(72)内海優太 スタメン勝ち取り目指すは首位打者

2023.09.28

 1年生ながら今季春季リーグ戦6試合に出場。全日本大学野球選手権でも注目が集まる中、堂々たるプレーでチームの準優勝に貢献した内海優太内野手(商1=広陵)。小学、高校と日本代表に選出された世代屈指の好打者は新天地となった六大学の舞台でも奮励する。

 

今に活きる経験

 多くの高校から声がかかる中、「私生活の面でも成長できる」と進学先に選んだのは全国屈指の強豪・広陵高。入学当初は周りのレベルの高さに「ついていけるのか」と懸念があったものの、杞憂(きゆう)に終わった。高校入学当初は勝負強い選手ではなかったという内海だが「チャンスの時ほどリラックス、一球集中」の精神で勝負強い打者へと成長。2年次から4番に座り存在感を示すと、秋季大会では中国大会優勝を果たす。選抜高等学校野球大会に出場すると8打数4安打と結果を残し、全国に名をとどろかせた。「自主練習の量だったら誰にも負けないくらいやっていた」と平日の全体練習が短い広陵高でひた向きに汗を流し、3年次には副主将としてチームをけん引した。しかし、優勝候補筆頭と目されていた高校最後の夏は広島県大会3回戦でまさかの敗退。U18日本代表の1次候補に名前が挙げられていたが、例年代表選手の多くは夏の甲子園で活躍した選手が占めており「正直気持ち的には選出されないだろうと思っていた」。気遣わしさがあったものの、それまでのプレーが評価されU18日本代表に選出。大学日本代表との壮行試合では篠木健太郎投手(法大)から本塁打を放ち、多くの注目を集めた。4番を任されたU18ベースボールワールドカップではチームの3位入賞に貢献。レベルの高い同期や海外の選手とプレーをすることは大きな刺激となった。

 

新天地の舞台へ

 大学は「バッティングを教えてもらうこともある」と大学入学後に話す機会が増えたという宗山塁内野手(商3=広陵)ら、多くの広陵高の先輩が活躍する明大を選択。1年次の春からベンチ入りを果たすと、慶大2回戦の同点で迎えた6回には代打で出場。勝ち越しとなる2点本塁打を放ち勝利に貢献した。

 

さらなる高みへ

 「自主練習で差が出る」。広陵高時代と同様に個人での取り組みが重要となる大学野球。「ただ打つだけではなく一球一球集中して打つ」と日々の練習から高い意識を持ち、レベルアップを目指す。「長打力とその中でも打率を残したい」。成長過程にある世代屈指の好打者はさらなる高みへ飛躍を誓う。

 

[伊原遼太朗] 

 

◆内海優太(うつみ・ゆうた)商1、広陵高校、185センチ、85キロ、左投げ左打ち、内野手。商学部より情報コミュニケーション学部に入りたかった。