
(36)春季リーグ戦後インタビュー 浅利太門

(この取材は5月27日に行われました)
浅利太門投手(商3=興国)
――今季はどんなシーズンでしたか。
「東大2回戦以外の全ての試合でベンチに入れていただきましたが、最終的に3回と3分の2しか投げることができませんでした。今季を振り返ると、3回戦や4回戦にもつれた時の調整方法など、想像以上に大変なことが多かったと感じます。回の途中から登板した際には気持ちを作るのに苦労しました。今後はより多くの出場機会をいただけるように頑張りたいと思います」
――持ち味のフォークはキレ味抜群でした。
「ストレートと同じ腕の振りで投げることは常に意識しています。一般的なフォークとは異なり、人差し指、中指、薬指の3本でボールを挟むのが自分のフォークの特徴で、高校時代に習得しました。バウアー選手(横浜DeNAベイスターズ)のスプリットチェンジのように、落とすというより打者のタイミングを外すことを主眼に置いたボールです」
――法大3回戦では自己最速となる154キロを記録しました。
「冬が明ける前の練習の段階からある程度手応えはありました。その中で、神宮球場のマウンドではさらにいい感覚でストレートを投げることができ、そのような数字が出たのだと思います。自分の投球はストレートが主体になるので、今後は相手が分かっていても打たれないような球質を求めていきます」
――法大1回戦では2回を投げ勝利投手となる活躍を見せました。
「回をまたいだ8回表は失点をしてしまいましたが、回をまたぐこと自体は苦ではありません。力のある打線相手でしたが、普段練習で対戦している明治の打者を考えると、相手打線は怖くありませんでした」
――リーグ戦3連覇の要因を教えてください。
「代打の選手がいい準備をしてくれていて、勝負所で打ってくれたのが要因の一つだと思います。自分が登板した法大1回戦でも木本(圭一内野手・政経2=桐蔭学園)が逆転打を打ってくれました。先発の村田さん(賢一投手・商4=春日部共栄)や石原さん(勇輝投手・商4=広陵)がしっかりと試合をつくったことも含め、投打がかみ合っていたと思います」
――今季は下級生を含め、起用された選手が次々と活躍しました。
「まず4年生の先輩方が、下級生がやりやすい環境づくりをしてくださっていることが大きいです。その上で下級生も上級生に負けていると思わず、『自分がやるんだ』と食らいついています。下級生はメンタルが強いと思いますし、いい意味で勝ち気な部分があると思います」
――現在重点的に取り組んでいることはございますか。
「法大戦を終えたあたりからドライブラインという取り組みを行っています。この練習にはリリースポイントの確認やケガをしないフォームを作ることなどがあります。重さの違うボールを投げ分けるのですが、腕だけで投げてしまうとケガをしてしまいます。ですから腕のしなりを使って投げることを意識するようになり、リリースの確認ができるという流れです。今はこの練習を習慣として取り組んでいます」
――今季は中継ぎを務めましたが、他のポジションへの挑戦に関して教えてください。
「もちろん先発をやりたいという思いはありますが、自分の投球スタイルや性格を考えると、中継ぎが向いていると感じます。首脳陣も現時点では変更を考えていないと思います」
――活躍を続けることができれば大学日本代表も視野に入ってきます。
「自分は卒業後プロの道に進むことを目標としています。大学日本代表の選考合宿に参加することは今季の目標の一つでした。ですが自分は今季あまり回を投げていないので選出されることはないと思います。秋以降は選考していただけるよう頑張りたいです」
――開幕を控えた全日本大学選手権ではどのような投球をしたいですか。
「まだメンバーに入るかも決まっていないのですが、入りたいという思いは当然あります。チームが劣勢の時に自分の出番が来ると思うので、チームに勢いをつける投球をしたいです。短いイニングでの爆発力が今の自分の強みなので、出番があれば持ち味を発揮してチームの力になれる投球をしたいと思います」
――ありがとうございました。
[上瀬拓海]
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