
(67)番記者が紹介! 明治大学プロ志望4選手

10月26日に行われるプロ野球ドラフト会議に向けて、明大から上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)、村田賢一投手(商4=春日部共栄)、蒔田稔投手(商4=九州学院)、石原勇輝投手(商4=広陵)の4選手がプロ志望届を提出。明大としても14年連続ドラフト指名が懸かった今年度に、夢の扉を開けるのはだれか。本記事では4選手の特徴などを紹介していく。
【注】今回の記事内の成績は全て9月17日現在のものです。
上田希由翔 六大学ナンバーワンスラッガー
183センチ93キロの恵まれた体格を武器に長打を量産する左のスラッガー。1年春から神宮デビューを果たすと、秋にはルーキーながら4番に定着。以来〝明治の4番〟は彼の代名詞となり、侍ジャパン大学代表でもクリーンアップを担った。長打力が魅力かと思えば、現役1位の通算83安打を放つなどアベレージヒッターの素質も兼ね備え、通算72試合に出場しながらわずか34という三振の少なさも魅力。打点も現役トップの64打点をマークし、勝負強さも折り紙付きだ。守備でも一、二、三塁に加え外野もこなす器用さを持ち合わせ、大柄な体格とは裏腹に足も速い。どこへ入団しても主軸候補となれることは間違いないだろう。
高校時代はどんな選手?
愛産大三河高では〝二刀流〟として活躍しており、2年秋からはエースナンバーを背負った。2年夏には甲子園に出場し、横浜高と対戦。及川雅貴選手(阪神タイガース)からヒットを放っている。3年からは打者に専念し、高校通算本塁打は46本。
未来予想図
体格は佐藤輝明選手(阪神タイガース)級。類まれな打撃センスと長打力から、NPBスカウト陣からは「左の牧(秀悟選手・横浜DeNAベイスターズ)」の呼び声も高い。明大の先輩・佐野恵太選手(平29商卒・現横浜DeNAベイスターズ)も近いか。
◆上田 希由翔(うえだ・きゅうと)愛知県出身、愛産大三河高。野球用具に記す名前は「Cute」。183センチ・93キロ
村田賢一 唯一無二の投球スタイルで天下をつかめ
立派な体格に似つかわしくない器用さが売りの本格派右腕。3年春から先発としてフル稼働し、リーグ通算134回2/3を投げ、防御率1.47。これはかつてのドラフト1位柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)や森下暢仁選手(令2政経卒・現広島東洋カープ)の通算防御率よりも優れた数値だ。シンカー、スライダーなどの豊富な変化球とそれを投げ分ける制球力は誰もが認める長所。加えて打者の狙いを外して、打たせる投球術もプロ顔負けだ。現時点で球速は控えめに感じるが、大学代表候補合宿で見せた姿を考えるとまだまだ伸びしろはある。どこのチームにも即馴染める便利さと社交性を持ち合わせた選手だけに、早い段階で先発の可能性を捨てないチームへ入団してほしい。
高校時代はどんな選手?
春日部共栄高では2年秋からエースで4番の大黒柱。県大会から関東大会までの全9試合に登板し、8戦連続完投勝利でチームを甲子園へ導いた。ゲームを作る能力の高さは今もそのままだが、どちらかというと剛腕投手の部類であった。
未来予想図
現状のイメージは西勇輝選手(現阪神タイガース)や野村祐輔選手(平24商卒・現広島東洋カープ)が近い。将来的には日本版グレッグ・マダックスと呼ばれる投手に。
◆村田 賢一(むらた・けんいち)千葉県出身、春日部共栄高。多趣味の中でも自動車は特に譲れない。現在はトヨタ86の試乗ができる場所を探している。181センチ・90キロ
蒔田稔 3連覇支えたタフネス右腕
投手3本柱の一角を担う蒔田。2年秋にリーグ戦デビューを果たすと3年春には4勝、防御率1.90でベストナインを獲得。優勝に王手をかけた立大3回戦では荘司康誠(東北楽天ゴールデンイーグルス)と白熱の投手戦を演じ10回を無失点に抑え勝利に貢献した。最大の武器は最速150キロを誇るストレート。大学日本代表候補合宿の際に行われた計測でも「ホップ成分は一番だった」と球速以上のキレで打者を押し込む。さらに縦に大きく割れるカーブ、チェンジアップなどで緩急を使い的を絞らせない。昨季は救援としても登板しており「一番球数を投げてきた自信はある」と投げ込みで鍛え上げた体は連投にも対応可能だ。即戦力ながら将来性も兼ね備えており、どの球団にもマッチするだろう。
高校時代はどんな選手?
九州学院高では1年夏からベンチ入り。2学年上には村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)、同学年には川野涼多選手(埼玉西武ライオンズ)がいた。甲子園出場経験はない。
未来予想図
キレのあるストレートで押し込むスタイルは柳裕也選手(平29政経卒)や村上頌樹選手(阪神タイガース)を彷彿とさせる。プロでも通用する決め球があれば1年目からの活躍も期待できる。
◆蒔田 稔(まきた・みのる)熊本県出身、九州学院高。勝負強い投球とは裏腹にマウンドでは常に「ハラハラドキドキ」。178センチ・83キロ
石原勇輝 球質と将来性は一級品
威力のある直球と変化球の緩急、球持ちの良さが魅力の左腕。同じ腕の振りから繰り出される最速149キロの直球、チェンジアップ、カーブ、スライダーなどを操る。3年秋に12回を投げ防御率1.50、奪三振16とブレークすると、その後も好投を見せている。注目すべきは奪三振数だ。46回を投げて43奪三振、救援に特化すると30回を投げて32奪三振。プロ野球において奪三振投手とされる奪三振率9を超えている。また、毎季成績を更新し続けている点からも、伸びしろを感じさせる。ややスタミナ面の心配はあるが、昨季3試合で先発しアピールに成功か。今年度救援型の左腕は貴重なだけに、球団によっては即戦力の可能性も。
高校時代はどんな選手?
広陵高では3本柱の一角として活躍し、甲子園に出場。2年秋の中国大会決勝では7回11奪三振無失点の好投でチームを神宮大会に導いた。当時は直球の平均が130キロ台で、変化球でカウントをとる技巧派投手。広陵高の同級生では高太一選手(大商大)もプロ志望届を提出。昨年度、当時のエース・河野佳選手(広島東洋カープ)がプロ入りしており、続きたいところだ。
未来予想図
持ち球とフォームは宮城大弥選手(オリックスバファローズ)に似ているか。本人は「理想としているのは今永昇太選手(横浜DeNAベイスターズ)」と話しており、威力のある直球を軸とする投手を目指す。
◆石原 勇輝(いしはら・ゆうき)広島県出身、広陵高。打撃でもリーグ戦通算6安打、打率6割という成績を残す明大の二刀流。180センチ・87キロ
[硬式野球部担当一同]
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