のスタイルだと思っているので、それだけは絶対に崩さないように心がけています」

 

――今秋でご自身の成長を感じられた部分はございますか。

 「やはり技術面ですかね。(秋季リーグ戦の)最初の方は、正直言って『ただ投げているだけ』というか、キャッチャーが出したサインに対して、ただそこに投げているような、アバウトな感じで投げている自覚があったんですけど、後半に進むにつれて、バッターを抑えるイメージがだんだんと湧いてくるようになって、そのイメージをある程度再現することができる感覚がありました」

 

――投手として刺激を受けた方はいらっしゃいますか。

 「そうですね。先輩方や同級生を含め、やはり皆さんが当たり前のように相手を抑えていて、今回は少し失点などもあったとは思うんですが、リリーフ陣通して大量失点というのはなかったと思います。そういう面では、自分が失点することでチームが一気に崩れてしまうような雰囲気があったので、どのピッチャーにも負けないように抑えることが大事だと思っていました」

 

――今季は打者33人に対し奪三振が14を記録しました。

 「正直三振の数については気にしていなかったんですが、自分の中でストレートの感覚がとても良くて、(もとから奪三振は)多いほうではあったかもしれないですけど、ここまで取るようなタイプではなかったので。そこはケガの功名というか。ケガをして冬だったり春にちゃんと取り組んだことが、出てきてくれたのかなと思います。ケガの前よりかはかなりいい球が投げられていました」

 

――次のシーズンはご自身のどこに注目してほしいですか。

 「自分の持ち味はストレートだと思うので、一人一人をしっかり抑えていくというところですかね。あとはいいピッチングをした試合でも負けてしまったので、来シーズンの目標は〝勝てる投手〟になることです」

 

――調子がいまひとつのとき、ご自身なりの修正方法はございますか。

 「修正の仕方というよりかは、できるだけいつもの状態が変わらないように、前日の夜だったりは瞑想してリラックスを心掛けたり、自分を保とうという意識はしています。それでも試合で崩れたときは、自分のフォームが乱れているときなので、一度シャドーピッチングをすることで基本に戻っています」

 

――ご自身の目標や課題をお願いします。

 「今回のリーグ戦で一番分かったのが、コントロールミスが投球の中で一番の命取りなんだろうなっていうのが、見ていても自分が投げていても思うところではあったので。一球一球の精度を上げることはもちろん、ある程度失投しても打たれないというか、分かっていても打たれないボールを目指したいです。ですがやはり、コントロールを上げるのが一番ですね」

 

――ありがとうございました。

 

[松下日軌]