
(54)秋季リーグ戦開幕前インタビュー 宗山塁内野手

宗山塁内野手(商3=広陵)
(この取材は8月31日に行われました。)
――ここまでオープン戦での調子はいかがでしょうか。
「状態は悪くないです。オープン戦では結果もですが、自分の思い通りの方向に打球が打てたかどうかや、バットが出てくる感覚の確認を重要視しています。それらの感覚は現時点で悪くありません」
――夏の期間は大学日本代表として第44回日米大学選手権に出場しました。
「実際にアメリカで野球をして、アメリカの選手や環境との違いを肌で感じることができたことが大きいです。例えば守備で言えば日本チームの方が上だと感じました。ですがスイングスピードやパワーの面では全くレベルが違い、勝てないと思いました」
――大学日本代表の大久保監督が外角の対応力を選手選考の基準として言及していました。
「アメリカはストライクゾーンが広いと事前に聞いていたので、そういう部分に関して話されていたのだと思いますが、それほど大きな差は感じませんでした。アメリカの投手がいわゆる動くボールばかりを投げてきたわけではなく、意外とフォーシーム系の直球を投げてきたり、うまく使い分けをされた印象です。そこにいち早く対応できるかが重要でした」
――ここからは秋季リーグ戦についてお聞きします。今季のチームの特徴を教えてください。
「投手陣の枚数がそろっているので、まず投手中心に守り、打線はとにかく後ろの打者につなぎます」
――目標とするプロ入りに向けても重要なシーズンとなります。
「これまでから大きく何か変えるというよりは、プレーの質や安定感を求めてやりたいです。いい意味で変わらない姿を見せることができれば1年間戦うイメージを持ってもらえると思うので、安定した結果を求めていきたいです」
――3番打者を務めますが、どのシーズンも成績にそれほど大きな波がありません。
「まず勝負所で打てるかどうかが重要だと思っています。中軸を任される以上、極論その勝負所でさえ打てれば良いと考えるほど集中しています。その上で、常に試合中での修正をしながら大きな波なく成績を出すということを意識しています」
――2年次に比べ、早いカウントでの決着が多くなったように感じます。
「自分の中では基本的に早いカウントで打っていく方が良いという考えを持っています。例えば状態が良い時はどのボールに対しても思い切りスイングすることができて、タイミングが合えばヒット、合わなければファールになるイメージで打席に入ります。一方で状態が悪い時はタイミングが合っても合わなくても打球がフェアゾーンに入ってしまうんです。昨季はこの状態でした。ファールを狙っているわけではないのですが、早いカウントから振っていく中でファールにできるのか、フェアになってしまうのかは自分のスイング次第で変わってきます」
――リーグ戦4連覇には新戦力の台頭が必須ですが、ブレイク候補はどの選手でしょうか。
「新戦力と言えるかは分かりませんが、内海(優太内野手・商1=広陵)です。オープン戦でも結果を出していますし、一塁だけではなく外野で起用される可能性もあると思います」
――今季をどのようなシーズンにしたいですか。
「キャリアハイを達成したいです。一度は三冠王を達成したいと考えています。そして最後にはやはり青学大と対戦してリベンジしたいです」
――どの回答からも、プレーを言語化する能力に長けていると感じます。
「野球のことを考えない日はまずないですし、野球をしていない時でも野球のことを考えるくらい日頃から野球のことを考えています。日頃からそれくらい考えることで自然と言葉にできるようになりますし、他の選手のプレーを見たりして自分に落とし込む経験を積んだりして引き出しを増やすことも大切だと思います」
――大学野球の面白さ・魅力を教えてください。
「まず投手のレベルの高さですね。高校野球との違いとして第一に挙げられると思います。先日大学日本代表と高校日本代表の壮行試合に参加しましたが、大学側の投手陣のレベルの高さは明らかでした。もちろん大学日本代表の投手も高校時代からあのような投球ができていたかといえばそうではなくて、大学の4年間でレベルが上がるんです。それに呼応するように野手のレベルも上がりますからそのレベルの高さは魅力だと思います」
――母校の広陵高は全国高等学校選手権3回戦で慶應高に惜敗しました。
「勝ってほしかったですね(笑)」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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